洋服のセンスは、知識で超えられるのか?知識だけじゃ、そこそこ止まり。 知識や診断で「正解」を求めるほど オリジナリティーはなくなっていく。ドレスコード第5弾。
ドレスコードの知識は「引き算」の力。
さて、ドレスコードシリーズ第5弾・最終回です。
まだ多々抜けているところもあるので、また違った角度から伝えていくけどね。今回のドレスコードのポストはあくまでも、リアルな実践の様子から理解を深めるドレスコード解説で、着用していないホワイトタイやモーニング・燕尾服などについてなど、言及していませんしね。
で、最終回は、これだけ「基本が大事」をしつこく書いてきたのに、その印象を一気に覆す?こと、をいいます。← なんやねん。
いや、覆すのとはちょっと違うかな。
ドレスコードをはじめ、服装の基本は、知識がまるでないと、正直いざで恥をかきます。かといって服飾辞典をオール網羅し、例えば暗記テストを行ったとする。点数順に、その人たちがセンスよく見えるのか?というと
イコールではありません。
これは、この道35年、専門学校での教師や講師暦、今、弊社で併設しているファッションスクール暦15年、何千人もの生徒さんたちを見てきて、「難しい」と思っている部分。
なにをどう勉強すれば、格好よくなれるのか?努力はどこに?という質問には、ほとほと困る。
だから多くは「そこそこに見えればいい」ことを頂点に
簡単に「似合う」の、理論的方法⇒どうやって細く見せるのか?等。あるいは診断方法⇒骨格診断や顔診断などを行い、その答えを出すことを答えと考える。私自身も、こうした診断ツールを山のように作ってきた人間だからこそ、それを答えにしてしまうリスクも、痛いほどわかっている。
不特定多数の人に有効、となると「そこそこ」は正直さけられない。
本題に入っていく前に、過去投稿1~4 まぁ読むのに体力いるので
あとからでも?笑
ファッションの 足し算 引き算
まず、書いてきたドレスコードには「ルール」が存在し
これ、基本ですね。
ルールを学び、その通り着れば、最高に格好良く見えるのか?⇒
そこそこにはなります。知らない人より、かなりまともになり、周囲との連帯感も保ち人に不快感を与えません。
例えば、今回のブラックタイディナーのメンバーとのフォトシューティング。学んだ、というマインドも含め、全体的には綺麗にまとまっています。
そこそこ、まぁまぁ < より少しオーラや雰囲気あるように見える。
なぜか?
ドレスコードのブラックタイ、というコードに沿って、ファッションの
「引き算」が成されているから、なんです。(特に男性陣のコードは明確)
雰囲気やオーラの正体
実はこの方々をはじめ、アカデミーオブスタイル&アートに入学したメンバー70名ほどは、これまで1年間、あるいは半年間(生徒さんによって期間はまちまち)
がちゃがちゃと足し算コーデの練習に、散々チャレンジしてきた人たちなんです。
実は、それが「オーラ」になっているんです。
野球選手が、バットを何度も振りまくって練習を積んでから、バッターボックスに立つ。更に、筋肉つける等,基礎習慣的運動を続けているように
打ちそうな人のオーラって、練習しない人には出ないものでしょう。
服も同じでね
腹筋ならぬ、服筋をつけているか?
あーでもない、こーでもないと、がっちゃがちゃな服を何度も着てトライする試みをやってきてるんですよね。
画像は、アカデミーオブスタイル&アートのMFP(マインドフルファッションコース)Zoom授業での様子。
まぁ 小さいですけど はちゃめちゃ感、感じ取れますかと。
例えば、カメラマン参加のこの方、夫君ですが
同じ人ですから。笑
クラスメート全員で、キャラクターコスプレではなく、キャラクターファッションで、ディズニーランドに行こう、というお題を出したんですけどね。
たとえば、sakurada氏。
このシャツ、手描きだったりします。ひょえー。マジックで描いちゃった
百一匹わんちゃんだわね。
Erinaさんのディズニーはアリエルからのヒント。
例えば、こんな課題も出ますよ。
2021年・東京オリンピック観覧スタイル。
あれ?!あの イケメン Ichikawa氏?ちょっと寅さん風?
