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スタイルがある人、とは?Vol.2 例えば、あいみょんや藤井風から学ぶ、スタイルに、マインドが大きく関わっているという話。

スタイルがあるひとって、どういう人ですか?
という質問って結構多い。

で、書いてみたら、言語化したことに、とても感謝しているという様々なメッセージをいただいた。やはり漠然としていてわからないと思ってたという方が多い。

また私の失敗談、挫折話にも
「政近さんでもそんなことが!ほっとした」という。

そう、完璧な人間だけがスタイルを持っているわけじゃないし
失敗談も含めたその人の持ち味もスタイルに関係しているから。

そして今日は第2弾。
先日行った、わがスクール(マインドとファッションの学校 MFJ )の
学校説明会で話をしたなかの一部を ここにも書きとめておこうと。

職業柄、スタイルがある友人たちとの交流は多い。
彼らの着こなしから滲み出るライフスタイル全般や考え方、オリジナルな生き方を日々垣間見ている私にとって 彼らの持つ雰囲気や存在感といったものに 教科書はないんだよねぇと いうのが結論。

そして スタイルがある友人たちと付き合うということは
自分にも、それなりのものがないと話するにも、薄っぺらくなってしまうもんです、、

表面的な「着こなし」の方法だけなら、背格好が似ているお洒落な人の
服装バランス サイズ感など真似して同じものを着てみれば、それなりには、なる。

それこそ 私自身 パーソナルスタイリストですから まぁ いってしまえば スタイルを創る人なんですよね。

似合う服を着せる、というところまでは、どなたでもカウンセリングを行いながら導き出すことは可能。
しかし「スタイルがある人にしてください」というオファーは、無理です。

長年顧客と付き合うなかで、さて そろそろスタイルにいくかな、というのは、あります。その人のことしばらく見ていないと、スタイルなんて
今日明日で創られるもんじゃないですからね、、

私の世代は、今までの生き方、経験、その人の哲学、オリジナルな発想などから積み上げられてきたスタイルというものがあるんですが、じゃぁ 年をとらないとスタイルって手に入らないのですか?
という質問も受ける。

そこで、若い人でスタイルがあるな、と思う、あいみょんの話をした次第。

前置き ながっ。

あいみょんのSONGS


先日、NHKの歌番組 SONGSで、15周年記念番組をやっていた。
今は大泉洋さんが司会ですが スタート当初は今とは違う構成だった。
初回が竹内まりあ。
ゲストたちは ある意味わがままに、贅沢な演出をして貰っていて
アーティストにとって至れり尽くせり感満載。

大泉洋さんになってからは、少し志向が変わったように思うが(経費節減?)凝った演出などはない、ただ弾き語るあいみょんに引き込まれた私。

彼女そのものの魅力、存在感に。

ダボダボの80年代のメンズスタイル風 まぁリバイバルしているとはいえ、地味な色合いのビッグシルエットのセットアップで、ギター一本で歌う姿に、気骨を感じたんだった。

これを見て、私は彼女の存在感に興味をもった。歌ったのは 裸の心。その歌詞の素直にさらけ出したマインドにもぐっとくる。

性別や年齢や、そういうものを超えていて、とても新しいのに懐かしい。ノスタルジーな雰囲気、曲調も、そう。

え? それ政近さんの趣味の話では?

いや、はい ここまでならそうなんですよ。

15周年記念番組中に読まれる、様々な大物アーティストからのお祝いのメッセージ。みなさん多くは、お祝いに始まり、思い出とお礼で終わる、〆はこれからもこの番組が続いていきますように、と。

ところが あいみょんのコメントは・・・

あいみょんが初、SONGSに出演したときの画像。

前置きと おめでとうは一応 ありましたが、その後のインパクト。

「このときのピンクの衣装が派手で、今も後悔しています。」

大泉さん、へ?!そこ?

こんな顔してたわー 洋さん


服は、その人自身ですから、たぶん スタイリストが用意したこの服装は
あいみょんのマインドに合わなかったんでしょう。

本人は、派手だったんじゃないか、というコメントですが
外見からだけの「似合う」を分析すれば、特に派手ということもなく
キュートな顔立ちにもマッチしたフリルやピンクカラーではあるわけです。

※だから表層の似合う、は薄くなるのよ


「ピンクが派手すぎた!」というメッセージに大泉洋さんはこう返す。

「そうですか? 私はむしろ今年の紅白、黒のTシャツ一枚で出てきて心配しましたよ、あっちのほうが地味なんじゃないかって。」と。

これね。

2021 紅白歌合戦 あいみょんのスタイル 
反骨だわー。ロックマインド。そぎ落としましたね



ギターがないと、まだ可愛さが残る。

紅白の衣装のソーシャル

紅白といえば、衣装合戦というほど、アーティスたちが思考を凝らし
スタイリストや衣装制作に携わる人たちの腕の見せ所です。

1年がかりで、ということも普通にあるし、NHKさん側からも、暗黙の
プレッシャーがかかるもの(良い意味でも)で
やはり 1年で一番人々が注目する歌の祭典に相応しいコード、というのが求められてきました。
また 立ち居振る舞いもそうですね。とにかく、笑顔&チームとのコミュニケーション、最高の盛り上げを期待される場。

優等生的振る舞いをすることがあたり前に求められたソーシャルシーンで
最初にそれを打ち砕いたのは、桑田圭介さんあたりでしょうかね?

