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上質な人生とは、何か。積み上げるのは、キャリアだけではないはずだ。ホワイトデーに思う、持続可能なファッションと映画ドリームの話など。

【上質な人生とは、なにか。】

生涯をかけてやる仕事、以上に
私は ささやかなる幸せを大事にしている。

余るほどお金があっても、高級なものに囲まれていても、幸せじゃない人はたくさんいる。SNS時代、幸せな「ふり」もできるでしょう。

一番ちゃんと考えるべきことは、

「自分にとって幸せな人生とは何か」を考えることであり
誰かと比べて、ないものねだりすることではありません。

何がほんとうに必要で、何が結局【不要】なのか。

昨年に続き、今年も、主催するファッションスクールでの誕生日会があって
わいわいとすごしてはいたが、私は意外と、ささやかな時間が好き。

実際、こうしたイベントがない誕生日には

【ささやかで掛け替えのない時間】を過ごしているのが普通。

2年前のバースデーは

28年前結婚式を挙げた、御茶ノ水の山の上ホテルのティールームにて夫とゆったりケーキを食べていた。


なぜここでお式を挙げたのか?

例えば、帝国ホテルでもいいのでしょう。

でもなぜ 山の上ホテルなのか。?

二人の価値観は、こうした場所一つでも現れると思う。

私たちにとって、豪華な飾り、無駄に広いロケーション
そういったものは 結婚式のイメージに「不要」であった。

この 山の上ホテル、というレトロな文字も好き。

結婚式には本当に大切な人だけを招き、当時 教えていた専門学校のスタイリスト学科の子達が授業を抜け出し 会場に駆けつけてきてくれて 会場は笑いの渦に包まれたりもした。

想定外のことが起きて、会場が混乱しそうなところも

司会もプロは使わず友人たちがやったものだから 何の問題もなく。
引き出物も自分たちで包み用意した。

ドレスは アパレル会社の先輩たちが縫ってくれた。
生地も、取引先から、先輩が取り寄せてくれた。

客室はこんな感じだ


必要なものは、全部が手作りだった。

そんな会を温かく最上の御もてなしでお迎え下さった山の上ホテル。

夫は明治大学・法学部の出身で、大学のすぐ先、小さな丘に山の上ホテルは立っていた。この地には思い入れも深かったのだ。

私もこのホテルの佇まいに魅了され、

二人の大切な思い出の場として、いまも同じ場所に静かに揺ぎ無く
そこに存在することに安堵し、幸せを感じる。

厳かでクラシックな空気、一寸の隙もないホスピタリティーには温かさと誇りを感じる山の上ホテル。

ウエディングドレスとお色直しで着たドレスは 今も保管。

冒頭の、何がほんとうに必要で、何が結局【不要】なのか。には当然、服もある。ウエディングドレス、お色直しの2着は今も大事に保管してある。

私たちがいつかあの世に行って、子供たちが、ひょっこりnoteを見つけてくれたら、なんていう思いもあって昔の写真もいれておこう。
保管してあるドレスを
まぁ娘が着用したいかどうか?は何ともいえないけれど、先輩たちの手によって製作していただいたご恩は忘れない。しかし顔の白塗り、ここまでなんで白く塗りたくってるんだか、謎。
泣きすぎて 目がはれ、メイクアップも流れてるじゃないか!!
今も親友な金子広美が写る。

何が必要か、は捨てたくなるようなものを買わない、という覚悟が必要。また自身の哲学は、何か。



例えば 私が着たドレスをそのまま、娘が着るかもしれないし、自分で着たいものがあるなら、リフォームして何らかの記念品が創れるだろう。
初孫の(プレッシャーか?)小さなドレスだって、いいですよね。

そうして引き継がれた思いは、心に潤いをもたらすと考えている。

こうした思いは押し付けじゃなく、自由でいいと思うが
何も考えなければウエディングドレスでさえ、その時代の主流に流されることになるでしょう。

なんでもかんでも物を捨て、自身のアイデンティティーまで捨てたり
全部が借り物で、薄っぺらく見える人も増えた現代に

私は ま逆をいっているのか。?

いや 上質な人生を生きようとすることは、不滅の最先端、持続可能な
サステナブルでもある、
思っている。

今 五木寛之氏の【捨てない】がベストセラーとなっているのも
上質な人生を歩んできた五木氏の人生の知恵の塊だ。


山の上ホテルから 帰宅し娘に報告をすると

【最高だね。毎年必ずパパから送られる赤いバラと、結婚式を挙げたホテルでのケーキ。いいなぁ】と言っていたが

こうした会話が家庭でなされていればもう

彼女もきっと一生涯 ささやかなる幸せ以上のものを

闇雲に求めることもないだろう。

2年前には家にいた娘も、今は一人暮らし。

ないものねだりではない 在ること もの を大切に、

その基盤の上での、上質な人生を歩んでほしいなーと思う。

(ここまでの文章は、FBの過去投稿を、ファッションスクールの生徒さんが
シェアしてくれていて、noteにも記録しておこうと思った。ウエディングドレスのくだりは書き加えたんだけど。)


