【毎年恒例】KING OF KINGS 2020 GRAND CHAMPIONSHIP FINAL 配信レポート
みなさんこんにちは。
悩み相談・コーチングをしているじゅんと言います。
普段心理や自己啓発中心のnoteを上げているんですが、、、
実は閲覧数トップが未だにKOK2018のレポートなんです。
Top5の内4つKOKで、
その下も「ラップとは」「世界最高年齢差ヒップホップユニット、、、」
と、完全にラップ中心のnoteと化しています。
なので
今年はそろそろやめようと思いましたが
配信で観られたという事もあり、
KOK2021のレポートかまします。
出場メンバーについて
今年はコロナで、、、
と言いつつしっかり予選も東京、大阪で行い
他の大会からもチャンピオンが出ているので
実はあまりコロナ関係ない状況。
その代わりいつものプレーオフ枠がなく
9sari選抜という形で3名が選出。
・崇勲
・S-kaine
・呂布カルマ
選抜メンバーに関しては「個人的にはアリ」
プレーオフで知名度、実力の揃わないMCが出るより
全然納得感ありです。
チャンピオン枠としてあまりバトルしていない崇勲も貴重。
各大会の優勝者も、、、↓
Authority(戦極21章)
輪入道(真・ADRENALINE / SPOTLIGHT)
Luvit(戦極U-22)
SKRYU(戦極U-22)
鎮座DOPENESS(KOK東日本)
RAWAXXX(戦極21.5章)
SILENT KILLA JOINT(口喧嘩祭)
BASE(KOK西日本)
Maiji(小倉MCBATTLE)
SIMON JAP(LEGALIZE MC BATTLE)
漢 a.k.a. GAMI(SPOTLIGHT準優勝)
句潤(ENTA DA STAGE)
MU-TON(戦極22章)
↑↑↑良いメンバー!!
お馴染み強豪から
今年話題のメンバーまでバランス良し。
戦極各章から全員出したのは正解ですね。
(来年は戦極離脱でどうなるか?)
唯一の問題
は、、、、早雲なぜいない!!
これまでのように急遽オファーはしたのか、、、
諦めたのか??
2019のファイナリスト&2020優勝のガチガチ大本命。
AurhorityもUMB優勝時に「KOKで」て言ってたのに。。。
ともかく、
これまでよりもグッとレベルが高くなり
オールスター感もバッチリの今大会。楽しみです。
ベスト16
第1試合:RAWAXXX VS Authority DJ KOPEROステージ
1試合目が前回の決勝組み合わせ。
ちょっとやりすぎなんじゃないかという仕込み方。
先行のRAWAXXXが相変わらずのビートキープで開始
相変わらずラップとしてうまいが、
言っている事に特徴ない点もあって
言いまかすタイプのAurhorityは苦手なのかも。
更に明らかに気負っていて落ち着きがないAu。
相手の言葉を拾って意味を返しながら
即興で硬い韻を落とす随一のテクニックだが
その分繊細にくずれやすい瞬間も。
RAWのテクニックやアティチュードに押されたのか
最後のバースをうまく締められないという
Auにしては珍しいミスで100-0の完敗。
コメントも残せず明らかに悔いが残る敗戦に。
パンチライン
RAW「俺は10年この位置を守るぞ」
Au「数十年後まで起こすムーブメント今日はフルベットで回すルーレット」
第2試合:Luvit VS 崇勲 ksmnステージ
最年少のLuvitだが、不思議と「すぐ負けそう」感が全く無い。
ビートアプローチ、ライミング、即興性どれもレベル高い。
紹介Vの通り、3バース目に「あなたの曲聞いて共感」とピースに伝える。
後半に向かって感極まるLuvitと
落ち着いて会話を展開し、ちょくちょくライミングも見せる崇勲
崇勲「言葉の重みがわかってねぇな これが最高のエンターテイナー
崇勲 on the mic KOK 今日の優勝俺でOK?」
代表曲「わかってねぇな」を混ぜつつ「らしくない」スキルで締める。
この瞬間「あれ?ちょっと今日の崇勲ならいくかも?」と期待させる完勝。
最後「未来はお前の手の中」とサンプリングでLuvitを包む大きさも見せる。
第3試合 句潤 VS MU-TON INYOBP30ステージ
どちらも国内屈指のフロー巧者対決。初戦ではもったいないだろ!!
