見出し画像

私の野望:一人の社会起業家との出会い

障害がキャリアを積む上で”障害”にならない社会を実現する会社、Connecting Pointの阿部潤子です。

さて、今年で8歳になるConnecting Pointには、大きな野望があると先日のnoteでお伝えしました。今回は、その野望について語りたいと思います。

■野望に至る”気づき”
私はこれまでインクルーシブな職場づくりを進めていく上で、ともに働く人たちの障害への理解促進であったり、サポート側の成長支援のスキルアップに焦点をあてて、ワークショップやリサーチコンサルテーションを実施してきました。

しかし、このような「環境」への働きかけは息の長い取り組みであること、そして、インクルーシブな職場づくりには、
その職場で働く当事者の人たちの声が社内に響き渡ることこそが、
最も効果的ではないか、と考えるようになりました。

■野望を膨らましてくれる”社会起業家との出会い”
その矢先に、ある一人の社会起業家に出会う機会に恵まれました。
ビジネスの力で障害者インクルージョンを進めていこうと邁進する、
The Valuable 500 創設者 Caroline Caseyさん
https://www.nippon-foundation.or.jp/journal/2020/41280

Carolineさんとの初めての出会い

2022年11月アジア・フィランソロピー会議にて、Carolineさんの登壇後、友人に英訳してもらったCVと名刺をもって、半ば押しかけ状態で挨拶したところ、2-3分のわずかな時間を割いてくれました。

アジア・フィランソロピー会議2022

「知的障害のある人たちのセルフ・アドボカシー活動を障害者雇用場面において、実現していきたいんだ!」

彼女は、こんな私のビジョンに対して、

"Self-advocacy for people with intellectual disabilities is very important.  We  will talk online later ." (知的障害のある人たちのセルフ・アドボカシーは、とても重要だね。改めて、オンラインで話そう。)

と、自ら名刺を差し出して下さいました。
その後、実際にオンラインでの意見交換が実現するまでには、少しの苦労もありましたが、2023年1月のダボス会議に彼女が登壇した後に、オンラインでじっくりとお話する機会を頂きました。

■野望を実現する”勇気”を与えてくれたCarolineさんとの”対話”

彼女との対話の中で、私は、これまでnoteに書き記してきた私のキャリアと、障害のある人の「成長ステップ」見える化プロジェクトを始めとした弊社活動、これから取り組んでいきたいセルフアドボカシー活動について説明させてもらいました。すると、Carolineさんからは…

"Self-advocacy for people with intellectual disabilities is very importnant and pioneering in Japan and even Europe as well.  And Australia would be leading on self-advocacy for people with intellectual disabilities.  But I know setting a company in such a pioneering field is how hard it is.  And pioneering work is very important but is lonely at time.  So  I was wandering if we coule find something would be helpful to us and helpful to you."

”知的障害のある人たちのセルフ・アドボカシー活動は、とても大切で、日本だけでなくヨーロッパにおいても先駆的な取り組みです。そして、オーストラリアは、知的障害のある人たちのセルフ・アドボカシー活動をリードする存在なのでしょう。しかし、そのような先駆的な取り組みによって会社を興すことが、どれほど大変なことなのかも、私には理解できます。そして、先駆的な取り組みはとても重要だけれど、孤独を感じる時間でもあるよね。だから、私たち(V500)のためにもなって、あなたにとっても、何か役に立つことができないかと考えていたんです。”

そこで、私は、真っ先に彼女に「アドバイザー」になって欲しいと伝え、彼女はそのリクエストを快く受け入れてくれました。

Carolineさん×CP阿部 オンラインミーティング

Carolineさんがアドバイザーになってくれる!という喜びと、
私が障害者福祉領域に進んで以来、ずーっと探し続けてきたロールモデルに出会えた瞬間でした。

■野望の誕生:Motivator100

こうして、私は、インクルーシブな職場づくりに向けて、
知的障害のある人たちのセルフ・アドボカシー活動を形にする勇気を手にし、セルフ・アドボカシーを日本でどのように広めたいのか、
なぜセルフ・アドボカシーを広めたいのか、
改めて考え、さまざまな方々との意見交換をするようになりました。

そして、ついに私は、

知的障害のある人による「語り」(セルフ・アドボカシー)が、
組織の中に「対話」と「共感」を生み出し、
インクルーシブな職場づくりに貢献ができる

というストーリーを立てることが出来ました。

さらに、
その取り組みが、想いのある1社の取り組みではなく、
V500と同じように集団の力に変えることで、
より社会にインパクトある取り組みへ昇華できるのではないか、
と考える中で「Motivator100構想」が誕生しました。

Motivator100:企業に「対話」と「共感」をもたらす知的障害のある100人であり、障害者雇用を流行らせる100社

そこで、次回のnoteでは「前半/後半」に分けて、
Motivator100が誕生する背景にある”問い”と、
その”問い”をオープンにして議論する勇気を与えて下さった”出会い”
について記したいと思います。

記事後半では、
なぜインクルーシブな職場づくりには当事者の声(セルフ・アドボカシー)が大事になるのか、というMotivator100のストーリーと、
なぜ”100社”なのか、その理由について記していきたいと思います。

いいなと思ったら応援しよう!