暴力事件の後始末①

ディーとタミちゃんはよくトラブっていて、ディーは引っ越しするつもりで、新しいシェアハウスを見に行っていた。

内装屋のディーは、当時ある家のリフォームを手掛けていた。
ディーは自分の部屋で小さな犬も飼っていた。

私は引っ越すつもりはなかったけど、ディーと一緒にシェアハウスを見に行ったり、リフォーム現場を見学させてもらったり、犬と一緒にビーチに散歩に行ったりしていた。

そんな折り、唐突にディーは暴力事件で連れて行かれてしまった。
すぐ戻ってくるかと思っていたんだけど、全然戻ってこなくて、その間、私が犬を散歩させたり餌をやったりしていた。

見学していたシェアハウスの人に、ディーはしばらく連絡が取れませんと伝えたら、「どうしたの?入院?ルームメイトとのトラブル?まさか自傷行為を?」なんて、すごく心配されてしまった。

こちらはサンフランシスコ拘置所です。
コレクトコールを受け取る場合は1を押してください。

コレクトコールがかかってきたので、後のことをどうしたら良いか聞いたら「正直に伝えてくれ」と。

リフォームのクライアントには、「ディーはアンラッキーなことになったな、何とかして彼を救い出そう!」と言われた。リフォームの内装仲間が家の鍵を取りに来て、工事はきちんと進むことになったらしい。ところが、彼らが家の鍵と一緒に車の鍵も持って行ってしまって、道路掃除の日でも車を動かせなくて、毎週罰金のチケットが残されていくのは辛かったな。

見学していたシェアハウスの女性は、とても感じの良い方だったんだけど、「彼はjailにいる」と正直に言ったとたん、「無理!!」と言われて激しく電話を切られてしまった。自分が拒絶されたようで、結構落ち込んでしまったんだよね。そして、この電話が、後々の私の気持ちを動かしていくことになる。


ちょうどその頃、一緒に留学に出た友人が、ニューヨークでの留学を終えて日本に戻ることになり、途中でサンフランシスコに1週間くらい寄ると言うので、私たちは、車でデスバレーまで行くことにしていた。

留守にするから犬の面倒を見れないということで、コレクトコールによるjailからの依頼でディーの友人が現れ、犬を預かってくれることになった。私もコレクトコールで命を受けてあちこちに連絡したりとかしてたけど、デスバレーに行くことになったので、大家のベンに後のことは全部頼んで、出かけることにした。

こんなことになった後はタミちゃんとの暮らしも無理だと思って、私も引っ越しを考え始めた。

出かける前に、ニューヨークから来た友人と一緒にシェアハウスを見に行った。デスバレーから帰ってくるまでに、いろんなことが片付いているのかな?って期待しながら。


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