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魔法が解けて、地元へ
「大学を卒業したら地元の市役所に勤めて、日本人男性と結婚して、子どもは最低4人は産んでね!女の子ができるまで産み続けるのよ!」
嗚呼、熊本の田舎に帰ってきたんだなあ... 帰ってきてしまったんだなあ...
大志を抱いて日本を飛び出した私にとって、あまりにも耳が痛い話。帰国するたびに祖父母にこんな話をされ、田舎から逃げた理由を思い出す。そんな日曜日。
「やっぱり日本が1番だろう?」
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約2週間前にカナダから帰国しました。
帰国直前の1ヶ月はあまりにも多忙で、正直記憶があまりなく... 気づいたら成田行きの飛行機に乗っていました。
いつも一時帰国の直前は「帰国したらあれを食べよう!」「久々にあんなことをしたい!」と心躍らせるのですが、今回はそんな時間と心のゆとりさえなく、目を閉じて開けたらすでに成田空港上空!
そしてバタバタと赤坂のホテルに向かい、2泊3日で大切な用事を済ませ、地元の熊本へ帰ってきました🐻
つい最近までカナダにいたなんて、そして東京にいたなんて信じられないくらい、熊本ではゆっくりと時間が流れています。
そんな熊本の空気の中で、自分だけが逆走しているような気分になることもあったり。
なんだか、魔法が解けたようだなあ。
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「やっぱり日本が1番よかだろ?だけんもう... ずっと日本におればよかたい。」
私が帰国をするたびに、祖父は私にそう言います。その祖父の切ない表情といったら。
日本は日本でも、都会と田舎では価値観が大きく異なります。当たり前だけれども。
田舎の基準では、私はとんでもない親不孝者なんだなあと再確認。
こんな私でごめんね。でもなあ... 日本はちょっと窮屈に感じちゃうんだよ。
広がる視野、増す憎悪
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田舎育ちでありながらも、私が幼い頃から両親は私に様々な景色を見せてくれました。
3歳からクラシックバレエやピアノなどたくさんの習い事をやらせてもらい、子役事務所に所属して「売れない子役/キッズモデル」をやっていた時期もありました。(詳しい話は機会があればまた別のnoteで。)
田舎育ちだからこそ得られた価値観や経験はあるものの、それと引き換えに逃さざるを得なかったチャンスもあまりにも多すぎる。
外の世界を知ってしまったが故に、私は地元を恨み続けていました。田舎があまりにも不便で。あまりにも窮屈で。
まるでリトルマーメイドのアリエル!なんて言っちゃえば聞こえがいいですが...。
好奇心旺盛なアリエルは、「人間の世界」を垣間見たことでより一層強い憧れを抱くようになりますよね。そして海の外へ出ようとするも、様々な弊害に直面する。
私の場合は、両親が献身的にサポートをしてくれているので非常に恵まれた環境だと思います。感謝しかありません。
小学4年生の頃、オーディションで東京を訪れた際に初めて原宿の竹下通りに行き、「私は東京の大学に進学するんだ!」と心に誓ったのを今でも鮮明に覚えています。私にとっての外の世界は東京なんだ、と。
視野が広がれば広がるほど、もっといろんな経験がしたくなって、いろんな景色が見たくなって。
無我夢中で走り続けた結果、気づいたら高校でコスタリカに留学しちゃったり、あれだけ「東京の大学に行く!」と言っていたのにカナダの大学に進学しちゃったり。そして今年の9月からは新天地で挑戦することを決心しちゃったり。
そうやって外の世界を見れば見るほど、自分の地元である熊本の田舎を愛せるようになると思っていました。
でも、現実はその反対でした。
ごめんなさい。でも一時帰国で地元に帰るたびに、胸がキュッと締め付けられるような思いになっちゃうんだよなあ。
なりたい自分になるために
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「なりたい自分」になるには、「なりたい自分」でい続けるには、あまりにも弊害が大きすぎると思うのです。
金髪というだけで、祖父母から「我が家の恥」と言われてしまいます。
私だって、大切な人を傷つけたくはないし... でも、やっぱり自分にとって「しっくりくる」生き方がしたい。
正直なところ、今の自分が何を目指しているのかがよく分からない。
「あなたは日本にいるべきではない」
「日本にいてもいいんだよ?」
「あなたは日本に似合わない」
「日本に残って欲しいなあ」
大切な人からの貴重な意見にはすべて耳を傾けます。
でもやっぱり、1番耳を傾けるべきなのは自分の心なんだろうなあ。
こんな親不孝な娘で、孫で、ごめんなさい。
でも、私は...
Junna Lily.