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スウェーデン留学紀行#35 帰国報告

こんにち若葉!🌱

この度、10ヶ月の留学生活を終えて帰国しました〜!

帰国前はバタバタ、帰国直後はグッタリで色々更新できませんでしたが一応現地でのnote執筆はもう無理なので、これからは細々と書ききれてない留学の小噺などを更新していこうかなと考えております。

今日は留学から帰ってきた総括をします。

①学び

留「学」、留「学生」というくらいですから勉強してました。ただそれは留学生活の一部に過ぎないので簡単にまとめます。
私が秋学期に取っていた授業は
Global Gender Studies(副題がありました。1つは忘れちゃったけどセオリー・基礎系。もう1つはAgency and structureでした。)

ジェンダー平等先進国でジェンダーについて学びたいという動機でスウェーデンに来たので、すごく本望でしたが、やはり理想と現実は違いました。

毎回出されるリーディングの課題に追われて、しかも内容も難しい。ジェンダーなんて正解のないグルグルとする問題は日本語でも難しい。それを第二言語でディスカッションするハードルも高く、とにかく必死でした。

ただそこで感じたのは人々の根底にあるジェンダー規範(女は美しくあるべきとか男は強くあるべきとか)や、ヘテロノーマティビティ(異性愛規範)(異性同士の恋愛を『普通』とする考え)などなどはヨーロッパ各国でも問題として残っていてそこと闘おうという姿勢の人々がたくさんいるんだなということです。

特にヨーロッパの国々では同性婚ができるなど社会の仕組みは日本とは異なりますが、偏見や差別意識は残っているというケースも多く、まだまだ平等というには程遠い気がしました。

まあ日本はそこの土俵にも立ててないので本当に何とかしないとなと感じます。

また、スウェーデン人の教授や学生からスウェーデンが改善すべき問題点などを聴くことも多くあり、ふと「あぁ完璧な社会なんてないんだな」と思いました。
留学前は色々な文献やニュースで出てくる北欧モデルの社会の仕組みを見てただただユートピアのように捉えていましたが、スウェーデンにも課題があり、日本とは異なる歴史があり、もちろん真似できる点もあるものの完全に同じ方法で平等な権利を獲得することもできないということを、ある意味当たり前ですが感じました。

そのあと、春学期はScandinavian culture の授業をとりました。ジェンダーの授業は割とアカデミックで広い視点の内容が多かったので、もっとスウェーデンについて学びたいと思ってこの授業にしました。が、もし留学生でこの授業を取りたい人は要注意です。例年あまり評判は良くないらしいです。

私も少し物足りなさを感じる授業も多く残念感がありました。ただその中でも映画の授業はとっても面白かったのと、授業内容はそこそこですが、gender and family という授業の最後のエッセイを書くことを通して、スウェーデン独自の社会システムとその問題点を考えることができたので得るものはありました。

また、スウェーデンの大学の全授業を通して言えることですが、期末のエッセイで必ず教授から個別のフィードバックをもらえるという点に関してはとても良い教育環境だと感じました。ちゃんと読んでもらえてるなと感じますし、どのあたりが面白いと思ってもらえたとか、ちゃんと考えたことを評価してもらえる機会は嬉しくもありました。

②外国人になる

次は特にいい経験だなと思ったことについて。
それは「外国人」になるということ。

世界中の「外国人」になったことがない人にこの経験をすすめたいです。

外国人ってなんだかんだ大変です。それは生まれ育った人の感覚がない、とか身近な人が周りにいないとかそういう心理的な不自由と制度の隙間に入ってしまうという社会的な不自由があるなと感じます。

心理的なものについては1年未満の留学ということもあり、ほとんど全てが新しく馴染みのないものがある私としばらく住んでいる人ではまた違うのかもしれませんが、それでもやっぱり何年いても「ここは私の場所ではないな」という気持ちはいつまで経っても付いてくるものだと思います。この感情は留学生だけでなく移民のバックグラウンドをもつ人や色んな人と共感し合うことができました。

社会的な不自由という点に関しては私が1番困ったのが、コロナのワクチン接種証明でした。
EU市民ではないとか、パーソナルナンバーを持っていないとか、様々な条件が私に組み合わさってワクチン接種証明を受け取れない事態が発生しました。これは多くの日本人留学生の間で問題でした。

