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アメリカの大学でバレーボールをするということ
アメリカでは多くの若いアスリート達が大学のスカラーシップを勝ち取るため頑張っているのをご存知ですか。
もし、米国の大学のスポーツチームにスカラーシップリクルートされたら、大学費用にあてる返済不要の奨学金を受け取ることができます。
優秀な選手だとフルライドといって、4年間の学費、寮費おまけに食費まで支払われます。大学によっては学費だけで年間3~40,000ドルなので、とても名誉な事ですよね。
かくいう我が家も、この春、無事に大学を卒業した娘のためにスカラー入学を応援していました。
私の娘は、8歳の時に知人の紹介でバレーボールを始めました。学校外のバレーボールクラブに入った当時は、まだスカラーシップのことなど考えた事もありませんでした。
14歳の時はハワイのASICS レインボーチーム(現RVCH)のリベロとしてジュニアナショナル全米大会に参加して銅メダルを取る事ができました。
高校生になると毎年、地元で行われるトライアウトにも参加して自分をアピールすることも必須です。多くの大学コーチたちがリクルート目的でアスリートのスキルを見にやってくるのです。
私たち家族は、ハワイ大学の女子バレーチーム "レインボーワヒネ" のファンでもあり、毎年シーズンチケットを買って観戦に行っていました。ワヒネとはハワイ語で女性の意味です。
ハワイにはプロのスポーツチームがないため、大学チームのレインボーワヒネはローカルに大人気です。毎シーズン(8月~11月)およそ20試合を本土から遠征してくる大学チームと対戦します。アウェイゲームは約10試合を5回の本土遠征で行います。ハワイでの試合はテレビでも中継しますが、目の前で白熱した試合を観るために大学内にあるスタンシェリフ セ ンターは、いつもファンで一杯です。
いくつかあるフードスタンドで、食べ物やビールを買ってきて食べながらの観戦もできます。ハワイ大学のバンドとチアリーダーチームの応援も試合には無くてはならないものでしょう。試合の合間には観客参加型のゲームもあって私たち観客を飽きさせません。
高校卒業も間近になると、本土の大学進学を考えていた娘は幼い頃からいつも応援をしてきた、地元のレインボーワヒネに気持ちが動いたようでした。
そして、なんとレインボーワヒネのヘッドコーチからオファーを頂くことが出来たのです。
それでも最初の2年、娘はほとんどコートサイドで先輩たちのプレーを応援する毎日でした。3年目にリベロの先輩と後衛を任されるようになって、私たち家族も応援に熱が入ったのは言うまでもありません。
そして昨年は娘にとって大学最後のシーズン。皆と違う色のリベロのユニフォームを着た娘の名前がスターターラインナップで呼ばれた時は、興奮と感激で胸が一杯になりました。
11月22日、10,000人以上集客できるスタンシェリフセンターのチケットはソールドアウト。超満員でした。
この日は例年のイベント、ビッグウエストの決勝戦でした。ハワイ大学を含んだウエストコースト10校のバレーボールチームがナンバー1を決めるのです。
10,000人の歓声の中でレインボーワヒネは勝ち抜き、見事2019ビッグウエストチャンピオンになりました。そして、全米1位を決めるNCAAチャンピオンシップに駒を進めることが出来たのです。
レインボーワヒネで日系人がチームに入り、プレー出来たのは7年ぶりでした。ハワイは日系人ファンが多いので、その意味でも良かったと思います。
そして忘れてはならないのが就任3期目にしてチームを優勝に導いた素晴らしいコーチです。
レインボーワヒネの元セッターで活躍し、オリンピックに3回も出場したヘッドコーチ ロビンは指導力はもちろんのこと、リクルートでも成功をおさめました。優秀プレーヤーの引き抜きに加え、新人とは思えない1年生プレーヤーを即戦力として使ったのです。大学バレー4年の経験を持つシニア達に負けない位、素晴らしいアスリート達を育てました。
この優勝までくるには、チームメイトのそれぞれが持っているタレントスキル、体力、精神力を合わせた皆のチームワーク、コーチング、スタッフの影の力、たくさんのサポーターの応援、運といろいろあったでしょう。
学生の本分は勉強です。チームがここハワイからアウェイゲームをするには、飛行機で長時間かけて本土へ行かなければなりません。宿題や欠席するクラスの勉強も、その合間に必ず終わらせます。もし、成績が規定のスコアより下がったら試合はもちろんのこと練習さえも参加できません。文武両道ですね。とても厳しいです。チームはそこでタイムマネージメントや集中力も養うのだと思います。実際、多くの選手がオーナーロール(優等生名誉名簿)に名を残しています。
娘は卒業しましたが新しいレインボーワヒネはまた来シーズン、大活躍してくれるに違いありません。
私たち家族の応援は、まだまだ続きます。
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