自分の会社が売っているものを本当に伝えられているか。
わたしはほとんど平日にはスーパーに行かない。というか行く時間がないので、週末にしこたま買い込んで、あと生協を駆使して5人家族の食事をなんとか回している。
週末、スーパーで人参や大根やお肉をカゴに入れながら、1週間を回すことをザックリ想像する。手にとっているのは人参だけど、わたしは毎日の献立を準備する作業をそこでしているということになる。
お店が並べているのは人参。
私の目的は家族の毎日のごはん。
私がカゴに入れているのは、毎日のごはんのための材料。
モノを並べただけではお客さんの気持ちには届かない
お店で売っているモノと、買う側が欲しているものの違い。
よく言われる、お店ではドリルを売っているけど、買う人は「穴」を欲しているという話。
お客さんからみたら、
ドリルじゃなくて、
穴をあけるための道具を買っているわけ。
これが、中小企業のウェブサイトや会社紹介資料で、残念、と思うことがじつに多い。BtoB起業は、マーケティングの意識に晒されていないからか、特にそう。
事業の概要や商品概要、は確かに記載があるんだけど、誰に何をしてくれるか、どんなお役に立てるか、ってことが書かれていないのだ。伝えている側にはなんの悪気もなく、むしろ誠実さや奥ゆかしささえ透けるのだが、お客さん側からしたら、これで気持ちが動くわけもなく。
それで、モノが売れない、取引が増えない。
うーん、これは勿体ない。
では、いざそこに気づいたとして、今度は、誰にどんなお役にたてるか、ということが言語化できていない場合がある。
提供価値、ってやつです。
お客さん像と提供価値を考えて、伝える
ここをしっかり考えられると、新しいお客さん像がみえたり、商品やサービスにも工夫がうまれたりする大事なところ。
何のために穴をあけるのかな。
壁に何かを取り付けるため?
フックや棚も一緒に置いたら喜ばれるかな。
ドリル買いにきたお客さんって、壁に穴あけられるなら持ち家だよね。
賃貸の人たちはどうしてるのかな。
穴をあけずに取り付けられるフックも取り扱おう。
お客さんの目的は?欲していることは?
どんな人なんだろう?
そういうことをどんどん想像して考えていけば、自分たちが何を売っているかという表現はきっと豊かになるし、もっと喜んでもらえるための商品やサービスの工夫もでてくる。
もっとお客さんの立場にたって、自分達が売っている「価値」を言語化して伝える。
当たり前のことではあるけど、
その意識と行動だけで、上向く中小企業はたくさんあると思うのだ。
さて、そろそろ今週もスーパーに行かねば。
今夜のごはんは何にするかな。