しかし日本大使館に電話してもどうすることもできないと言われ、スウェーデンの公的機関もどうすることもしてくれないという時間がしばらく続きました。これは私の生まれのせいで被った被害で本当にどうすることにもなりませんでした。
このどうしようもない絶望感ははじめて味わいました。コロナ禍の留学だからこそ起きた事態だと思いますが、つくづく弱者が有事の時にとことん追いやられるということを身をもって知りました。

もともと人権に興味をもって学んでいた身としてはいい経験だったと客観的に考えられますが、できれば今後このような事態には遭いたくないと思いますし、そういう人をできる限り減らさなければと思います。
外国人差別や移民への抵抗感などは多くの国であることですが、一度自分自身が外国から来た人になった時に考え方が変えられるのではないのかなと思います。

③自己発見


よく「自分探しの旅」という言葉を聞きます。そしてその言葉に対して「外国で自分が見つかっちゃったらそれこそ怖くない?」という意見も時々目にします。

が、個人的には外国で暮らすことで自分のことがより理解できるということは大いにあると思います。

特に私のスウェーデン留学は日本の学生生活と比べれば自分だけですごす時間も多く色々なことを考えることができました。

また、22年も生きてしまったのである程度自我があり、国が変わったくらいでは変わらない自分というものも発見できました。それはもう自分として受け入れることができる踏ん切りがつきました。

対して、環境が変わって始めてみたことが意外と好きだな、向いてるなという発見もありました。就活でやっていた自己分析よりもより深い分析が留学生活を通してできたように感じます。

④自信


あとはとにかく自信がついたということです。色々なことにおいて。

1人で知らない土地で生活をして、英語で勉強して、生活の困った諸々も英語で解決していくと本当に強くなります。そしてこんなことも自分でできちゃうんだと思います。あとは英語でちゃんと友だちを作れたということも自信になりました。第二言語なのにこんなに信頼関係が築けたんだと思いました。

1人旅もたくさんしました。それまで一度もしたことなかったのに。
最初はドキドキだけど慣れて、1人旅の楽しみ方も分かってくるともうこっちのもんですね。

自信はやっぱり経験すればするほどつきます。若いうちの苦労は買ってでもしろと言いますが、苦労でもなんでもちょっとの勇気を出して実行すると自信につながります。失敗しても人生は終わりません。その失敗をカバーしたり、そこから気持ちを切り替えたりするというところまで経るとそれはもう自信になっちゃいます。

⑤普通


ありがちですがやっぱり普通という概念はなくなります。普通って何?となります。
スウェーデンと日本は意外と似てたりもします。でもそれも別に「普通」ではない。

なんでこれが良いとされてるのか、悪いとされてるのか、そうやっていちいち考えて生きていきたいなと思いました。それが「普通だから」という理論はもう私の中で通用しなくなりました。

余談ですが、これは実際いいことなのか分かりませんね。思考停止的に世の中の規範に従っている方が幸せそうに見えたりもしますから。
でももう私は気づいちゃったので無理です。
ヨーロッパのNetflixはジブリが観れるので帰国前に色々観ていたのですが、「おもひでぽろぽろ」の中で「分数の割り算がスッとできた子はその後の人生も上手くいっている」という話が出てきます。なんで分母と分子を入れ替えるの?と考えてしまう主人公はその後もなんでなんで?と色々余計に考えてしまうから人生がなかなかうまく行かないのだと考えているのです。

私もこの主人公のタイプだな〜と思ってしまいます。算数も苦手でしたが、何か余計なことも考えがちです。それが幸せなのかそうでないのかはさておき、スウェーデン留学でここの部分が強化された感があります…余談はここまでにします。

以上、5点留学で得たことをまとめてみました。なんか他にもあった気もしますが今パッと思いつきません。もしかしたら何年後かに気づくこともあるかも知れません。だからあくまでこれは今現在の私が感じた留学報告でした。

あっという間だけど振り返るとたくさんのことがあって、しっかり身の詰まった10ヶ月でした。
私がもしアナザースカイに出ることになったら絶対に留学先を取り上げてもらいたいなと考えています。

ご拝読ありがとうございました!

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