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「陶芸家になるには」ースタイル編ー 14 <離:スタイルを育てる>
▽アウトプット(量)
インプットを常に入れつつ、アウトプットも並行して行っていきます。
アウトプットを行うタイミングですが、私は自分に正直に行っています。
インプットばかりしていると、何か作りたくなるし、アウトプットばかりしていると、何かから刺激を受けたくなってきます。
アウトプットの重要なところは、乱雑な頭の中を、一度外に出すことです。
脳は複雑な形を認識できますが、イメージすることができません。
目を閉じて正三角形を思い浮かべてください。
…簡単ですよね。
次は、正十二角形をイメージしてください。
…難しいですよね。
文章も一緒で、一文くらいなら頭で書けます。
しかし、一段落くらい書くとなると、紙とペンまたはメモアプリが必要になってきます。
これと同じで、沢山見てきたもの、体験などがフワフワ潜在意識の中に漂っています。
これらを目で認識できる状態に落とし込むこと。それがアウトプットです。
アウトプットで最も大切なことは、量です。
どんどん創る。それが極論なのですが、エンジンのかけ方は様々です。
それらは大きく分けると、以下の2パターンあります。
アウトプット・ドリブン
コンセプト・ドリブン
この段階でのアウトプットとコンセプトの定義は…
アウトプット:ラフスケッチのような、全体像を探るためのアウトプットです。
コンセプト:アウトプットする作品の軸となる要素です。
スタイルよりも、もう少し短期的な、作品毎のテーマのような認識です。
1.アウトプット・ドリブン
体験や潜在意識などを無理やり思い出したりせずに、スケッチや土を使い、どんどん手を動かしていく方法です。
アウトプットがしっくりこなければ、また次の日、出てこなければまた次の日と、しつこく繰り返します。
それらのアウトプットが貯まってくると、惹かれる表現が見つかったり、無意識から何かを引っ張り出してくることができます。
そして、徐々にコンセプトや表現を固めていく。というアプローチです。
2.コンセプト・ドリブン
0からいきなり手を動かすのが難しい時は、ざっくりとコンセプトを決めます。
この時に必要なのは、アウトプットのヒントとなる、テーマのようなものなので、重厚なコンセプトでなくても構いません。
例えば、茶碗や動物をモチーフにしたり、緩い雰囲気やシュッとしたもの、など自分で理解できればOKです。
それを元にアウトプットを繰り返し、その中から惹かれる表現や、もう少し深いレイヤーのコンセプトを探ってみる。というアプローチです。
これらは、最初の一歩が違うだけで、結局はアウトプットとフィードバックの往復になってきます。
私は気楽にアウトプットするための切っ掛けとして、どちらもその時の状況により使い分けています。