精神覚醒ノ肥後虎 ACT.23「鎌切ミドリ」
あらすじ
バトルが始まった。
覚は青山の走りを確認するため、後攻を取った。
彼の弱点を見た覚は、それをつき勝利した。
ミドリの情報を教えてもらう。彼女はR.G.Bのメンバーだった。
往路のゴール地点へ着く。
付近の駐車場にFCを停止させる。
後ろから来たエボ7もここに停止した。
それぞれのドライバーがクルマから降りて、会話を始める。
「追いかけてすまない。私はバトルを挑みに来たわけではないんだ」
「こちらこそ勘違いして逃げてすまない。俺はサラマンダー財団の財津斬鬼郞だ」
「サラマンダー財団の方か。こちらはR.G.Bの赤石火山だよ」
ここで本題に入る。
「俺はある人物を探している。鎌切ミドリという少女だ。彼女のクルマと思われる緑色のST205を見たことあるか?」
「うちのチームメイトだよ。前から説得しているけど、言うことを聞いてくれないんだ……」
その時、俺たちが来た反対方向から1つの光が来る。
正体はクルマであり、俺が探していた緑のST205だ。
緑の特攻服姿で同色のロングヘアをなびかせた少女が降りる。
彼女こそ鎌切ミドリだ。
「ミドリ、たまには両親の元へ帰ったらどうなの?」
「そうだ。お前が帰らないことにお前の両親は困っているぞ」
しかし、ミドリは……
「何? 嫌よ! 喧嘩ばかりする親の所には帰らないわ」
と拒否した。
「なら、力ずくで止めるしかないね。私とバトルだよ。負けたら家に帰ってもらうよ」
「いいわ、そのバトルを受けてやるわ。赤石、私に勝てるかしら?」
「もちろんだよ。君を返すためなら勝つつもりだからね」
クルマに乗り込み、バトルが始まる。
スタートはローリングスタート方式だ。
「これも失敗するかもしれない」
出発する2台を見て、俺はそう不安を感じた。
コース:箱石峠復路
赤石火山(CT9A)
VS
鎌切ミドリ(ST205)
先行は私が取った。
スタートしてすぐ、3つのS字高速シケインを抜ける。
「パワーはこっちが下だけど、抜かさないよ」
右U字ヘアピンに突入する。
ミドリは仕掛けてきた。
ST205のボディに萌葱色のオーラを発生させる。
「マンティスの刃流<マンティス・ブレード>!」
カマで斬るカマキリのようなドリフトで攻めていく。
私はブロックしていた。
緑色のオーラを纏いながら。
「刺の灼熱流<カクタス・ニードル>」
サボテンの針で身を守るかのようなブロックだ。
ミドリの追い抜きを防ぐ。
「やるわね」
次は直線。
私のエボ7の方が高速域のトルクが高くないので追いかけられた。
「ほんとやるわね。けど、抜かせてもらうわ」
ST205が私のエボ7を抜きにかかる。
私の前へ出た。
「抜かれたけど、諦めないよ!」
君の両親のためだ。
直線を終えると、左中速ヘアピンへ入る。
そこは両者共にドリフトで通過した。
次は右速ヘアピン、緩いS字ヘアピン、左中速ヘアピンが迫り、それらを抜けていく。
バトルの状況はあまり変わっていない。
再び緩いS字を抜けて2連ヘアピンに入る。
2つ目にて私は仕掛けた。
「刺の灼熱流<炎のメリケンサック>!」
炎の拳で殴るようなコーナリングで攻める!
しかし、先を走るミドリの方も技を使っていた。
「マンティスの刃流<マンティス・ブレード>!」
カマキリの鎌で斬るようなドリフトで攻めていく。
互角の勝負だった。
バトルは続くものの、ミドリを追い越すことは出来ないままバトルを終えた。
私の敗けだ。
勝利:鎌切ミドリ
5月25日の木曜日。
今日もうちは鎌切家に訪れた。
斬鬼郞さんと一緒だった。
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