韓国の年末年始
日本での生活が長くなるにつれて、日本と韓国での年末年始の過ごし方がいかに異なるかを実感しています。韓国の年末年始は、華やかで賑やかな年越しから始まり、家族との温かい時間を過ごす新年の風習が根付いています。今回は、韓国の年末年始について、具体的な過ごし方や食文化、どんな雰囲気が漂うかについてご紹介します。
1. 年末の街の風景とカウントダウンイベント
韓国では、12月になると街中が一気に華やかになります。特にソウルの主要な観光地や繁華街では、クリスマスツリーやイルミネーションが並び、街全体が年末の特別なムードに包まれます。多くの若者やカップルが集まり、写真を撮ったり、特別なイベントに参加したりします。
年末のハイライトと言えば、「カウントダウンイベント」です。特にソウルの「ボシン閣」という場所では、毎年鐘を鳴らして新年を迎える伝統的なイベントが行われます。この鐘をつく回数は108回で、仏教の煩悩の数を表しているとされています。カウントダウンの瞬間、多くの人々が集まり、新しい年の始まりを一緒に迎える喜びを分かち合います。
2. 韓国の年末年始の休暇
韓国の年末年始の休暇は日本と比べて短めです。多くの企業や学校では、年末から新年の1月1日のみが公休日で、1月2日からは通常通りの業務や授業が再開されます。日本のような長期休暇はあまり一般的ではありません。そのため、韓国では「年越し」というイベント自体に力が入れられ、休みは短いけれども、年末の夜を楽しみながら新年を迎えるというスタイルが一般的です。
3. 新年の食文化 – 떡국（トック）を食べる意味
韓国の新年に欠かせないのが「떡국（トック）」という料理です。これは薄切りにしたお餅をスープに入れたもので、牛肉や野菜、出汁で作られた温かいスープにお餅が入っています。このトックを食べることで「年を取る」という意味があり、特に子どもたちにとっては新しい年齢になる特別な瞬間です。
トックの丸い形は「輪」や「通貨」を象徴しており、豊かさや幸福が途切れることなく続くようにという願いが込められています。新年の朝に家族全員でトックを食べることで、家族の絆を深め、健康と幸運を祈る風習が根付いています。
4. 家族の集まりとチャレ（차례）
韓国の新年には、家族が集まって「차례（チャレ）」と呼ばれる儀式を行う家庭も多いです。これは、先祖に感謝の意を表し、彼らの加護を祈るための儀式で、韓国の伝統的な家族行事として重要視されています。チャレの際には、テーブルに供え物が並べられ、果物や韓国の伝統料理、キムチなどが供えられます。そして、家族全員が一緒に新年の挨拶を行い、共に過ごす時間を大切にします。
チャレは祖先への敬意と家族の絆を象徴するものであり、特に田舎ではこの伝統が今でも色濃く残っています。都会に住んでいる若い世代でも、年始には田舎に帰省し、家族全員が集まるのが一般的です。
5. お年玉と新年の挨拶
韓国では新年の朝、親や祖父母から「お年玉」をもらう習慣があります。お年玉は「セヘボン（새해 복）」と呼ばれ、新年の福を祈りつつ子どもたちに渡されます。お年玉をもらう際には、「새해 복 많이 받으세요（セヘボン マニ パドゥセヨ）」という挨拶を交わし、新年の幸福を祈り合います。
この挨拶には、新しい年に幸運が訪れるようにという意味が込められており、特に家族や親戚間で交わされることが多いです。親戚の家を訪ね、お互いに挨拶を交わしながら新年の福を願うのも、韓国ならではの伝統です。
まとめ
韓国の年末年始は、家族や友人と過ごしながら新年を迎える特別な時間です。賑やかで活気あふれるカウントダウンイベントから、トックを食べて新年を祝う韓国ならではの風習には、韓国文化の温かさと人々の絆が感じられます。韓国の年末年始の雰囲気を少しでもお伝えできれば幸いです。
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