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服は、あなた。なぜそれを着ている?服装はその場の価値と幸福度を大きく左右する。ファッションにはパワーがあるからこそ、その力を存分に使ったもの勝ち。ジャンポールゴルチェのショーでのスタイリングから、解く。
前回の続きです。
Jean Paul Gaultier Fashion Freak Showに行った話しは、こちら。
そのポストは、一緒に行く人で服が変わる、という話を。
なぜそれを着るのか。
私は日々、顧客さんにも生徒さんにもこう問いかける。
「なぜそれを着ているの?」
多くは明確に、それを答えられる人はいない。服を着るのは毎日のことなのに、今日、なぜそれ?をちゃんと考えずに生きているというわけだ。
その日の気候や天気に合っていて、人に迷惑をかけなければいい。
たぶん、考えているのはそのくらいが平均値。
ビジネスなら、効果的なプレゼンができるように、とか
サービス業なら、清潔さを保つこと、そんな「当たり前」のことを「考えている」と思っている人もいる。
なぜそれを着るのか、なぜそれを買うのか、なぜそれを捨てずに大事にするのか、処分の対象とするのか。たとえば かの有名な、こんまりさんは これらを「ときめくかときめかないか」ですべてを決めているという。
人それぞれでいいとは思うが、私は、なぜそれを買うのか、そしてどう扱うのか、そして今日のスタイリングは、なぜそうコーディネートするのか、ということそのものが、あなた自身であり、「服は、あなた」なんですよ、とお伝えしたい。だから、なぜそれを着る、をすべての人が自分で説明できる世の中にしたいと大真面目に思っている。
よって、服はあなた、という本を出したことも。
いざを制すは日常の暮らしに基づいた服装の基本習慣が大事。
日常的な暮らし、日々の装いについては
政近メソッドのなかのTPPOSMを土台に基礎をレクチャーしているのだが、その話は別ポストでも何度か伝えてきたこと。
私の顧客さんたちや教え子さんたちの中には、この基本を軸に、「いざ」を制す装いの考え方とスキルを身につけ、人生が激変した人が何十人もいる。いざを制すには基本があってこそなので、そのときだけ乗りきろうとしても上手くはいかない。すべては一事が万事だから。
◆TPPOSMはここから学んで リンク集になってます。
今日は ジャンポールゴルチェのミュージカルショーに行くという、「いざ」な事例だが、「いざ」を制することは人生を変えるくらいの力があることを、皆様は知っているだろうか?
ゴルチェのショーに着ていった服。
先に画像から。
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このスタイリングに至るまで(なぜそれを着ているか、説明できるまで)
の経緯と、アドバイスを読んで貰ってから、選んだアイテムや着こなしの説明はラストに書きますね~。
知識が少ないのは、圧倒的に不利になる。
たとえば ゴルチェに行くなら ゴルチェについての知識があったほうが圧倒的に装いには有利。
会社帰りだから、オフィスファッションで仕方がない、とか
ファッションは好きだけどゴルチェはよくわからない、というような感覚は「普通」の平均的な感覚。普通、無難の何が悪いといわれても、個人の自由なんですが、どんなことでも平均的に考えていれば、まぁ 人生が目標通り、思い通りに行く確率なんて、本当に低いように思う。
どんな世界も、そこを追求している人には適わないのであって、行動が何もかも平均的なら平均以上の特別な人生は望みようがない。
これは厳しい話じゃなくて、超現実。これは服も同じなんです。
知識はいつからでも積み上げていける。
ファッションは、ファッション業界の人が圧倒的に知識も高そうに感じるかもしれませんが、私の経験上、実はそんなことはないのですよ。
ファッション好きは自分のことに興味が深いから、自分のお洒落については拘るけれど、意外と知識・スキルは薄かったりします。特に他者に向けては興味がある人のことしか調べたりしない傾向がある人種が多いから。
ある意味、何歳からでもファッションの勉強は遅くない、と私は思ってます。そして確かな学びと実践をちゃんと繰り返していけば自己満足なファッションで留まる一見 お洒落っぽい人くらいは余裕で越えられるものなんです。この道35年、学校経営20年、生徒総数2000人を越える経験からそれは言い切れるところ。
では具体的に、ゴルチェのショーに行くなら、ゴルチェの歴史やアイコンを知らないなら調べるところからという話を具体的に落としていきましょう。こういう準備は、とても大事なことなんです。
ゴルチェと言えば、、?なアイコンを取り入れる。
ゴルチェアイコン といえば 圧倒的に一番は
① ボーダー ストライプ
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②円形コーンブラ
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③コルセット
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④アンドロジナス 現代のジェンダーレス
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⑤タキシード 燕尾服
