ICDF2016 参加レポート
3/3-4で開催された、
International Conference on Digital Fabrication 2016
略して、ICDF2016!
FABの国際学会に参加してきました。
http://iith.ac.in/~icdf16/
3/5は、FABの未来についてのシンポジウムでした!
(僕は、TEDxTokyo yzがありいけず・・・。)
Digital Fabricaitonって??
コンピュータ上で作られたデータを、
電子工作機などで、出力するものづくり。
3Dプリンタ、レーザーカッター、ミシンなど様々なものを使います。
現在研究されている内容についての発表が
・細胞の3Dプリントや医療での応用
・ゲル状の3Dプリントについて
・FABについての教育
・伝統工芸とFAB
・農業とFAB
・看護とFAB
・フードプリンティング
・将来の法制度や保険
・3D図鑑
などなど、技術的な面だけでなく、様々な発表がありました。
また、医療技術への応用なども研究しつつあるということで、
すごすぎる未来を垣間見ました。
気になった発表をいくつか簡単に紹介します。
◎3D図鑑 / SFC田中先生研究室
FAB LABの発起人、SFCの田中先生のプロジェクト。
世の中に広がっている3Dデータをかき集め、
様々な形式でダウンロードしたり、
簡単な編集がWebでできるようになっている。
また、似たようなデータを検索できることで、
様々な用途に合わせたデータを見つけることができる。
オープンソースの文化による広がりと可能性を感じました。
http://www.fab3d.cc/
◎FABと伝統工芸(漆器) / FAB LAB 仙台
漆塗りという、日本の伝統工芸と最新技術の融合。
漆本来が持つ美しさにくわえ、
幾何学的な今まで実現不可能だった造形を可能にし、
美しい作品を作っている。
漆塗りについては全然知らなかったですが、
少し身近に感じ、伝統工芸のもつ美しさをより一層感じました。
http://fablabsendai-flat.com/urushi_project_1/
◎看護とFAB / SFC看護医療学部、田中先生研究室
医学への応用ではなく、看護的な視点での応用について。
個々人のCTなどのデータから製作した、
臓器や身体のモデルを用いて、
個別性に合わせた看護ケアを展開すること。
在宅の医療現場において、家族の指導のためのツール。
身体的な状態に合わせ、社会的な問題解決につながる自助具の製作など、
生活に即した面でのアプローチを発表。
慶応大学看護医療学部と慶応大学田中先生研究室との研究。
私も関わらせていただいているプロジェクトでもあり、
BEST POSTER AWARDを受賞しました。
◎インタラクティブ3Dプリントシステム/明治大学宮下先生研究室
3Dプリンタにデータを送ったのちに、
積層されていない部分のモデルとG-Code途中で修正できるというもの。
着目されていなかった観点ですが、下層のモデルを簡単に作成し、
印刷状況みながら修正できるのはすごく面白いと思いました。
応用方法が色々ありそう。
vvvvで実装ということで、テンションあがりました。
http://qiita.com/HarukiTakahashi/items/e79a390b4071fe7a74a1
◎法整備
オープンソースでデータが公開されて行った時に、
誰がデータについての責任を取っていくのか、
3Dプリンタの会社なのか?
はたまたデータ作成者なのか?
それを印刷した人なのか?
版権はどうなるのか?と、色々な視点からセッションがありました。
これからきっと少しずつ決められていくのでしょうが、
意識していかなければならない重大な問題です。
◎Memory of Things
FABを用いた優しい設計について、
扇風機やライトを例に、その近くに人が一人座ると、
2人すわると、と反応が異なり、その時彷彿する記憶に即した
インターフェイスの設計について話されていました。
BEST PAPER AWARDを受賞していました!
◎コスプレとFAB
FABでコスプレしている人はいると思ってたけど、
学会発表に登場!!!
女の子のレイヤーさん!
めっちゃ愛を感じました!!!
◎メディアアートの言語とFAB
Processingでスキャンするもの
openFrameworksでのレーザーカッター制御
vvvvでの3Dプリンタの制御
と、メディアアートでよく使用されている言語が
FABの国際学会でも実装に使用されており、
親近感が湧いたのと、メディアアート用として使われることの
多い言語の可能性をすごく感じました!
<まとめ>
なんでもできると思われがちなDigital Fabricationですが、そうではない。
現在は、実際製作できるものが少しずつ見えてきた段階であり、
将来的にDigital Fabrication自体がどのような方面に
生かされていくのかということについて多く発表されいた印象でした。
未来のDigital Fabricationのあり方が、垣間見え、
その結果、生ずる問題や教育など議論されていた様子。
FABの未来はすごく明るいはず!!
なぜなら発表者がひたすらイキイキしてたので!
これから楽しみです!!!
------------------------------------------------------------------------------
Junki Yoshioka
テック系看護師 / Digital Hospital Art / vvvvJapan Community
http://www.digitalhospitalart.com/
Twitter : Junky_Inc
TEDxTokyo yz 2016 スピーカー
【テクノロジーとアートの医療現場との調和】
https://note.mu/junky/n/na15799c622df?magazine_key=m3a16f486ada7