環境を選ぶ人から、環境をつくれる人になれるとよいね。
うちの大学生の長女はマイペース。
マンガを読んで音楽を聴いてゆるゆる寝ているのが本当に好きらしい。
まあなんとか外に出ればちゃんとやるのだけど、
ガリガリ動いたりテキパキ整えたり、性根がそっちには向いていない。
ほんと私とは大違い(笑)。
そんな彼女の選択が偉いなあと思ったのが、高校を選んだ時。
公立の進学校で、「質実剛健」「真面目」な校風の学校をあえて選んだのだ。
彼女曰く「わたし周りに流されるからさ、楽しい学校行くと絶対勉強しなくなる自信がある。ちょっと厳しいところに行ったほうがいいと思うんだよね」と。
自分の予想通り、彼女は真面目で勉強熱心な学校の友達の雰囲気に吞まれながら、ブツクサ言いながら、ひいひい勉強をして、大学は志望の楽しい校風の大学に行き、充実の大学生活を送っている。そしてやはり家ではゆるゆる相変らず寝ている。
どんな環境でも頑張れる、って人もたまにいると思う。
でもそれって性分なところもあって、たいていの人は周りの環境に少なからず影響されているんじゃないかな。
「環境に影響される」段階
社会人になっても、入った会社の環境や雰囲気はさまざま。
社風というのがあるし、そこにいる社員という集団がつくる空気がある。
まーこんなもんよね、とゆるゆる仕事をして、面倒を起こさないことが良しとされるような社風。
ガリガリと営業ノルマがあり、体育会系でビシバシ根性論が良しとされている社風。
現場にある程度責任を持たされ、新しいことや提案をすることが良しとされている社風。
社風や空気は、どういう行動をお互いの暗黙として「良し」とされているか、ということでもある。そのその暗黙の了解に反する行動をすることはその空気を乱す行為として、嫌われるか排除されるかということにもなりうる。
その集団がどのような空気を持っているのか、は所属する立場としてはとても大事。毎日そこで過ごすわけなので、いくら希望する職種であれ、そこが自分の行動基準と合わないと、じわじわとリアルにしんどくなる。
ちなみに、さきほどの長女は現在就活に入っているため、とにかくリアルに行って、人に会って、その企業と自分の相性を見るようにアドバイスしている。
「環境をつくる」というステージへ
でもね、いきなり新入社員で、というのは難しいのだけど、
少し経験を積んできたときに意識が変わっていくといいなと思っているのは、「環境をつくる」側に立とう、ということ。
なんかおかしいな、もっとこうしたほうが皆が生き生き働けるんじゃないかな、と思ったら、愚痴を言うだけじゃなくて、良いと思った方向へ環境を変えていく、空気を変えていく側になったらいい。
集団の空気はゼロから作るほうが簡単ではあるけど、出来上がってしまって時間のたった集団でも、少しずつ変えることはできる。
お仕事で接する経営者の方で、素敵だなあと思うタイプの方はは色々いるのだが、そのなかのひとつが、後継者として自分が社長になってから、根気よく会社の「空気を変える」ことをやってきた人。
それって、何を「良し」とするかの企業のなかでの行動基準が変わっていくことなんだよね。
もちろん、社長でなくたって、ほんとに頑張って空気変えてほしいのは、ミドルマネジメントの人たちかな。いやむしろミドルが動かなかったらちょっと難しい。
空気を変える人になるためには、自分が動くことと、それに共感する人を少しでも得られること。
ミドルが、若手の将来を考えて、自分たちの会社の未来を考えて、愚痴を言う側から空気を変える側に立つ。
いやあもうそれだけで、企業は半分ぐらいうまくいくんじゃないかと思う。
だから、どうやってお客さま企業のミドル層が動くようになるかってことを考えている。
うちで寝転んでいる大学生も、いつかそんな人になってくれるとよいなあ。