「句潤が相手なら楽しむのが一番」と歌い出すMU-TON
それに歌い返す句潤。フローしすぎて歌合戦状態に。
句潤のアルバム「風呼ぶカモメ」を提示したりピースな音楽勝負に。
MU「太陽が天照、八咫烏、この下でお前ら首降らすAlright」
レベルの高いセッションだったが
勝敗の要因は「心に残るバースがあったか」の差かと。
第4試合 鎮座DOPENESS VS SKRYU ClassicBeatsステージ
呂布カルマ曰く「復活バリュー」中の鎮座DOPENESS。
復帰早々各大会勝ちまくりだが、確かに物珍しさや古参ファンの
後押しで勝っている点はあるが、実力間違いなし。
対するSKRYUは若手で今一番ノッテいる人の一人。
個性的なキャラにファンが多いし
うまいのも間違いないが、個人的にUMBでの輪入道戦の結果は納得いかない。
そういう意味で「ブーム中」対決。
鎮座「お前なんて雑魚、雑魚」
SK「テレビもねえ、ラジオもねえ、車もそんなに走ってねえ
鎮座DOPENESS見た目が吉幾三、俺なら良し行くぞ、女子陸上、森光子」
鎮座「ヒーハー!お前は小島よしおか!」
軽快なフローと小刻みな動きであんまりきつい感じしないが
鎮座のディスは結構ドストレート。
それに対してフローと動きでぴょんぴょんし返すSKRYU。
勝ち負けより「相手と楽しむ」姿勢が好感だし
各スタイルに付き合う能力もある。ベストバウトメーカーSKRYU。
お互い相手のバースに笑いながら、能力と面白さで勝負する大喜利感。
自然と拍手溢れるめちゃ楽しいバトルでした。満場一致で鎮座。
第5試合 輪入道 VS BASE DJ ZAIステージ
これまた豪華な組み合わせ。強豪対決。
フロー巧者のBASEに差を意識したのか
全くフローせずに、淡々と喋る輪入道。
お互いそこそこディスしてるのに
どこかニヤニヤしながらの二人。
面白かったけど決め手もなかったこの試合は初の延長に。
「笑うなよ、真面目にやってんだよ」て言うBASEが面白いw
輪「結局女の話か薬の話、それとあとは名前で上がり、
それしかできねえ ただの出しゃばり 俺ならエリアをさらに拡大」
実は物凄いレベル高いバース↑
「お前いつも一緒」というBASEへのアンサーに
的確に打ち返しながら、アアイで韻を踏み続け、
最後「エリアを拡大」でお前と違ってちゃんと地元の外に名前売ってるぞと提示。
これに結構「やられた」と思ったのかBASEのバースが薄くなる。
FORKのみドローで観客含めて全員輪入道。コメントでくやしさを残すBASE。
第6試合 Maiji VS SILENT KILLA JOINT DJ ITARUステージ
玄人好みの実力者対決。
バトルシーンではそこまで知られていないMaijiは
とにかくとにかくラップうまい。(フローと見た目がちょっとだけ紅桜)
SILENT KILLA JOINTも本当にうまい。
お互いめちゃ綺麗なフローしながら言ってることが完璧にわかる二人。
直前にイベントで会って意気投合したらしくピースな音楽合戦に。
票が完全に割れて延長戦。延長も完璧なセッションを披露する二人。
お互いの話をきちんと拾ってるし、凄いなほんと。
判定の差がついた理由は難しいが、
安定して聞きやすかった声のManjiに観客が一票。審査員は完全に割れる。
第1回戦の隠れベストバウト。
第7試合 呂布カルマ VS S-Kaine 法斎BEATSステージ
絶対試合を後半に持ってこられる呂布カルマが堂々登場。
相手は同じく選抜のS-Kaine。
言い方から、既にS-Kaineの実力を認めてる呂布。
これを聞いただけでもほっこり。
何故か「証明とは何か」で議論を始める二人だが
ガギ声のカッコよさと、高音の聞きやすさ。
呂布「いつまでも遊べる相手を見つけた気分だぜ」
観客はS-Kaineに挙げるが審査員3-1で呂布勝利。
負けコメントもカッコよく、完全にシーンに認められているS-Kaine
第8試合 SIMON JAP VS 漢 a.k.a GAMI STYNG Beatzステージ
ガチガチのストリート系ベテラン対決。
この大会で引退を表明している「主催者」漢が
