またまたリュ・スンリョン×チキンネタと見せかけてエモ作だった『タッカンジョン』感想
こんにちは、チキン大好きじゅんぷうです。
チキンと並んで大好物なのが、ポンコツや弱者の皮をかぶった奇人たちの活躍。(そもそもわたしの血はチャウ・シンチーでできていますので)
韓国の映画やドラマにチキンはレギュラーかってぐらい登場しますが、こんなにもチキンと結びつく俳優はそうそういないのでは。チキン俳優なのでは。それがポンコツや弱者の皮かぶり度上位のリュ・スンリョン。大抵、くたびれたおじさんの皮をかぶってます。
リュ・スンリョン×チキンといったらまずは映画『エクストリーム・ジョブ』です。3年前のnoteでもチラと触れていますがこれがポンコツ奇人チームもの好きの琴線じゃらじゃら鳴らしてくれる作品。
ポンコツ捜査員たちがチキン店を営業しながら潜入捜査するうちにチキン店が大繁盛。リュ・スンリョンがチキンを揚げて揚げて揚げまくる、とにかく揚がる⤴映画なので時々リピートしています。
ディズニープラスで独占配信の『ムービング』では、リュ・スンリョンは秘めた力を持つチキン店の店主でした。ここでチキンはさして重要ではなく、視聴者はただただ「またチキン店だ~❤」と喜んでいたのです。
そして『タッカンジョン』。タイトルがもうタッカンジョン=甘辛ソースで和えた鶏から揚げですから。それもリュ・スンリョンの愛する娘がタッカンジョンに変身してしまうというぶっとび設定。
リュ・スンリョン演じるソンマンの娘ミナ(キム・ユジョン)が謎の機械によってタッカンジョンに変わってしまった。ソンマンが経営する機械メーカーのインターン社員でミナに想いを寄せるペクジュン(アン・ジェホン)と力を合わせてミナを元の姿に戻そうと奮闘するお話。
◆ネタバレあります
独特のクセのある世界観と、シュールな会話や小道具使いでキャラクターを見せてくるので、1話の時点でちょっと無理ってなる人もいそうですが『TRICK』『勇者ヨシヒコ』あたりがお好きな人には全力でおすすめしたい。
タッカンジョンになってしまったミナをミナとして扱うソンマンとペクジュンは傍から見れば奇人どころか狂人なんですけど、この演技の熱量に値するだけの世界が待っています。ミナとほかのタッカンジョンが混ざって見分けがつかずパニックになったり、状態を維持するのに苦心したりが笑える描写ではありますが、愛する人がタッカンジョンだったらそりゃそうなるよね。お布団もかけるわ。
キム・ユジョンをから揚げにしちゃうって贅沢すぎるだろ
白丁タッカンジョン店と両班タッカンジョン店とは名前からして朝鮮時代の身分階級的因縁でもあるのかと思いきや、お話は謎の機械をめぐってのミステリー展開に。朝鮮時代に謎の機械を目撃した男の役がムン・サンフンで、このくだりも彼の『D.P.』でのエピソードを思わせるものがあります。カメオ出演も含めてこういう細かい視聴者プレゼントが満載。
極めつけが両班タッカンジョン店の店主と、謎の機械を研究するユ博士の孤独を埋める小道具として登場するドラマ『恋愛体質~30歳になれば大丈夫』。これも『タッカンジョン』と同じイ・ビョンホン監督脚本作で、『タッカンジョン』でミナに恋するペクジュンを演じるアン・ジェホンを筆頭に、両作品に出演しているキャストが何人いるだろうか。8人ぐらいいる。ユ博士が幼虫姿のこのほっこりエピソードはまるでディズニーの短編アニメ。
大切な人を元に戻すための決断と、壮大なスケールへのギアチェンジと。物言わぬミナとの対話は『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』を思い出しました。キー・ホイ・クァンが『エブエブ』の重要なメッセージは「共感力を持つこと」と言っています。これ『タッカンジョン』に当てはめて考えたらグッとエモい印象になりました。ペクジュンのくせつよ衣装、イエローパンツも伏線回収してるし、まさかのいいドラマだったのか!
30分×全10話なのであっという間。
さあみなさんご一緒に、
チャ~ウ~ヌ~~~!!(神セリフ)