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パーソナルスタイリストの歴史。表面的な似合うはもう限界。外見と内面からの分析が必須。母娘で、似合うがまるで違う事例からも読み解く、外見は似ていても、中身も生き方も違うんだし。とか。
パーソナルスタイリストの歴史
パーソナルスタイリストという職業を、この世に打ち出したのは2001年。今から22年前だ。
当時は、外見の特徴に沿って、似合うを分析し、肌の色に馴染むカラーの診断をしたりしてご提案するということが「答え」だと思っていた。
起業当事は、タレントやモデルにしかスタイリストはついてはいなかった時代。タレントさんの場合、パーソナルに似合うというより、スポンサーが望むイメージ通りに仕上げる「衣装」的なものを調達するのが、スタイリストの仕事だった。しかし、パーソナル、という新しい概念をスタイリングに落とし込むのなら 一般の方にもプロが付くという「今までになかった発想」を形にする必要があった。
世の中に求められたパーソナルという概念がうけて、5年後くらいにはメディアからの取材に明け暮れるほどに職業の認知は広まっていく。まぁ それまでの5年間は、服を選ぶプロ?そんなことで人様からお金を貰っていいのか?などと攻めたてられ、地獄のような日々だったけれど。もはや懐かしい思い出。
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新聞掲載やテレビ出演にも明け暮れ、パーソナルスタイリストになりたい、という人たちがどんどん増え、起業から創業5年で法人化し、ファッションレスキュー所属のスタイリストもどんどん増えていった。(現在法人化18年目)
まぁ、このような過去の栄光などどうでも良いのですが(笑)今日のテーマ 「似合うを外見に求めているだけではもう限界だ」という話をしようと思ったら、やはりここからなのかなと。
パーソナルスタイリングの歴史に触れることで現代に必要なパーソナルの概念が見えてくるのではないかと思った。
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テレビに出まくっていた時代。
センスは説明の仕様が無い
その後、パーソナルに似合うを診断するツールが多々世の中にあふれるようになり、今では当たり前に共通言語になっているものもある。
例えば 色で言えば ブルベ(ブルーベース) イエべ(イエローベース)
体の特徴で言えば 骨格診断、顔診断といった「聞いたことがある」という診断方法や言葉。
私自身、テイストから似合うを診断する8テイスト診断というツールを作ったのも、サービスを受ける人たちへの安心、納得のためであり
後進達が「プロ」としてやっていくためにも、センスの押し付けではない
ツールを生み出す必要があった。
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こうしたツールが発展した背景には 先ほどから書いている通り「顧客への説明と本人の納得が必要」という事情があった。
どれだけセンスがあるスタイリングをしても、サービスを受ける人はセンスに自信が無いから来ている訳で、
「プロが選ぶんだから大丈夫なんだろう」と予測は出来るが本当にセンスが良いのかどうかはわかるすべはなし。
なぜそれが似合うのか?のわかりやすい解説が顧客には必要なことだった。センスは説明できるものではないからね。感じるものだから。感性に点数はつけようが無い。
「着た事が無いものだから新鮮」という感動だけはあるけれど、それはセンスの解明には決して至らない。
本当に似合っているか?に「スキルと知識からの理屈や説明」がなければ真に腑に落ちることは無い。着たことが無い新鮮な服の賞味期限は、そう長くもないという「代償」まで付いてきてしまうしね。
理屈やスキル、診断は安心材料というだけではなく、永く愛用していくにも必要なものだったのだ。
それは、サービスを受ける人のマインドに、納得感があるから、物を大事にしようという気持ちも生まれ、結果長く愛用するようになる。
センスという「気分」だけでは長続きしない、買ったものが、確かなもの、として感じられるための診断でもあった。
診断の限界
しかし、こうしたツールが発展すればするほど、、なぜか 私のところには
「診断をやりつくしたが、何かしっくりこない、自分の限界はこんなもんじゃないはず」という人たちで溢れかえるようになっていく。
こうした現象を受け、私はついに 人間の内面がファッションに反映されない限り、外見的な似合うでは限界があることを表明していくことになる。
素敵の法則では主に外見的なテイストからの似合うを知る診断方法を生み出し、その後、その人の内面(ペルソナ)のテイストを診断できるツールを開発。外見と内面の両方から、その人の似合うを編み出すという方法を創ったのが8年ほど前の話だ。
まだ本になっていないので、これは改定して本にする予定。⇒はやくしないとね。待ち焦がれている方多数にて、重い腰上げます。
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結果、その診断分析からのご提案には心底納得され、診断をやりつくした人でも、「来てよかった~」と涙ぐまれる方が多い。
