認める子育て~周りの人に助けてもらう
中学生になった息子。
部活がなく、授業も少なく早く帰宅する月曜日、天真体道に通うことにしました。
天真体道は空手を元にした武道。
創始者青木宏之氏はあらゆる武術を紐解き、心地よさを追求し天真体道に仕立てたそうです。学習障害だった故、心地よくストレスのない方法を求めたのだけど、結局そこに武道の極意があったんです、と曾根田先生。
指導してくれる天正道場の曾根田先生は、日本語音読指導者仲間でもあります。
入会の希望を出し、今日が初日でした。
事前に料金の説明があり、今日は揃えるものについて聞きました。木刀と空手着。息子のためにそんなものを揃えることになるとは。不思議です。
今日は空手と剣術二本立てでした。
曾根田先生は息子の身体を見て触り、「がっしりしている。これからぐんぐん大きくなる」と言いました。息子は常に背の順が前から2番目か3番目、小さい方です。旦那さんとわたしの身長も極めて標準的。息子はここ一年くらいでかなり太ったので、そのせいでは?と聞いたら「この胸板は贅肉じゃないです。それかは足首の下の足を見て。すごくしっかりしてます。空手とか武術に向いている体です。球技ならラグビーやサッカー」ええ!そうなの~?!息子のことは誰よりもわかっていると思っていましたが、みじんもわかっていない可能性が浮上してきました。そして、今まで曾根田先生の100分の一も息子の身体を評価していなかった。。。
息子は大きな声を出してこぶしを前方に繰り出したり、木刀を振ったり、剣の扱いを鏡に映る先生の姿を見ながら真似をしました。集中している様子が見て取れます。
息子は「真似をしてごらん」と言うとあまり見ていないのもあり、再現できないことが多々あります。今日も慣れない動きや剣を握ったさまなどできていないことが。わたしは焦ってみていましたが、曾根田先生は何度でも「鏡見ろ」「刀はどっち向いてる?」などと息子にヒントを与えてイライラのイの字も見せません。そしてとうとう息子がお手本と同じにできるようになると大きく喜び褒めてくれます。
剣をおっかなびっくり扱う息子。剣をさやから抜いて戻すって難しいんだな~。武士の時代に思いを馳せます。息子は左利きなので右手で剣を扱うのがやりづらく不満に感じているのが伝わってきました。お稽古が終わった後、「左利きなんです」と先生に伝えると、「いいなあ、得することあるぞ~、宮本武蔵も左利きだったから二刀流ができたんだよ。右でできるようになれば左はすぐできるしな」とお話しされました。息子の状態を認め、さりげなく右をまずやることは絶対であることを伝えています。息子もぎっちょで刀を持つ武士がいないことは知っていたようです。曾根田先生の言葉で納得がいったようです。さらに先生は「私もたまに左で振ってみるんです、見える世界が全然違うんですよ」と言いました。左利きはただのイレギュラー、マイノリティくらいに考えていたわたしにとって、とても目の開く言葉でした。
帰り、息子にやさしい母がいました。
地元の公立中学に通い、夕方にさいたまからわざわざ三鷹まで通うことを嫌がらない息子、どこか深いところで天真体道が自分に必要と思っている節もあり、ただおもしろくて好きだというのもあるのでしょう。いずれにしても彼は曾根田先生の指導で大きく成長するでしょう。
そして曾根田先生を見て、息子を全面的に認めることを学びはじめたわたしも大きく成長できそうです。
子育ては社会の役割とも言ったりします。
親だけでは到底難しい。
わたしは自分の幸運を信じ、周りの素晴らしい方との関わりを距離とか常識を気にせず息子に結び付けて、彼がオモロイ人生をたどれるようにしてあげたいです。