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岩窟の聖母 14

ロンドン版との比較

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大天使ガブリエル

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ロンドンバージョンの方が姿勢として正しいのである。
この首の角度はロンドン版が正しい。
正しいから良い絵というわけではない。
ルーブル版はレオナルド・ダ・ヴィンチが意図で
故意に間違えた様に描いているのである。

ガブリエルの足

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ロンドン版では足が消えている。

ガブリエルの右手

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ガブリエルの右手が全く違う。
そこに無い。
これでは位置合わせが出来ない。

幼児の顔

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ロンドンバージョンは、ある意味謎を解く鍵とヒントが満載の絵なのである。大天使ガブリエルの右手も鍵だ。幼児は逆説的にはっきり違う顔に描かれている。幼児左側の幼児の耳はロンドン版では隠されている。
私は久しぶりに改めて比較しながらロンドン版を見たが、依頼主が100%満足するように描かれている。レオナルド・ダ・ヴィンチは描く前からルーブル版に依頼主からクレームが付くのは承知していたのではないだろうか。なのでクレームが付かない描き方を弟子に指示を出して描かせたと私は思う。先述したように絵として評価した場合、私はルーブル版が好きである。だが人間とは不思議なものだ。本家のイタリアの友人は、ロンドン版が好きなのだそうである。どうも西洋の方は、すっきり分かりやすい偽物が、好きなようである。


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