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絵画の楽しみ方教えます。 その5-2

そしてもう一ヵ所あります。それは聖ドナトスの汗です。

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こめかみ辺りをよく見てください。汗だと思うのです。こめかみから流れる汗。これは冷や汗ではないでしょうか。
この2か所、「頬を伝う涙と冷や汗」、これがこの絵を観る時の肝、鍵だと思うのです。その意味についてこれから説明します。

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ファン・デル・パーレ爺さんを切り抜いてみました。
白い衣服の左のカーブをよく見て頭に入れてください。

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黄色い線を見てください。この部分と先ほどの爺さんの服のカーブが響きあっていることが分かっていただけると思います。響きあうということは、それぞれが引き合うということです。この様なときは素直にそこに持って行きましょう。

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合いますでしょう。
話は前後しますが聖ゲオルギウスですが彼の足に注目です。

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この奥の足をよく見てください。この奥の足に何か違和感がありませんか。何故でしょう。この足は何か一段ステップに足を載せている状態だと思うのです。
それをカモフラージュするためにわざとその横の柱の遠近法を狂わせて描いています。

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これによって、聖ゲオルギウスもパーレ爺さんと左に寄って壇に足をかけて正しい姿勢になるのです。

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この絵がある意味で完成図です。これで意味が分かりますか?聖ドナトスは一度死に、死の世界から復活した聖人です。パーレ爺さんもそれにあやかって病気で死んでも復活することを懇願しているのではないでしょうか。しかも聖ゲオルギウスの口添えも依頼しているようです。実に世俗的ですね。私は非難しているわけではありません。ヤン・ファン・エイクもそんなに批判的に思って描いているようにも思えません。少しばかりの皮肉を込めて誰にも気づかれない様に描いたのではないかと想像するのです。この絵は風刺画と言っても良いのかもしれません。本来のキリスト教精神と、かけ離れた状況をマリア様はどう見ていたのでしょうか?あの乾いた涙がそれを現わしているような気がしてなりません。

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さて、肩の凝りは取れましたでしょうか?本題のダヴィンチの世界に突入しましょう。

続く・・

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