どこまで行くのかも今回の楽しみ。
引導を渡してやる、とばかりに
じゃんけん勝って先攻を取るSIMON JAP。
バチバチに攻める激しいワードと
メンチ切に顔面を数センチまで近づく。
漢ももちろん元々そういうタイプ
全く顔をそらしたり離れる事なくバチバチのやりあい。
それでも「ヤンキーの罵倒」と化したSJに対して
きちんとラップスキルを見せた漢の勝利。
1回戦が終了。
個人的ベストバウトは句潤 VS MU-TONとMaiji VS SKJ
レベル高い同士の戦いはやっぱり耳が楽しい。
ベスト8
2回戦 第1試合 RAWAXXX VS 崇勲 DJ PANASONICステージ
Panasonicの難しいビートは完全にRAWAXXX有利。
彼はリズムキープだけでなく、アクセントのつけ方が上手で
どんなビートでも聴かせる能力。
耳に残るラインは崇勲の方が多く
観客はドロー、審査員3-1でRAWAXXX勝利。
2回戦 第2試合 MU-TON VS 鎮座DOPENESS Pekoステージ
またまた面白そうなフロー巧者対決。
MU「口喧嘩祭りの再来」
鎮座「うるせえバカ、その髪の毛一本一本引き抜いてやろうか」
MU-TONのバース中ずっと中指立てる鎮座。
ディスも、ちょっと引くくらいきつくて
バトルというより、本当に嫌いなのか?てほど。
一方MU-TONはディスらずにカッコよさで勝負。
何が勝敗を分けたかは「完全に好み」
審査員は2-2で割れ、観客で鎮座。やはり「バリュー」か??
2回戦 第3試合 Maiji VS 輪入道 LORD 8ERZ ステージ
Panasonicの時のように、ダウナー系のビート。
柔らかくのせていくMaijiに対して今度は激しくいく輪入道。
下ネタ絡めながら「力入ってる。ちょっと抜いていこう」と提示するMaiji
それに「バトル前は1週間ぬいてねえ」とアンサーする輪入道。
輪「女に金、それよりこんなにやべえ、音にのってけ」
輪「俺は残していく足跡、北九州からありがとう、Fuck You」
途中から完全にバトルモードに切り替わった輪入道の迫力勝ち。
ピースなManjiには嫌な試合となったが、
そこまでしないと勝てないと踏んだ感もある。
本当に良いラップするManji
2回戦 第4試合 呂布カルマ VS 漢 a.k.a. GAMI mass-holeステージ
引退覚悟の漢が呂布を倒せるか、がテーマの試合。
やはり退所後は活舌が良くなって聞きやすい漢。
原点回帰なのか、薬系のアングラワードがバンバン飛び出す。
呂布「ふざけんじゃねえ、言っていいことと悪いことあるだろ。
ガキじゃねえんだ。ここでがんじゃ吸ってるとか言うんじゃねえ」
呂布「難関だったのはもう何年前だったかわかんなくなっちまったよ」
めちゃめちゃ正論をかます呂布。
観客は呂布だが審査員がドロー多くて延長へ。
呂布「お前の引退試合が俺じゃなきゃ」
呂布「俺は音楽で綺麗な金しか稼いでねえ」
正論かまされて思わず「お前も昔は俺らと吸ってた」
と暴露してしまう漢。予想外のダメージw
いつの間にか正義のヒーロー感が満載になった呂布カルマに
引導を渡された漢は、コメントで正式に「引退に悔いはない」と明言。
準決勝
準決勝第1試合 RAWAXXX VS 鎮座DOPENESS 呼煙魔ステージ
偶然ながら、盟友呼煙魔のステージにRAWAXXX。先攻から乗りやすそうに。
ゼロ戦とか稲妻のように閃き、など比喩がかっこいいRAW。
鎮座「おめえが優勝した事あんのかよ。まじで笑っちゃうくらいどうしようもねえ。お前の優勝のしょうは、どうしようもねえのしょうだな」
この試合RAWAXXXのバースがめちゃめちゃかっこいいのに
鎮座DOPENESSがひどいディスでおちょくり続ける
まともに組み合わないやり方に苦笑いのRAW。
相変わらず相手のバースで中指立て続ける鎮座。
さすがにそろそろ大人げないだろと思うが、
インパクトを持っていき勝利。
準決勝 第2試合 呂布カルマ VS 輪入道 LIBROステージ
今大会一番好きなビート。ノリノリでかっこいい。
BPM速いビートになると、「あ、呂布ってラップうまいんだ」