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⑥日本・着物モチーフ(ゴルチェは日本がお好き)
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親日家でもあるゴルチェ。なので会場にはお着物の人が結構いらっしゃいました。
⑦素材アイコン パワーネット レース 羽 チュール オーガンジー
スパンコール
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⑧ゴルチェといえば ボーダー以外にも柄。プリント。柄。柄。
花柄 チェック柄 ヒョウ柄 メジャー柄 サイケ柄 人物動物柄、、あらゆるド派手な柄はゴルチェの総称のようなもの。
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◆ゴルチェラストショー アイコニックなルックが勢ぞろい ↓
ということで、はい、私もメジャー柄のコーティングコートを持っているので、これを着ないことには、、といっても暑い!
ファッションは我慢の時代は過ぎたけど、この日だけは久々我慢。笑
◆コート ジャンポールゴルチェ
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ジャンポールゴルチェ、というデザイナーの経歴や生き様を知り、愛着を持つと、ブランド物をただ所有して自己満足に陥るのではない
「なぜそれを買う」が見えてきます。
それは ブランドを買う場合には、いつも考えてほしい。
そして、デザインにほれ込んで買うのもいいけれど、そのデザイナーの魂を感じて購入する、ということはもっと大事。かといってブランドで高かった、という理由だけで活用できない宝の持ち腐れをたんすの肥やしにするのも違うけれど。
他、アイテム 解説
◆ハット 平田暁生 (スパンコールリボンでゴルチェエッセンスを)
元は、皇室ご用達ハットデザイナー平田先生の作品らしく、愛らしいお花が装飾されていたものを外して、スパンコールテープを自分で付け替えます。
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◆ボーダーノースリーブニット ジャンポールゴルチェ
◆赤い帯革ベルト 大昔セレクトショップあたりで買ったものと思われる。
◆スパンコールネックレス ヴィンテージ
◆マニキュア ブラックに近いグレー ディオール
◆指輪 ゴールド アンティーク
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◆ワイド
パンツ → ミキ・ミアリー
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◆ワイドパンツ → ミキ・ミアリー
こちらを着物風柄と見立て、帯ベルトとコーデ。
日本を愛すゴルチェへの思いを込めて。
◆燕尾ジャケット(カールラガーフェルド)
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このときの画像のほうがわかりやすいですね。これを同じものです。
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◆バッグは 片山文三郎商店。ここで撮る想定、という想像力が最も大事。
ゴルチェの頭のツンツンとリンク。
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◆チェーンネックレス オカダヤ(生地、素材屋) 3人に貸し出し。笑
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このネックレス、大人気で、会う方会う方、欲しがってくださるんですが
10本まとめ買いしたのは、あの花千代さんのパーティー参戦の際。
6本はどうしても欲しい方にお譲りして今は4本のみ。オカダヤにいけばあるってもんじゃなくて、探すのには一苦労だったもの。
◆ボーダーサングラス
そうそう 花千代さんといえば、このサングラスを、そのパーティーで頂いたものだわ。
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花千代さんとはこのお方。彼女もこのサングラス、愛用されてます。
◆バングル アンティーク
◆メイク 付けまつげがポイント。でも泣いてボロボロになった。
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装いはギフト
前投稿で、一緒に行く人とのバランスが最も重要と書いたが
自分だけ自己満足では、真から楽しいと私は思えないんですよ。
実は 彼らのスタイリング、どうするのかを聞く前は 超ミニスカートや
クチュール的な(ドレスを基本にコーデ)装いを考えていました。
急遽 顧客さんとお会いすることになったこともあり、すべての人とのバランスを考慮して、配慮のあるスタイリングを心がける。
以下は 初日に誘われていた違うメンバーと、の場合ならこうしていた。
初日はゴルチェ自身もいたし、クチュールっぽく仕上げたと思う。
この服装を見たら、どういうメンバーか想像がつきませんか?
