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3月11日、被災地より。


命は、限りあるもので。

当たり前は奇跡で。

幸せなんて、あっという間に破壊されて。

それでも生き残った人は、生きていくようで。

泣いて、笑って、叫んで、狂って。

春の陽気が私たちをおかしくさせる。



「生きていて、いいことなんてない。つらいよ。生きている意味なんて、ないよ。私はいない方がいい」

そう泣き崩れた私に

夫はそっと言った。


「それでも、世界は美しいんだよ」と。


震災があった夜、
恐ろしくなるほど星空が綺麗だった。


震災が起きた時、
母親の職場まで津波がきて、
「お母さんが死んだらどうしよう」と不安だった。

妙に気持ちが高揚して、
「お母さんが帰って来なくても別にいい」みたいなことも言った。


津波が来て、すっかり変わってしまった
ガレキだらけの破壊された故郷を見て
心の中でガラガラと音を立てて崩れていく何か。

ショックが大きすぎて言葉が出なかった。


賢い人は津波の様子をケータイの動画などに撮っていて、後にYouTubeにアップしてたりしていた。


私は、夜になると強烈な不安でいっぱいになり、ODをした。


数日後に無事帰ってきた母親は
憔悴しきっていた。

地元の新聞の
「頑張ろう気仙沼」の文字を見るのが辛くてたまらなかった。(後に変更された)


あの頃、みんなおかしかった。
今年も3.11の風が吹く。


それでも、生きていく。
(でも、もういっぱいいっぱいだよ。もう、疲れちゃったよ)


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