その後 あむろちゃんをはじめ、愛想笑いもしないマインドのアーティストも現れ、Tシャツで出演するということにも、さほど違和感がなくなってきてはいた紅白。

こちらも大泉さんが司会で、
リハで歌ったあいみょんに「本番はどんな衣装になるのか 楽しみだね」
いったら
「これ、本番衣装ですよ 」って、と。

ま、あいみょんからしたら、こんなマインドね。このままやねん、これが私やで、と。



「俺は心配になっちゃって。
ピンクの衣装のほうが、まだいいんじゃないか?」
というのが大泉洋さんの
社会的客観視なわけですが、私は、あの紅白を見ながらも、また一昨年のあいみょんを思い出しながら、

スタイルがあるひとなんだな、と好感を持った。

2020年の紅白衣装 裸の心。SONGSからの流れで、でしょう。

で 昨年末は、これ。

マインドと合わない、服。


彼女がなぜ、あのピンクは派手すぎた、といったのか。

派手という言い方が 公共電波で 限界(配慮)だったんだと私は思う。

ほんとうは

自分らしくない、マインドとあっていない。気分じゃない。
フリルや醸し出す可愛い感じが、自分ではなかった。
しっくりこないけど まぁ、SONGS初の出演だし。
というのが本音だったんじゃないかと。


※最後まで読んでね、あいみょんの圧倒的なマインドを
記載しています。あれよんだら そらこの衣装合うはずないわー、って思いますから。

実力とファッションの自由は比例する。

私は常々 社会的実績とファッションの自由は比例する、ということもいっている。

例えば 矢沢永吉が紅白のために、無駄に忖度した格好などするはずもなし、ロックなスタイルを確立している矢沢に服装の指示など、無用だ。彼がどうしようが、オールOKであるように。

スタイルに定義はない。

ただ、スタイルについては、こうした定義は ない。
社会的実力がどうの、の前に、空気感として「伝わる」ものだから。

あいみょんの、紅白Tシャツ一枚のスタイルが「完成」というわけでもまだまだない気もする。

紅白を見る世代は、70代、80代も多く、初出場を決めたアーティストたちがよく、こんなことを言っている。

「おばぁちゃん おじぃちゃんが 喜びます!!涙流して喜んでくれて、、だからそういう意味で紅白に出るのは目標だった」と。

これ 政近メソッドTPPOSMの考え方でいうと、P パーソンに値するところ。高齢者も多々楽しみにしている番組で Tシャツ一枚で出るということは、どういうことなのか?という想像力を働かせようという学び。

▼TPPOSMとは?


うちの母は84歳ですが、「ギターもった若い女の子、あいみょん? 準子、スタイリストならなんとかしてあげりゃーえーじゃろ。かわいそうに。着るもんがなかったんじゃろか」← 福山弁 っていいそうや、、、

もちろん そんなことも全部承知な上で、自分を貫くからスタイルなのであって、そこは難しいところ。

あいみょんが、紅白出場 という経験を数度重ねたなか、麻布テーラーの真っ赤なスーツなども経験し、昨年は、これが自分だ!というマインドで、Tシャツ一枚で出てきた感があったなか

藤井風の唯一無二感は 服がゆるいのに 鮮烈。

藤井風君は、初出場で何にも臆することなく、部屋着ででてきた人。

スタイルがあるよなぁ おばちゃん参ったわ。

岡山の自宅から放送、と見せかけて東京の会場に現る!という演出に、ファン熱狂だったわけですが (はい、ファンです。彼が中学生のころから)

自宅ファッションのままきちゃった感、最高でしたね。

話題を呼んだスリッパは モリゾーみたいやって、グリーンは完売の大人気商品に。

紅白用に誂えたであろう大泉洋のゴールドジャケットスタイルとは
ま逆、相反するスタイルですね。ゆるいわ~~ パジャマスタイルが彼のマインドにフィット。
(ここ深いので、今回は言及なしで)

初出演でありながら、トリのミーシャと共演。
お手本のようなミーシャの衣装と、相反する風君。
ある意味主役を見事にさらっていった風君なのだった。

では あいみょんのマインドとは 何か。


純粋に音楽を認めて欲しくて音楽をやってる上で、自分の人生なんてどうでもいいんです。家が貧乏とか、死んだ友達がとか、そんなこと言ったら誰でも売れてしまう

たくさん彼女らしい言葉を残しているが、私はこの言葉がとても好き。
忖度なしのストレートで。


自分の人生の背景なんてどうでもいい、といえる強さ。
でもそれが 間違いなくあるからこその存在感。

アウトプットした音楽で判断して欲しいと言い切る あいみょん。


▼また 自身のマインドについて、こうも語っている。

「音楽は勝ち負けじゃないっていわれますけど、私は結構勝ち負けやなって思ってるタイプで。ランキングとか売り上げ枚数とかじゃなくて、アーティスト単体として“自分が勝った”って思う瞬間があればいいかなって。燃え尽きて終わる人もいると思うんですけど、自分は燃え尽きることは一生ないと思ってます。きっと作詞作曲は続けるんじゃないかなと思ってて。でもまだ勝ったとは思ってないので……私は誰と闘ってんのやろ(笑)。」

ヴォーグインタビューから


時代のトップランカーには必ずスタイルがある


彼女はこれからもきっと、時代のトップランガーでいることでしょう。
だって彼女は常に

マインドレスじゃなく マインドフルだから。
負けず嫌いだってことも、勝ち負けについてだって
人がどう思おうが言い切る力。
そして 言ったことを実行している、力。


だからこそ 

スタイルが、あるのだから。







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