この時の、鶴を着た私のスタイリングは、そういえば以前投稿してたはず。たぶん、並ぶといい感じかも。
スクールの装い課題は、こんな風に出ます。
ディズニーや、オリンピックね、と簡単に思うのは大間違い。ひ~~実は
TPPOSMまで詳しく設定されているんです。その「枠」がある中での自由な装い、これが鍛えられます。また仲間がいることで、全体を俯瞰しても見れる。
事例
装い課題・「やり着る。装うことは生きること・装いはギフト」 コロナ明け、リアルパーティー(想定)
テーマ 「やり着るギフトファッション」 アリスワンダーランドをはじめお洒落なディズニー映画からの インスピレーションを得て、仮装ではないがそれとわかる、登場人物からのパーティーウエア。
更にここにTOOPSMが入ります。⇒ この課題、私は赤の女王に。リンクは下に張ってます。
で、Hiromiさん。いけてますな。
彼女は、22歳のときからの、ファッションデザイナー仲間。
弊社スクールの講師もやって貰ってます。
さすがの足し算、様々な色、デザイン、素材、他 てんこもりなのに
不思議とまとまっていますね。プロだから、オール足し算でもバランスとってきます。
このまま 主旨が違うパーティーに遊びに行けますね。
私たちはどちらかというと、こういうアバンギャルドなほうが、出番多いかな。オリジナル発揮、ふんだんに許される場だと、足し算しまくりますよ。
あれ?繋がってきた~という読者の方もいらっしゃるかと。
この課題では、私も相当 ガチャってましたよ。
こちらは ファッションインジャパンにクラスメイトと一緒に行く、という課題。実際にいったひともいるし、装いで全員集合するのはZoomの中です。
ToekoさんとErinaさん。
なり着る
タモリ?
って課題。
もうわかるよね~~ Yonekura氏、タモリになりきってます
表面真似する課題? いやいや、それだけじゃぺらぺらに。
この授業、自分の中身・マインドと、選んだモデルとのリンクも大事なんです。なので実はめちゃくちゃ深い。例えばタモリさんがどういうひとなのか?内面も調べ上げるところから始まります。
このポストは 足し算引き算、ドレスコードの流れなので、今回は、課題たちの深さは、割愛。
ちなみに私はオードリーヘップバーンになりきり。
吹っ着る
ま、こうなるともう、足し算でも引き算でもなんでもいいわー
それどころじゃない感じでしょー どういう課題??吹っ着るってなに?
想像もつかないでしょうが、笑
ど真剣!!!!!!
やっちゃえ
マインドの体現化
心は見えないが、服は見える。
こうした練習は全部「足し算」。
なぜか?マインド、思考の整理がよい意味でつき切っていない、その体現化でもあり、服でアウトプットすることで、自分が客観視できるんですよ。
心は見えないが、服は見える。
やっちゃえ、なトライチャレンジ・アクションを起こしています。
ただ着るのではなく お題がある(ある意味ドレスコードね)があるから
伸びるんです。
「マインドの体現化」とはこういうこと。
ある程度の規制がある中だ、ということも大事。
人との差別化も表面に出るので。
何度も鏡を見て、客観視する習慣
引き算は マインドの整理。
がちゃがちゃやってみているうちに、ふと 引き算のコツのようなものも
身についていく。
シンプルにしたつもりが、ただの地味、ダサくなっているひとが多いのも、
こうした訓練がないから、そりゃそうなるんですよ。
みんな同じな上に、地味でダサい。一番辛いのは、忘れられていること。
それ、辛いところです。問題は、誰も言ってくれないこと。
私が ファッションスクールをやる理由は多々あるけれど、中身があるのに、なぜこんなにも 覚えられないひとが多いのか?