といっても 実は こうした考え抜かれた診断ツールがあっても、それだけでは真の似合うにはたどり着かず、私が最も重要視しているのは、その人の生き方、価値観、人との違い、を肌で感じるカウンセリングだ。
その人の素を感じ、その人らしさはどこにあるのか、をファッションに反映させるには診断は有効ではあるがゴールではないのだ。
私のサービスは、そういったことのすべてを網羅する、ブランディングと呼んでいるが、ありがたいことに数ヶ月先まで予約で埋まっている。
要は診断結果を求めるだけなら もう ネットでいくらでも自己診断もできちゃうわけだし。
似合うを自分でプロデュースする時代
そして、現代では、プロのサービスを受けて似合うを知る時代から
自分自身で自分をプロデュースできる知識と感性を養うことが大事だと私は思っている。
自分では難しい学びなので、それを教えてくれる学校が必要となっているのだ。単純に診断方法を学ぶのでは、なく。(ここは深すぎて文章化無理)
よってサービスはもちろん継続しているが、自身で服を選びきれる人たちを
創る学校も 新しく立ち上げている。
約20年、パーソナルスタイリストのプロを育成するスクール PSJ(パーソナルスタイリストジャパン)を運営し、現在18期まで継続してきたが
2年前から大きく考えを変え、プロの育成⇒自分で装える学校 に変更。
もちろんプロ希望の方も同時に学べるという体制に変え、コロナ以後はZoomで学びを提供している。
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パーソナルスタイリストの歴史を本気で書くとしたら、それだけで一冊の辞典が出来上がるほどの要領なので、今日は「前置き」とするけれど
外見だけの分析ではこうはならないという 私と娘の事例にやっと辿り着くわけですが(前置きながっ)
メイクも同じ
世の中はGW,先日 32年前のモード学園の教え子君に、娘のメイクアップ指導を施して貰いに銀座松屋へ行ってきました。ゲランのトップアーティストである彼、田村氏も 同じようなことを言っていた。
「パーソナルカラーに縛られて、あれはだめ、これもだめを思い込み、素敵になれない人が多い。どんな色だって大丈夫、色は混ぜて調和させればいいし、バランスが大事。その人ならではの雰囲気を醸し出すのに あれはだめこれもだめでは表現できない」と。
さすが、教え子君。こうした感性の部分、超一流だなぁと感じ入りました。
こういうことって経験に基づいた実感の部分で、例えばドクターが、検査結果が出なくとも、もう病名がわかってしまうような、、知識と感性の両輪で極めて正確な処置ができるよう感じと似ている。
感度の鋭さは、それだけに頼る人より、知識の積み上げも十分なうえに、基本を軸にアウトプットしながら、オリジナルの純度が高い(作り上げていく)人がトップだと私は思っているのだが まさにそんな人。
この話はまた別投稿したいくらい要領があるため、このポストはその前編としようかな。
なので、今日の内容の意味が一目瞭然にわかる画像のみを貼っておきマスネ。
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彼女は私のお腹から生まれたけれど、生き方も考え方も価値観も、すっごく違うんです。ファッションは好きでも(私の影響)母親の道は継がず、東京都の教員、学校の先生で日々子供たちと戯れてます。
パーソナルスタイリングを生業にしている私にとって、子育ては本当に沢山の学びと、新しき概念を生んでいくに 溢れるほどのヒントを得てきたと思います。パーソナルとは、こういうことだという確信を得ていったのも
彼ら(長男もいます)のおかげだとも感じています。
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私はこの日、ソニアリキエルのシルバーのロックなパンツと ATOのスタッズ付きショールなどハードではあるけれど、娘の雰囲気に多少寄せるため、リツコシラハマのロングニットで少し柔らかさも加えています。
自分ひとりなら、革ジャンにしてますね。
田村氏が全身黒だということは想像していたので、彼と並んでも合うように。
そう、似合うは自分の独りよがりだけでも完成せず
今日誰と会うのか?の思いやりも、とっても大事なのです。
話がちょっとずれてきていますが、元に戻し、、
そう、同じ「猫」でも種類の持ち味ってあるでしょう?
私と娘は同じ血が流れているし、似ているところも多い。でもね、違うんですよ。持ち味も生き方も。
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娘は私の中ではこんなイメージかな~。
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という風に、外見からの似合う分析だけではもう、素敵にはなれない時代に
どんなサービスや学びが必要か、改めて考えています。
でも結局は、服を着る人間の中身が、一番重要で
その「素の魅力」を映し出すこと。
それだけではなく、自己肯定感を上げられ、会う人たちにとってもギフトになるように装えること。
それができれば おおよそ人生に退屈はしない。
衣食住の衣は日々、毎日のこと。
その毎日の服が、自分の本質と結びついていたら、どれほど快適なことか。
心から、そう思っています。