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「結ぶ」動作に不安を感じたら 〜お子様の日常生活での小さな困りごとを支援〜

11月は遠足や野外活動が多い季節ですね。こうしたイベントの際、お子さまが「結ぶ」という動作に困難を感じる場面も増えるかもしれません。例えば、お弁当のナプキンや靴紐を結ぶことができず焦ったり、不安になったりするケースもあるでしょう。発達障害を持つお子さまにとって、細かな指の動きや手と目の協調が必要な「結ぶ」動作が難しいと感じる場合が多いです。今回は、こうした「結べない」問題に対して、家庭での支援方法をいくつかご紹介いたします。

1. 視覚的な手順書を活用する

まず、視覚的にわかりやすい手順書を用意することが効果的です。例えば、靴紐の結び方であれば、写真やイラストを使って一つ一つの手順を示すことで、お子さんが手順を覚えやすくなります。視覚的な手順を示すことで「次に何をするか」がはっきりとわかり、動作の流れを把握しやすくなります。また、お弁当を包むナプキンの結び方も、視覚的な手順を通して練習することで、手順の理解が深まります。

2. 簡単な方法から始めて、成功体験を積ませる

「結ぶ」動作には多くのステップが含まれるため、最初は簡単な方法から始めると良いでしょう。靴紐を結ぶ場合、最初は「うさぎの耳」のように輪を2つ作って結ぶ方法など、シンプルな結び方から始め、徐々に難易度を上げていきます。こうした段階的なアプローチは、お子さまに成功体験を積ませることができ、モチベーションの向上にもつながります。結び目が上手くできたら「よくできたね!」と具体的に褒め、次に挑戦する自信を育てていきましょう。

3. 指先の運動能力を鍛える遊びを取り入れる

「結ぶ」動作は細かな指先の動きが必要です。普段の生活の中で、指先の運動能力を高める遊びや練習を取り入れることで、結ぶ動作が少しずつ楽になることも期待できます。例えば、ビーズを紐に通す遊びや、マジックテープを使って閉じる練習など、指の運動を鍛える遊びを通して、指先のコントロールが身についていきます。楽しみながら指先を動かすことで、結び動作にも繋がる基礎的な力が養われます。

4. 代替手段を用意し、焦らずサポートする

どうしても「結ぶ」ことが難しい場合は、無理をさせずに代替手段を用意することも一つの方法です。例えば、靴紐が結べない場合には、マジックテープやゴム式の靴紐を使うことで、お子さんが自分で靴を履けるようにしてみましょう。また、お弁当のナプキンについても、簡単に閉じられるゴムバンドや袋タイプのものを利用することで、お子さんの負担を軽減できます。代替手段を用いることで「できない」という気持ちを和らげ、本人が焦らずに活動に取り組めるようにサポートできます。

5. 親も一緒に練習し、できた時は一緒に喜ぶ

「結ぶ」動作を一緒に練習することで、親子のコミュニケーションも深まり、お子さまも安心して取り組めるようになります。例えば、お子さまが挑戦している最中に、親が隣で一緒に同じ動作をすることで「自分もやってみよう」と思えるきっかけが生まれます。そして、お子さまが結び目を完成させたときは、ぜひ一緒に喜んであげましょう。「できたね!」と一緒に喜びを分かち合うことで、お子さんは「またやってみたい」と思えるようになり、日々の練習が楽しい経験として記憶に残るでしょう。

6. 焦らず、練習を小さなステップで区切る

「結ぶ」動作は、最初から上手くできるものではなく、練習に時間がかかる場合もあります。そのため、焦らずに、小さなステップごとに区切って練習することが重要です。例えば、「片方の輪を作る」→「もう片方も作る」→「それを交差させる」というように、手順を細かく分けて練習することで、少しずつ動作がスムーズになっていきます。小さなステップを一つずつ確認しながら進めることで、お子さまも手順を覚えやすくなり、次第に自信を持って結ぶ動作に挑戦できるようになります。

お子さまと一緒に成長を楽しんでいきましょう

「結ぶ」という動作は、大人にとっては当たり前のように思えるかもしれませんが、お子さまにとっては大きな挑戦です。この小さな動作一つひとつが、発達障害を持つお子さまにとっての成長のステップです。私たちも日々の生活の中でこうした小さなサポートを取り入れることで、お子さまの「できた!」という成功体験を積み重ね、少しずつ自信と独立心を育てていくお手伝いができればと考えています。焦らず、お子さまのペースに合わせて、一緒に成長を楽しんでいきましょう。

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こども訪問看護ステーションJuno 編集部
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