いもうと

甘いもの
辛いもの
苦いもの
酢いもの

たべもの
のみもの
おもいで
じんせい

私には血のつながらない妹がいる。
高校生の頃、まだ小学生だった妹が可愛くて可愛くて大好きだった。

お誕生日に、ネル生地でシロクマのぬいぐるみのリュックを作ってプレゼントした。
「ありがとう！」と喜んだいもうとの頬はピンク色だった。

あれから20年。会えなかったけれど「じゅんみはちゃんのこと、ずっと本当のおねえちゃんだと思ってるから」と聞いていた。

1月に会う約束をしていた。
嬉しくて楽しみにし過ぎて、前日熱が出た。

いもうとが作ったクッキーの靴下をもらった。

靴下の中には、楽しく過ごした時間、会えなかった時間、これから会おうね！という約束が入っていた。
「うん、これから沢山会っていろんなお話しよう！」私の頬はピンク色になった。

熱いダージリンティーを飲みながらひとくちずつ大切に食べる。

甘くて優しい味が口に広がる。
爽やかな香りが鼻から抜ける。

甘いものが幸せと楽しみを運んで来てくれた。

🍀

こちらは #シロクマ文芸部 参加作品です。

いもうと手作りのクッキーの靴下
編地まで細かく丁寧なアイシング
色鮮やかなのに優しくて可愛い
大人になったいもうとを思い浮かべ
しばらく食べれず飾っていました。

熱で会えませんでしたが、必ず会える日が来る。その日は、直ぐ来る気がしています。

濃いめにいれた熱い紅茶を飲んで、クッキーをひとくち食べる。
サクッ！という音があの頃の笑い声に聞こえる。

頬にポロリと涙が伝いました。

またまたひょっこり参加！

お題「甘いもの」を見て
いもうとからのクッキーを食べたことを書こう！と、頭と心の気持ちと想いを書きました。

文・写真
じゅんみは