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精神覚醒走女のオオサキ番外編 「幽霊環状族」3話「追い付け」

 サンシャイン峠と言われる区間が終わり、次なる区間に突入する!

「今、EF9が先行だ!」

 現在、幽霊のEF9がワンエイティを大きく離している。

 しかし、次どうなるか分からない。次は前とは性格が変わるからだ!

 先行しているEF9は直線を抜け、90度の右コーナーに突入し、その後の左ヘアピンに突入する!

 ここから地獄の17連続ヘアピンの始まりだ。

 ここから坂が急になって、FFであるEF9の加速が上がっていく。

 しかし、EF9を運転する幽霊は低速コーナーが苦手。

 EF9は1つ目、2つ目のヘアピンを素早く抜けることができず、アンダーを出しながら距離を縮められる!

 一方、おれとワンエイティはEF9が3つ目のヘアピンに突入する頃に地獄の連続ヘアピンの最初のヘアピンに突入していく。

 坂道が急になったことによるトラクション向上で性能アップしたにも関わらず、苦手とする低速ヘアピンが次々に襲いかかっていくことに全体的な速さがダウンした。

 峠仕様のため低速コーナーの突っ込みが速いワンエイティはEF9との差を縮めていき、5つ目のヘアピンにてテール・トゥ・ノーズの差に縮めた。

「もう追いついたよ!

 幽霊!」

 煽りだすおれは前のEF9に対してそう挑発的なセリフを放つ。

 6つ目のヘアピン、おれは左足ブレーキを使うドリフトを発生させながら、白いオーラを纏う!

「行くよ!

 小山田疾風流<フライ・ミー・ソー・ハイ>!」

 

 白いオーラを纏ってから驚異的な速度でのドリフトを披露し、EF9に襲い掛かる!

「イケイケイケイケイケイケイケー!」

 

 <フライ・ミー・ソー・ハイ>を披露したワンエイティは順位入れ替え目前と言える状態だった。

 しかし、EF9も反撃に出て、火炎のような赤いオーラを纏う。

 直管マフラーから噴き出る怪しい白煙がおれとワンエイティに襲いかかってきた!

「なに!

 今の!?」

 現れる怪しい白煙の中に入ったワンエイティはドリフトを止めてしまった!

 なぜだ?

 あの白煙は習得したばかりの技<スケルトン・アタック>に似た物を感じるけど、あれはやっぱ技だった。

 

 幽霊がさっき放った白煙こと<デス・スモーク>によって、命中率の下がったワンエイティの高速ドリフトは不発に終わった。

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 けど、それでもテール・トゥ・ノーズの状態は続き、抜くか抜かれるかの2台のチェイスが地獄の連続コーナーで繰り広げられる。

 

 おれのドリフト走行、幽霊のグリップ走行の攻防戦が続き、7つ目~15つ目のコーナーを2台はクリアした!

 16個目のコーナー、左だ。

 ここでまた白いオーラを纏う!

 

「イケイケイケイケイケイケイケイケイケイケェー!」

 殺気溢れる<フライ・ミー・ソー・ハイ>による凄まじいスライドで左に攻めていった。

 これもまた防がれ、EF9の車体は岩のような茶色いオーラを纏うと同時に凄まじく攻めるワンエイティを必死に止めようと殴り返すかのように防いだ!

 また追い抜きは失敗してしまった。

 

「うわ!

 痛たたたた……」

 岩に突き刺さるような痛みを感じ、叫んでしまった。

 ワンエイティのドリフトを防いだこのブロック、これは幽霊の技で<テイク・カウンター>と呼ばれている。

 

 さらにはEF9は黒いオーラを纏い、罠を仕掛けてくる。

サンシャイン峠にておれを様々な状態異常にした技で、技の名前は<アンラッキー・デビル>だ!

「相手が技でやってきたら、やり返すつもりだね!」

 まるで高視聴率を記録したドラマの某銀行員っぽい言葉を言ってしまった。

 パクって申し訳ない。

 けど、道に仕掛けられた罠をおれは直感を使って回避したのだった!

 罠を直感で回避した行動は後に行われた次のバトルで役立つことになるようだ――。

 技を回避すると、17個目のヘアピンを抜け、これで地獄の連続ヘアピンは終わる。

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