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魅力的な写真が撮れた、と思う。
鎌倉の海。エリックだけど、撮ったのは。わたしは遊ぶのに忙しかった笑
あまり広くはないけれど、そして、正直あまり美しいとも言いがたいんだけど、(海の色とか、砂浜の色とか、ゴミとか)
だけど魅力的
それは多分に、どこか歴史的な街だったり、集まる人々がどこか都会的だったりするからだと思う。
鎌倉の海まで2分という距離にシェアタイプのAir b&bを借り
ここにエリックと部屋を借りて、海にばかり行って過ごしていた。
海には、ショッキングなことにクラゲがいることが判明。
(海でクラゲに触っちゃったのなんてはじめて。ちょっと気持ち悪い)
お盆が明ける手前だから大丈夫だと思ったのに。
ということで、次の日は、スパッツと長袖でカバーして海に入ることに。水中メガネもして波に挑む。
アルゼンチンで、スキューバインストラクターをしていたエリックは、想像はしていたけれど、やっぱり海でぷかぷかしたり泳いだりして、さかなみたいだ。
泳ぎ疲れて帰ってきてから、シャワーを浴び、体をタオルで拭いていると、リビングルームから話し声が聞こえる。
まだ会っていないゲストの1人レイチェルと、さっき会った別なチャイニーズのゲスト、それからシェアハウスのオーナー、もうひとり、男性ゲストの声が聞こえる。
ぜんぶは聞き取れないけれど、ところどころ、
ニューヨークでレイチェルと初めて会ったんですよ、、、
そうそう、キャンプカーを思い立ってじぶんで作って、
買ったら高いから作っちゃえってなって、
と聞こえる。
なになに!?
キャンプカーといえば、旅好きなエリックがずっと欲しいと思っているもののひとつだ。
ということで、お願いして見せてもらうことに。
みんなでぞろぞろと連れ立ち、シェアハウスから2、3分ほどの駐車場まで歩く。
確かに、黒い軽トラックに自作の木の箱が載っていて、キャンプカーと呼ぶにふさわしい仕上がり。
すこし表面を焼いた後に艶出しが塗ってあり、入り口も、換気口も、なかなかきちんと作られている。
なかを開ければ、心地の良い暖色の電気がつき、布団を敷いて寝られるスペースも設けてある。
木の香りがしそうな清潔な空間。
天窓もあるので、そこを開ければ解放感もありますよーと彼が嬉しそうな表情で説明する。
みんなひとりづつ交互に中に入り様子を確かめる。
穏やかに楽しんでいる空気感が流れている。
わたしも中を一度確認させてもらい、外に出てからレイチェルとすこし立ち話をする。
レイチェルはアメリカ人で、
キャンプカーを作った彼は、今33歳のサラリーマン。アメリカ人と日本人の奥さんがいて、奥さんともニューヨークの朝食会で出会ったという。
ニューヨークの朝食会というやつが、どういうものなのかよくわからないけれど。
こんなふうに誰かと不意に出会って話しができる、この雰囲気がわたしは好きで、だからシェアハウスも好きだ。
そして、こんなふうな人たちが集まる鎌倉という場所もやっぱり好きだ。
こんな数日を過ごしたあと、帰路に着く。
帰りの高速道路では、Googleナビ、プラスでエリックのナビゲーションもあり、おかげで車の運転も比較的安心していられた。
(エリックは日本での運転免許がないので)
この旅に出ることが、なぜかとても大切なことのように感じていた。
それまで、ずっと、アルゼンチンに行くことがめちゃくちゃ恐くて不安で、やめた方がいいんじゃないだろうか、とずっと思っていた。
アルゼンチンの彼の家の一階に住む、彼の母親の窓に、セキュリティのため柵を設けたのだけど、ある日、ある男の腕が伸びてきて部屋のなかをまさぐっていた話しとか
車をそこら辺に留めていたら、タイヤがぜんぶ盗まれて、かわりにブロックが重ねて置いてあった話しとか
とてもじゃないけど、わくわくするとは言いがたい。
エリックの過去の経歴も、サラリーマンと結婚育児をしてきたわたしからみると破天荒すぎてついていけない。
と、頭は言う。
心は、彼といることが心地よい、と言う。
このラテンでクレイジーな旅をほんとにするのだろうか。
まだ決めたのかわからない。だけど、鎌倉の旅から帰ってきてから、そちらにぐっと気持ちが傾いていることは確かだ。