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普段と違う環境でもお子様が安心して過ごせる準備 〜訪問マナーやサポートの準備で年末年始行事を楽しく過ごす〜

年末年始はご家族や親戚の集まりが増える季節ですが、発達障害を持つお子様にとって、普段とは違う環境や人の多さは、戸惑いや緊張を引き起こしやすい状況でもあります。親戚の家や友人宅などへ訪問する際、少しの工夫でお子様が安心して過ごせるようにしながら、訪問マナーをサポートするための準備をしておくことが大切です。今日はお子様がこうした場でリラックスして楽しい時間を過ごすためのポイントや準備についてご紹介します。

1. あらかじめ訪問先の環境をイメージさせる

新しい環境への適応が難しいお子様もいるため、事前に訪問先の情報をできるだけ伝えておくと安心感が増します。例えば、「大きな犬がいる家」や「にぎやかな家族がたくさんいる」といった特徴を簡単に伝えたり、親戚や友人の写真を見せたりして、訪問先で出会う人や環境をあらかじめイメージできるようにしておくことも有効です。また訪問先の部屋の写真を見せることで、「どんな場所か」を想像しやすくなり、不安が和らぎます。

2. 事前に基本的なマナーを練習しておく

発達障害を持つお子様の場合、普段の家とは異なる行動が求められる状況に戸惑うことがあります。たとえば、「靴をそろえる」「お邪魔しますと言って入る」などの基本的なマナーを、遊び感覚で少しずつ練習しておくと良いでしょう。ご自宅で「他の家に遊びに行くごっこ遊び」を取り入れ、「ここではどうすればいいかな?」と一緒に考える時間を作ることで、実際の場面でもマナーがスムーズに実行できるようになります。

3. 自分の安心アイテムを持参する

初めての環境では、お子様が落ち着ける安心アイテムがあると気持ちが安定します。例えば、普段からお気に入りのぬいぐるみやタオル、カバンに入るサイズのおもちゃなどを持たせることで、緊張したときに安心感を得られます。親戚や友人宅に着いたら、そのアイテムを手に持つだけで落ち着けるため、周囲の刺激が少し和らぐことも期待できます。

4. 感覚過敏への配慮

発達障害を持つお子様の中には、においや音、触感に敏感なお子様も多く、知らない環境で特に緊張しやすい傾向があります。訪問先で予想される刺激についてあらかじめお子様と話し、できる限り対策をとると良いでしょう。たとえば、香りの強い部屋や香水、にぎやかな音が多い環境が予想される場合、耳栓やノイズキャンセリングのヘッドホンを用意したり、においが気になる場合には少し香りを避けられる場所に案内してもらうといった配慮も考えられます。訪問先での環境に合わせて対応できるよう、必要なアイテムを準備しておくと安心です。

5. 滞在時間を決めて、緊張を軽減する

お子様にとっての負担を減らすため、あらかじめ滞在時間の目安を決めておくのも効果的です。長時間の滞在は疲れやすく、途中で集中力が切れたり、情緒が不安定になったりすることがあります。「1時間だけ遊んだら帰ろうね」や「2時間くらいで切り上げよう」といった目安をあらかじめ伝えておくと、お子様も気持ちの負担が軽くなります。途中でリフレッシュが必要な場合には、親御さんが一緒に外に出たり、別の部屋で少し休憩をとることも良い方法です。

6. 「大人に話しかけられたらどうするか」を考える

親戚や友人の家では、大人の方から話しかけられる機会も多く、お子様がどのように応答するかを一緒に考えておくと安心です。事前に「どんなことを聞かれそうかな?」と予測しておき、「名前を聞かれたら自分の名前を言おうね」「元気?って聞かれたら、うなずくだけでもOKだよ」など、可能な範囲で簡単な応答を練習しておくと良いでしょう。また、緊張して何も言えないこともありますので、親御さんが横でサポートし、会話の流れをうまく導くことで、自然に溶け込めるようになります。

7. 親御さん自身もリラックスを心がける

お子様が周囲に合わせられるか、うまく過ごせるか心配になるかもしれませんが、親御さんがリラックスした姿を見せることも大切です。お子様は親御さんの表情や態度から安心感を得ることが多いため、親御さん自身が焦らず落ち着いていることで、お子様も「大丈夫なんだ」と感じやすくなります。事前に気をつけるべき点をしっかり確認した上で、当日は肩の力を抜いて家族みんなで楽しむ気持ちで訪問することを心がけましょう。

おわりに

年末年始の訪問は、お子様にとっても新しい経験の場です。普段の生活環境と異なる状況の中で、お子様が安心して過ごし、少しでも楽しめるよう、事前の準備をしっかり整えてあげることが重要です。小さな成功体験を積み重ねることで、お子様も「また行きたい」「頑張れた」と自信を持て自己肯定感も高まります。

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こども訪問看護ステーションJuno 編集部
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