Covid19 壊れそうな香港で思うこと
12月のはじめ頃から香港に聞こえて来ていた武漢肺炎、実は中国ウイルス言わないでとか、いろいろ問題はあるけれど、香港では前も今もCovid19は武漢肺炎と呼ばれています。
さて、そのウイルスですが、中国、武漢 英語でWuhan で短期間の間にものすごい数の人が感染して、病院に人が駆け込み、病院の廊下で死んだとか、死体が山積みになっているとか、歩いていた人がいきなり道路で倒れてヒクヒクしているとか、怖い映像がSNSにあふれていました。
それでも香港ではそれほど感染者もおらず、犠牲者の数もそれほど多くなく、他の都市に比べたらいないと言っても問題ないぐらい少ないわけです。
しかし、ある時期、Party RoomでHot Pot つまり鍋ですね、それを食べていた家族というか親戚内で小さなクラスターが起きてしまったのです。それ以外にも、韓国同様、どこかの宗教関係の建物でもクラスターが起きたので、ついに香港も中国との国境を閉めることになり、今、香港と中国を結ぶ鉄道はすべて国境手前の駅までしか走っていません。
そして空の便もほとんどキャンセルとなり、外から持ち込まれる数もそれほど多くなく、香港内のクラスターもほとんど起きなくなっていました。
しかし!!!!
そうしているうちに、ヨーロッパとアメリカがひどいことになってきたため、今度は、海外で学んでいる香港人の子供、香港在住外国人の子供たちがどんどん香港に帰ってくるようになりました。香港政府も自国民にドアを閉じるわけにもいかず、何万人という数の学生たちが香港に帰ってきたのです。大学生だけではなく、ボーディングスクールで学んでいる子供は小学生から高校生までいるので、結構な数になります。
そして、その数が増えていくにつれて、日々の感染者数も日増しに増えて来ました。
このグラフを見てもらえるとわかると思いますが、3月18日ごろから徐々に増えていて、多くが海外から戻ってきた人なのです。ヨーロッパとアメリカがいかに感染率が高いかわかります。
帰国者は空港でチェックを受け、風邪などの症状がある場合は検査を受けて検疫施設へ、そうでない場合は普通におうちに帰って、自宅検疫となります。検疫中はスマホと同期するリストバンドをつけなければなりませんが、親につけさせて、遊びに出る子供もいるとかいないとか。。。どちらにしても症状が出るまで検査はしないので、感染していても普通に親兄弟、メイドと接しているわけです。
実際、家族全部に感染というケースも最近起きました。
日々30~40人が陽性となっています。
しかし、政府の注目が向くのは、海外から戻ってきた人たちではなく、市中感染と呼ばれるものです。バーやレストラン、エステサロン、カラオケなどで発生したクラスターばかり気にして、先週末からSocial distancingが厳しくなっていたのですが、市中感染が日々数ケース発生するので、ついに今夜からバー、パブ、カラオケ、ナイトクラブ、雀荘などが2週間クローズとなりました。これで人が集まる場所がほぼ無い状況になったのです。
香港ではマスクが足りているので、ほぼ100%の着用率です。どこにでも消毒液が置かれているので、一日に何度も消毒液で手を洗っています。カフェやお店、オフィスビルの入り口では必ず体温チェックをされます。
ここまでしているのに、日々の感染者数は減る事もなく、毎日多くの人が感染しています。今日は43人が感染したそうです。43人中34人が海外から戻ってきた人です。いかに帰国者が危険かわかります。
かといっても、まだ全部で845人ですので、他の都市に比べた少ないのかなと思います。
たとえば、今日の近畿地方のコロナニュースによりますと、59人増えて、近畿2府4県で616人 死者15人とちょっと多め、退院者177人、同じぐらいの数字だと思います。面積にしてみると近畿の方がずっと広いので、本当なら大阪だけと比べた方がいいのか?たまたま私が近畿出身なので、比べてみただけですけどね。
ただ、日本の場合は海外から戻ってきた人ではなく、本当にLocal transmissionと呼ばれる感染なので、これは感染予防を全く行っていない証拠です。感染経路がわかっているケース、わからないケース リストがあったのでだいたいわかりますが、経路がわからないケースを生み出さないようにすることは十分できたはずなのに、できていないのが残念です。
香港はいろんな意味でSARSの教訓と経験が生かされているとつくづく感じます。SARSの時感染者がまったくいなかったことが、今の日本にとって裏目に出ている気がします。
できるだけテレワークを実施して、用が無い人は外出を避け、マスク着用、手洗いを徹底して、人込みに行かない。外食しないなど、みんなが徹底して感染予防に努めれば、たぶんヨーロッパのようにはならないと思います。
みなさん頑張ってください。