【daichi】謙遜と予定調和
今夏のTJARで大会二連覇を果たした土井陵氏が出演したPodcastを何本か聞いた。パーソナリティの質問に対して、淡々と自分の言葉で答えていく。その中で印象に残ったのは、「変に遜らないこと」と「質問者の期待に応えないこと」。
こう書くと社会にあまり馴染めない人、横柄な人のように伝わってしまいそうで表現には慎重にならなければならないが、決してそのような人という印象ではない。ただ、自分を客観視する能力が非常に高いのだと思う。
世間は成功者の謙虚な姿勢に好感を持ちがちだから、本人からしたら、本人の感覚において当たり前のことでも、世間体を気にして偶然を装ったり、幸運だと喜んだり、質問の意図を汲んで回答内容をチューニングする。そうすることで「自分は大衆と同じ一般人である」ことをアピールする。それが悪いことだと言っているのではない。
人は誰しも人に好かれたいものだ。そうしないと円滑にコミュニケーションが進まないという実害もある。
ただ、私は事実を知りたいと思う。最初から計算していて、思った通りの展開になっているのであれば、そう教えてほしい。質問者が「Aと答えてほしい」と顔で言ってきていても、自分がBと思うなら「B」と言ってほしい。そのことに価値を感じる。
第一、本音ではないことって、不思議と聴いていると分かってしまう「今、忖度したな」って、言語化できないけど、何故か伝わる。言葉に熱が乗っていないからかな。
でも、「本音」という言葉には注意が必要で、「本音で喋ろうぜ」と言われた瞬間に本音は消えてしまう的な問題はある。それに何をもって本音なのかという定義も不明確だし。今思ったけど、「本音」より「本当」が良いね。
とりあえず、自分は予定調和ではないコミュニケーションが好き。
だからイチローのインタビューとか好き。自分の言葉だけで話しているあの感じ、聞き手の思い通りには絶対にならないという確固たる意志があるあの感じが好き。
10/31にオリックス主催でイチローがインスタライブするみたいで非常に楽しみ。
daichi