これに さらにドカンとアクセサリー付けていっただろうな。
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そして実は アナウインター扮するファッションポリスになりきって行く案もあった。
実は、ロミ(金子)&シータ(西畑)とはファッションポリスでマハラジャで遊んだ経験アリなので。こっちでもよかったよね~笑
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そして会場では、自分達の存在が、更にその場の空気を盛り上げられる、価値を上げていける存在になれたら、とても倖せだと思うんですよね。
私はこのような考えを 「装いはギフト」と呼び、ファッションスクールの学びの根幹としてお伝えしています。
あなたが興味を深堀りできる要素を探してみること。
ジャンポールゴルチェに行くなら、ゴルチェを知るところから。
もちろん、その他にもスタイリングヒントは山ほどあり、たとえば音楽から、でもいいわけです。
ボーイジョージは、ゴルチェの最後のファッションショーのトリを飾っていたけれど、彼はゴルチェとは深い親交がある。
今回も、私は一番踊りだしたくなったシーンの一つ。
ボーイジョージの曲が流れていました。
ジェンダーレスの最先端だったゴルチェとボーイジョージ。
あなたが興味を深堀りできる要素を探してみること。
自分の魂や生き方と連動する要素が必ずどこかにあるはずなんです。
私は今回、ゴルチェといえば、、をてんこ盛りしたけど
ここからシンプルに引き算してもいいわけで、こんなにゴテゴテにしたくない!という方も多いでしょう。
それは足すも引くも自由だけれど、足し算できない人に引き算は出来ないということもお忘れなく。
この日の盛り加減は、ともに行くメンバーとのごちゃり感の統一でもあった。
そして、ちょっと寂しくなりそうなメンバーには、赤いジャケットをプレゼントしちゃった。でもこんなことは、しょっちゅうしています。
ロミが赤いパンツで来ることがわかっていたので、シータ(左)に赤ジャケット持って行くね~~と。これくらいの事前の配慮は普通にやってます。
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スタイリストだから、ということではなくて、今、教えている教え子さんたちも、すでにそういう思考になってきていて、先日、勇者14名でディオール展に行って来た際も、こうしたマインドと準備力で、絶妙なバランスの14人が揃うことになりました。
この話は、次回に詳しく書きますね。
ということで、
一番重要なのは、前回書いた「誰」と行くのかということ。
そして、バックとなる背景の想定をすること。
今日の解説を見て、今一度4人のスタイリングやバランスを見て貰えたら。
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これから大阪公演がはじまります!
ぜひ装いのご参考までに。
どれが一つでも、ゴルチェといえば、、を工夫して取り入れてみて下さい。
ゴルチェブランドじゃなくても、ぜんぜんOKですから。
ボーダーなら持ってる!!とか、そういうノリでスタートしてみて下さい。
最後に ジャンポールゴルチェの言葉を。
「人びとに伝えたい。目を見開き、思いがけない場所に美しさを見出しなさいと」
「美はあらゆるところに存在する。それに気付けるかどうかが問題だ」
──ジャン=ポール・ゴルチエ