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「地獄でなぜ悪い」わるくない。

ネタバレします。
シンエヴァ最高だったんで迷ってる人はみんな行ったほうがいいです。
ネタバレおわります。


「シン・ゴジラ」からこちら長谷川博己に異様な執着を見せ、大河ドラマ「麒麟がくる」にはガイド本まで購入して齧り付き、まさかのドコモのCMでは長谷川先生の可能性にうっかり新たな扉を開きかける始末。
長谷川博己氏の、キホン真面目なんだけどぶっ壊れる時は誰よりもぶっ壊れるブレーキのなさ、クレバーでクールなクレイジーさがツボです。3C。
そんなハセヒロとの出会い、ハセヒロやばいわ〜これはきとるわと小学校時代からの友人に萌え語りしたところ、「地獄でなぜ悪い」を見ろと力説されたため、軽い気持ちで7年前に見たきりの映画を配信で探し出す。良い時代ですね。

わたし「なんかあれやろ、愉快に手足や首が飛んでる映画。一回見た」
友人「そう、ハセヒロが狂気の雄叫びをあげながら夜道を疾走する映画」
わたし「クレイジー」
友人「だけどセクシー」
わたし「……。」
友人「エロいよ」
役者のオタクは古今東西似たようなものだなと思いました。

まあ矢口蘭堂先生があれだけセクシーだったのでわからなくもないんですが(隣にいたのが志村くんでなければおそらくえげつないハマり方をしていたと思います。志村くん最高。高良健吾は小綺麗な高学歴男性の役が似合う)、当時36歳の長谷川博己氏が28歳のぶっ壊れた映画青年を演じる様は、改めて見返してみるとたしかにたいへんセクシーでした。めちゃくちゃ狂ってました。尚之介さんとさして変わらない時代にこれだけ狂える? 基本的に人の話を聞かない挙句に意外とカリスマ性があって笑える。ヤクザ統率してる。良い。
周りにいろんな義理人情が飛び交ってる中で感傷すら後回しになるほど映画のことしか考えてないサイコぶりがとてつもなく良かった。いやほんと人生最初の園子温作品がこの映画で良かったです。とか言ったら園子温作品のファンに怒られそうな気しかしませんが、とても良かったです。監督いつもはこんな感じじゃないんだって! 「ヒミズ」を見たときには別の意味で腰抜かしました。プロってすごい。

あと最近の個人的トレンドに則るなら星野源はめちゃくちゃ良かったんですよ!!!! ラブコメしてる。しかもわりとどういう顔して見たらいいのかわからんラブコメをしている。なんやあれは。でもヘラッと幸せそうに笑う表情が可愛かったので優勝! 優勝です!!! 歯を出して笑うあの可愛い笑顔は全然かわってないね星野さん!!!! この年の新人賞を「箱入り息子」と合わせて総なめにしたっていうの理解。今でこそ星野源は日本ポップカルチャー界になくてはならないマスターピース的存在ですが、確かにこの頃は耳の早いサブカルオタクがたまに狂ってるくらいで、今ほどお茶の間に浸透してなかったかもしれない。紅白にも出てなかったし、首相に勝手にコラボされることもなかった(この話題は最早なかったことになっているけど、2020年の全体的にアレな感じを象徴するエピソードだと思うので戒めを込めて語り継いでいきたい)。
御多分に洩れずちょっと内向的で残念な感じの青年なんですが、ポロシャツが似合うせいなのか。そうなのか。その人Vネックもめっちゃ似合うんだけどな…よかったです。頭割れてるのにフラフラ動き回るのって誰が決めたんだろう。ひどかったですね。非現実的すぎて悔しいけど笑っちゃうやつ。相変わらず死に方はうまかったです。

名優國村隼の首が飛ぶのも、国民的女優二階堂ふみが蜂の巣にされるのも、シリアスな役どころに定評のある堤真一が褌を曝け出しながら切ったり切られたりするのもこの映画くらいじゃないでしょうか。よく仕事受けたな。案外二階堂ふみってNGのない女優さんなのかな。「翔んで埼玉」とかすごかったもんな色々。整った顔から繰り出される怪演に惹きつけられっぱなしでした。ギャルっぽいのも似合う。
どうでもいいんですが友近が包丁持って追っかけてくるシーンは夢に出そうなくらい怖かったです。うますぎるんだよなあ。けっこう返り血って扱いが難しくて、そんな顔で返り血浴びます? みたいな役者さんもいる中、友近の返り血は迫真でこれは何人か殺してますわっていう凄みがありました。すげえなあ。

途中からどっかおかしくなってゲラゲラ笑いながら見終えたんだけど、まさに明るい地獄でしたね。地獄でなぜ悪い。全然悪くない。
これで人情もののオチになったら完全によしもとだなと思いました。ヤクザも出てくるし。
なかなかこれからの時代には撮れないだろうな〜。密かに語り継いでいきたい名作です。初見の印象よりだいぶ楽しめました。名優の怪演を楽しむ映画。細かい説明はたぶんいらない。この名優の怪演、共演だけを2時間楽しめるというのは、実はめちゃくちゃに贅沢なことなのです。
「ハングオーバー!」とかでかつてゲラゲラ笑った人にはオススメです。血と悪ノリが嫌いな人、推しが死ぬのが耐えられない人は絶対見ないように。

改めてになるけどハセヒロさん麒麟お疲れ様でした!
ハセヒロさんが心に飼ってる平田さんを思い出しながら見る大河とシンゴジラは最高になりそうです。
次のご出演も楽しみにしています。

選ぶ映画の振れ幅と感想の語彙力が我ながら著しく乖離しすぎて笑ってしまう。
お付き合いくださってる方はありがとうございます。
書き溜めもあるので日々ちまちまと別のものについて書き足して更新していきたい。
またよろしくどうぞ、では。

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