となる。先攻でかっこよく攻める呂布
「俺は相手によって態度変えないが、オーラは変える」
とさっきのManji戦のトピックで応戦する輪入道
意外と輪入道に負け越しているのか呂布。
しかし日本屈指のバトラー対決は完璧なバトルを生む。
速いビートに全くお互い躓かず素晴らしいドロー。
延長は低音が気持ちいい高速ビート。
もうお互いディスる事もない相手。
それでもビートから外れず会話し続けられる二人はほんと凄い。
観客はドロー。審査員は、、、完全に真っ二つで、なんと再延長。
「すみません、ちょっと一瞬にんにく注射行ってきていいですか?」
と謎の言葉を残してステージから一瞬中座する呂布
「ありがとうスナフキン」と言って戻ってくる。
一体何があったのかは、、、誰か教えてください。
呂布「俺が王の中の王 今日勝って明日負けたら意味ねえっしょ」
呂布「バッチリとおさえとけよカメラ これは歴史に残る瞬間だぜ」
呂布「今気づいたんだけどこのビート。母ちゃんの子宮の中で聞いた音と一緒だぜ」
ライミングはどう見ても輪入道の方が圧勝。
でも耳に残りやすいパンチラインはやっぱり呂布なのか。。
観客ジャッジ及び3-1審査員で呂布の勝利。
大会のベストバウトは間違いなくこの試合。
お互いの技と経験の最高峰。
ダースレイダーが解説した通り
「打つとか吸うとか」は直前の「にんにく注射」のくだりを
即興で輪入道がディスったものだが
「俺そんな事一言も言ってねえ」と気づかずに切り捨てた事で
うまいこと言ったはずが逆に外した感じになったのが損。。。
輪入道は本当長い間日本一が取れていなくて、いつも惜しい、惜しい、、、
本人のメンタルがそろそろ持たない気がする。
決勝戦
鎮座DOPENESS VS 呂布カルマ DJ PMXステージ
PMXぽくないダーク感のあるビート。
これまでディスしまくりで上がってきた鎮座DOPENESSが
ここに来て「君イイね」的な先攻。
2バース目で「後ろ向いて入れてやる」とちょっと危ないバースに
「DOPENESS 俺の後ろに立てるやつはいない デューク東郷」
と、実はめちゃうまいライミングで返す呂布。
「ふざけんじゃねえ、鎮座DOPENESS。
昔の百万とかの大会じゃねえ300万だ。
例え親や仲間の首はねて唾吐きかけてでもやる覚悟が必要だ
俺のラップは骨っぽくて男っぽいだろ。
それがBoombapの上でかます俺のラップだよ」
呂布を前にちょっと「勝てなそう」と思ったか
かなり柔らかく落ち着いた鎮座DOPENESSに対して
ガチガチのハードスタイルで攻め
しかも結構かっこいいこと言った呂布が完勝。
延長もなくあっけなく優勝が決まった。
審査員コメント
Ken the 390「輪入道戦の延長が不利になるかと思ったがむしろ暖まった感じ」
ダースレイダー「後半の議論だけで決めてほしくないとドローにした」
FORK「バトルなんで刺しに行った方に挙げる」
ERONE「決勝までゴリゴリにディスってきた鎮を
輪入道戦からリリシズムのスイッチが入った呂布が上回った。
鳥肌が立つくらい呂布が凄かった」
総評
やっぱりメンツがめちゃめちゃ良かったので
試合満足度が圧倒的に高い大会になった。
だからこそ、、、早雲がいたらなぁぁ。
今のバトルのトレンドなのか、
2020年はフロータイプが多く勝ってきた印象。
出場者もフロー巧者が多く
音楽的な楽しさを味わえた大会だった。
審査や結果に対しての違和感もなく
「漢びいきだったら引くな」という心配もなく。
観客が若い人が多いのか、
若いラッパーに観客ジャッジが行きやすかったが
それを審査員が是正していた印象。
この辺りが完全観客ジャッジの戦極とは違う結果になる理由。
個人的には事実上の決勝となった準決勝第2試合は
「輪入道で良かったんじゃないのかなあ、、、」とは思う。
そろそろバトルのシーンもまた下り坂に差し掛かり
観客も新しさを期待するが、そういう問題では乗り越えられなそう。
UMBでSIMON JAPが示した通り「バトルMCの曲は結局かからない」
わけなので、今後は益々、マニアの内輪イベントに戻っていきそうな予感。
寂しいけど、仕方ないね。