[レビュー]Black Salt Audio - Drum Bus コンプ、歪み、トーン、これ一台でプロクオリティへ
今回はBlack Salt AudioのDrum Busをレビューしていきます。
イントロセールで8016円→5562円です。
https://www.pluginboutique.com/product/2-Effects/13-Drum-FX/13289-Drum-Bus/?a_aid=66da97c820175
◇所感
名前の通り、ドラムトラックのバスにインサートすることを目的とされたプラグインです。
STANDARDモードとSLAMMEDモードではコンプレッションと歪みが異なり、SLAMMEDではよりコンプにポンピング効果が現れます。ハードなジャンルにおけるパラレルコンプレッションのためのデザインになっているようです。
またHEATセクションにおいてはSTANDARDがソフトな歪みに、SLAMMEDモードではハードな歪みになります。
先日紹介したKNOCKはどちらかというとサンプルドラムの処理に、こちらはアコースティックドラムのバスを想定しているようなサウンドです。
COMPつまみでコンプレッションが深くなりますが、ATTACKつまみはコンプレッサーのアタックタイムではなく、トランジェントシェイパー的な効果を持っています。一方通行で右に回すほどアタックが強調されたサウンドになります。
SALTは他のプラグインで言うところのPRESENCEとかAIRにあたる部分で、後ろに控えている高域がぐっと持ち上がります。TONEノブではチルトEQのように全体のトーンをハイ寄りにするかロー寄りにするかを調節できます。
そしてKNOCKと同じくゲインマッチ機能つき。この手のプラグインは歪みやコンプで音量が変わり、音質の正常な判断が出来なくなりがちなのでもはや必須級ですよね。ゲインマッチ用のプラグインとかあるし。
色々書きましたが例に漏れず良い。ドラム音源ってどうしてもベタ打ちだと強弱とかちゃんと調整してもアンサンブルの中で埋もれてしまって、音量を上げたらそれはそれで瞬間的なピークだけがマキシマイザーに触れて音量稼げなくてうーんうーんという経験が誰しもあるかと思うのですが、コンプ挿して~とかクリッパー入れて~とかEQでハイ持ち上げて~とかそういう作業がひとつのUIで大体完結します。しかもこれも本当に簡単かつハイクオリティ。時代って感じがしますね。
早速仕事でも使っていますが本当にちょうどいいです。特にデモ出しの時なんてとりあえずマルチアウトせずトラックに一発これだけで良いぐらい。
強いて言えばコンプはそれなりにアバウトにかかるので、リズムがヨレると思う場合は大事なパーツだけ個別に処理してあげた上でこっちに纏めてあげるのが良いかもしれません。
コンプ2個、サチュレーター2個、EQ2個、トランジェントシェイパーがセットで5500円みたいな考えで行くと恐ろしいコスパですね。
というかドラムバスのエフェクトチェーンってめっちゃ組むの難しいと思うのは僕だけでしょうか。トランジェントの処理と金物のボリューム感が未だによく分からないです。プロ(こいつ)に頼んだほうが早いかもしれない。
◇良い点・悪い点
良い点
・ドラムバスに必要な要素がほぼすべて1つのプラグインとUIで完結する
・特化したプラグインなので音作りの迷いが少ない
悪い点
・コンプの自由度が低い
・歪みの自由度が低い
◇5段階評価・結論
品質★★★★☆
利便性★★★★★
操作性★★★☆☆
最近ほんとにこういう複数のエフェクトをワンノブでいじるやつ増えましたよね。いい傾向すぎる。
なんかミックスのノウハウって界隈や時代ですごい散り散りになってるじゃないですか、やれこの手法がいいだのこっちは駄目だの言うわりにちょっと別の場所行くとまったく違うこと言ってるみたいな。
見えない物を追う作業だからこそ抽象的になりがちなので、ある程度目指したところに最短距離で行けるようにするっていうのはすごく大事な気がします。そのぶん作編曲に割ける時間も実質増えるし。
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