勿体無さ過ぎて辛い、誰も言ってくれないなら、私言います。ということも
一つの理由。
それはだって、その引き算のなんでもないスタイルに その人のマインドが入ってないからそうなる。忘れられる、それ当たり前。
まだ道半ば、伸び白はある、とはいえ、こんな風に持ち味を生かしながら
引き算的スタイリングもできるようになっていくのです。
どれだけ引き算ができるようになっても、そこに「ギフトファッション」の精神をわすれないこと。
イエ~~イ(遺影)
そして一定の学びが修了して今回の、リアルな場、が急遽訪れた8人+カメラマンだった、というわけ。
あーーーーーー長かった。
ドレスコードを解説していくに、この話を書かない限り、「本当のこと」は
伝わらないよね、と。
ブラックタイディナーは、
学びを重ねた上での 体現の場。
足し算をやり続けた上での、引き算だったのです。
という解説が最も重要かなと思いました。
これを何も知らず、ブラックタイディナーのシーンだけを見た方は
FBでは「セレブのようだ」とか「住む世界が違う人たち」などというコメントが、シェアをしたメンバーのスレッドに書かれたりしてました。
まー グーフィーやタモリ みたら、ちがうでしょ、ってわかる。笑
こうした経験とマインドの整理法が、「こなれ感」や「オリジナル」を生んでいくのであって、それが「存在感」(忘れられないひと)なのです。
診断系は「基本」か問題について
たとえば ブルーベース、イエローベースなど、すでに浸透しているパーソナルカラー、「基本」の域に達していると思います。ただ、私の場合、わかりやすいブルーベースなんですが、ゴールドアクセサリーも散々付けるし、知っている上で、境界線は一切付けていません。苦手意識もない。
骨格診断は、浸透率から見たら、共通言語だと思います。いまのところは男性にはさっぱりわからん、とは思うけど。
そして私が考案したテイスト診断は、マインド診断と合わせてのもので、まだ日本で数十名しか、ちゃんと診断ができない状態です。本を出しているので,読んでくださった数万人の方々は知っています、程度で、これからというところ。自分の持ち味を生かす、基本的なツール、としては有効かと思うし、答えを出し切りはしない、柔軟性を大事にしています。
仮に、上記のようなツールをすべて基本とした場合、すべて「引き算」からスタート、なるということが、落とし穴かなと。
やってみる!(足し算)を体験していく先にやっと
引き算があるということを飛ばしてしまうんですね。
前回の題名にもした、崩し、抜け、といった「お洒落感」の演出にも
やはり「引き算」の技術が必要で。
で、何が起きるか?というと 自らが感じる力の欠落です。
ドレスコード、基本ありき、で学びをはじめてしまうと薀蓄ばかりが頭に入り、正解・不正解で人もモノも見てしまう。感じる力を削いでしまいかねないわけです。
感性は、正しい、正しくない、理屈の前に育つ。
例えば お花が綺麗、という感性。
この絵に惹かれる、という感性。
何か描いたとき、こう描かなきゃいけない、他の人と比べたら下手だ 苦手!と思った瞬間、描けなくなるような、そういうものが感性を邪魔した瞬間。
そういう経験、ありませんか?
誰かに自分がやろうとしたことを否定された瞬間に、心が止まったこと。
自由な感性のなかで育つことこそが、すべての基本、生きる強さ、軸、のようなものができていくのに、わくわくが止まってしまった経験。
オリジナリティーが生まれる瞬間を沢山、失ってきてはいませんか?
大人になって、本当の自分らしさがわからない、という方の多くはこうしたレールの上を歩いてしまったケース。・・・
足し算は遊び。遊びは表現。人生にたとえられる。
雑誌をはじめとする あらゆるファッション情報には
足し算的な、個性的スタイリングはダサい、という傾向があります。
見た目の引き算が由とされる画像ばっかりですね。
ダサいというより、「売れそうなもの」が前提なので、そうせざるを得ないんでしょうが、そういうものばかりを見ていて感性が育つはずはありません。最初から答えなので、疑問も何もない。違和感も、ほんとうのワクワクも、ない。
日本に住む、海外からきた友人がこういっていた。
「日本人は、凄くお洒落なひともいるけど、ほとんどのひとが みんな同じ、あれは人の目を気にするから?見分けがつかないことがあるよ。なんでみんな同じで平気なの?」
みんな同じ問題。
この感覚のまま タキシードを着ても、どんより、そこそこ、みんな同じになる。同じアイテムを着ても、個性が生きて見える。その大きな、違い。
これは、言葉にすることが相当困難であり、まだまだ伝えきれないけれど
私はこの、困難な「ほんとうの学び・教え」を続けていくつもり。
そして人に言うなら、自分もやるということを。
だって、みんなを見ていたら、嬉しくて泣くこともあるほど
それぞれの持ち味を発揮するようになっていくから。
そういう成長、瞬間を共有できるって本当にハッピー。
なんだか学校の宣伝のようになったけど、笑
これが全部、リアルに行ってきた事実だから、ただの教科書ではない面白さがありますよね。
正解を求める日々よりも
沢山遊んで、悩んで、笑って、人生を創造しましょう。
その経験こそが、感性を育て、センスをアップさせます。
ドレスコード連続記事のラストは、ほぼ知識は書かずで終わりますが
最後に、
ドレスコードは自分で創ろう。
あなたがいる世界、会社、家族、様々な集いが日々ある中
あなたのドレスコード提案が、その場をもっと明るくたのしい時間にできるのですから。
職場の服装だって、なんとなくじゃない、何か。
Zoomでの集まりだって、あなたのマインド次第。
人に強要するのでもなく、自分がやっていくことから
自分自身が開示、表現、いずれ人々の心に留まる人になるはずです。
それが ドレスコード。
次回からは 今回も沢山出てきた ファッションとマインドのこと
質問やお問い合わせが多いので書いていこうかなと思ってます。
皆様、毎度長文を読んでいただき、ほんと、ありがとう~