精神覚醒ノ肥後虎 ACT.プロローグ 「アースクエイク」
作者からのメッセージ
作者のまとらまじゅつです。
この度は熊本地震で亡くなられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。
この作品は被災者が元気を取り戻して貰えることと、地震で被害に遭われた地域の1日でも早い復興を祈って作りました。
注意事項
・この作品はフィクションです。この作品に登場する登場人物や出来事はこの作品だけの架空のもので実在しません。
・この作品は公道での自動車レースを題材にした作品ですが、実際には公道レースは犯罪なので真似をしないようにしてください。
(公道での自動車レースは道交法68条で2年以下の懲役又は50万円以下の罰金、もしくはその両方を受けます)
・なお、この作品は犯罪行為を助長しません。
・実際に車を運転する際は事件事故を起こさないように交通ルールを守り、安全運転を心がけましょう。
・もし事故を起こした時や迷惑運転は自己責任です。作者は保証しません。
事故を起こしたら自動車メーカーやパーツメーカーをイメージダウンさせるといった迷惑を掛ける場合もあります。
我々の国にある各地の峠が廃道になり、自動免許が16歳から取れるようになった世界。
あの伝説の誕生から1年が経過していた。
2016年4月16日、熊本県内に震度7の揺れが県内を壊し、うちらの日常は一瞬で崩壊する。
城の石垣や社は倒れ、県の風景は崩れたガレキだらけだった。
この地震で100人以上の人たちが犠牲になった。
生き残った人も苦しく、家を失った人もいる。
うちも被災者の1人だ。
震災がキッカケで何かの能力に目覚めると同時に、後にひょんなことから手に入れた車や仲間たちと共に地元で激しい戦いを繰り広げ、最速の走り屋となっていくのだった。
深夜2時の体育館の空から、鼓膜に良くないほど激しいプロペラの音が聞こえてくる。
「う~ん……しぇからしか!!」
こんな嫌な音を耳で触れたうち目が覚めてしまった。
「これで何度目ばい……」
この体育館にばうちをはじめ、地震で家を無くした方々が暮らしている。
ヘリの動くプロペラは睡眠に良くない音だ。
被災した上に妨害されるのは……泣きっ面に蜂だ。
仕方なく、狸寝入りで朝を待つ。
朝8時、体育館から出ると炊き出しのご飯を手に入れに行こうとしたけど、報道陣のクルマが邪魔で手に入れることができなかった。
体育館前の段差に座ると、ポケットから朝鮮飴を取り出し、米と味噌を掛けて食べる。
父ちゃんから「いつかば餓死するから、それに備えるこつ」って教えられたから、携帯している。
「すいません、取材させていただけないでしょうか?」
食べ終えて体育館の中へ戻ろうとしたら、報道陣に捕まってしまう。
取材を断固拒否した。
しかし報道陣はとてもしつこく、うちが断っても取材をしようとしてくる。
「震災で家を無くしたんですよね」
「取材ば後にしてくださーい!」
今は取材を受けたい気分ではない。
震災での被災とヘリに睡眠を妨害されたからだ。
「取材させてください!
テレビで報道しますから!
取材しなければ帰れませんから!」
「もうよかやけん!」
まるで匂いに釣られるようについてくる。
もうどっか行ってほしい!
その時、うちの前に黒髪で長身の女性が現れた。
救世主がやってきたばい!
「被災者に対してそのような態度をやめてください。そっとさせたほうがいいです」
救世主ばあいつらに対して。
「被災者へ迷惑を掛けていることに気づいていません」
と説教を始めると、あいつらは退散していった。