ホワイトデーにさりげなく


過去に書いた文章を浮上させ、上質な人生について書こうと思ったのは

一昨日がホワイトデーで

夫はさりげなく、クッキーチョコレートをプレゼントしてくれたから。

映画【ドリーム】を見ながら クッキーを食べる時間が

ささやかなる幸せに、包まれている感じがしたからだ。

いやぁ ドリーム いいですよ。働く女性は 泣くでしょう。
見たかった映画の一つ。
NHKで4日前にやってくれたのですかさず録画。

人種、性別による差別に負けず、3人の黒人女性がそれぞれの才能と負けん気で、仕事とプライベートを両立させ、夢を諦めない姿に共感・感動した。

実話とは異なる部分も多いらしいが、登場人物が実在したことは事実。
中でも、NASA数学者キャサリン・ジョンソン氏は、2015年に
大統領自由勲章を授与されていて 101歳でなくなる最後まで、仕事をやっていたというから、心底憧れる。

風貌が素敵で、映画を見たいと思っていた理由の一つ。映画の中でも実物も
いつも凛としてるところがすき。



個人的に好みなのが、ケビン・コスナー演じる上司の気質。
大きな仕事を成し遂げる為には
「差別など全く非効率なもの」として 黒人専用トイレなどを撤廃。
会議にも参加させたり、差別をなくそう!と勇敢に振舞うというより、とにかく仕事に対して非効率を嫌う。能力に対し、フェアに評価する姿が気持ちいい。

がんばる女性たちを、差別したり煙たがる男性ばかりではなかった、
だからこその【今】がらうことも、この映画を見れば
よくわかる。

映画ドリーム・実在した彼女たちの人生こそ、上質。


仕事のチャレンジはもちろん(半端ない!!)それぞれのプライベートも繊細に描かれているが、どちらにも妥協することなく、
困難を乗り越えて
心から楽しんでいるパーティーシーンや、子供たちとの会話など

私が思う、上質な人生が、映画の中に描かれていた。

特に、若くして夫を亡くし、3人の子供を育てながら、必死で
働いていたキャサリンが再婚するシーン。

お子さんたちの笑顔、涙ぐむキャサリンのお母さん。
働くことに深い理解を示す、新しいパートナーの優しさに包まれた
キャサリンの幸せそうな顔といったら。・・



この地上で過ごせる時間には限りがあって
本当に大事なことを本当に一生懸命できる機会は、二つか三つくらいしかない
と敬愛する スティーブジョブスは言っているわけだけど

その二つか三つで人生が決まるんじゃなくて
そのほかの時間を含めての 豊かさとは何か。

たぶんそうした時間の使い方や、人との付き合い方が
幸福度に関係しているし

たとえ贅沢はしなくとも
心が満たされ、日々の活力を生んでいくんだとおもう。

友達も、なんちゃってじゃなく長く付き合う。

さきほど写っていた金子広美は、22歳に就職した東京スタイルの同期だ。
今やネットで誰とでも繋がれる時代。
互いにどんなときを過ごしてきても
時にはべったり 時には遠くから眺めながら
30年以上、友でいられる間柄には、言葉では言い表せない気持ちがある。

▼人間関係については、高校時代からの親友についても、ここに書きとめている。大人になってから知り合い、10年間大切にしてきた友人たちとの繋がり方についても。

私は正直、もって生まれたアスペルガー性質からも(そのせいにするつもりもない)なかなか円滑に人間関係の構築ができる人じゃない。

ただ、付き合うと長いし、自分からは絶対間口を閉めないからか
決裂したように感じていた相手が、戻ってきてくれることもしばしばあって
結局は、長くなる。

上質とは
相手を利用せず、されず、生きていてくれることが 嬉しい、そんな感覚なんじゃないだろうか。

がんばってたら ますます応援したくなる
もっとがんばって欲しいと思えば、ときにそういう態度もとる。

もし 亡くなったら、心底、さびしい。


▼実は、大切すぎる魂友を亡くした、、今も切ない。


そういう風に こんな風に、素直でいれる相手なんて 人数じゃない。
なかよしこよしのふりなんか簡単だから。

うすっぺらい付き合いから 上質は生まれない。上質な人生に、【人】は欠かせないけど、人数ではないし、ご縁が暖められる、数少ない人たちを
大事に思うこと。

ホワイトデーは おいしいクッキーと映画で
夜も更けていったのだが 30年連れそう夫がいたからこそ

私は、ここに書いた ささやかなる人生を愛おしいと思える人間になった。


なかなか会えない娘から
「会いたいね」というたったひとのラインが暖かくて

桜さく4月に生まれた娘を思いながら就寝する。


そして

ジョブスがいう 本当に一生懸命できる機会は、二つか三つくらいしかないという その一つをまた、やろうとしている今だからこそ

上質な時間のバランスを、忘れないようにしようと思う。

また共に走る仲間とともに
上質な日々を送っていく。

考えてみれば自宅のインテリアはどこか 山の上ホテルのようにしているのかもしれない。
トップの写真は、山の上ホテルティールームの灯り





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