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まほうのレシピと80年代歌謡曲殺人事件

Amazonプライムで視聴できる海外ドラマ『まほうのレシピ』。選ばれし者しか読めない魔法の料理本の守り手となった少女3人が、問題にぶつかったらそれに該当するメニューをレシピどおりに作ってピンチを切り抜けたり問題解決するファンタジーで、そこに登場するレシピは「おだまりケーキ」「脳みそぶっとびボロネーゼ」「真実はつらいよトリュフ」「ずっと友達ピーナツバター&ジャムサンド」などなど、どれもそそるネーミング。そしてレシピにはそれぞれに効果+とんでもない副作用があって一筋縄ではいかない。海外ドラマ好きのうちの高1と中1も夢中で、分散登校が始まってからはどっちが先に見ちゃっただの何だのと揉める日々であります(レシピが必要なぐらい揉めてる)。

そんなドラマの中で、演劇部が上演する舞台劇「仮面舞踏会殺人事件」というワードが聴こえてきたものだから、わたしの頭の中はめくるめくイントロとともに少年隊が登場し、「デカメロン伝説殺人事件」「湾岸スキーヤー殺人事件」「バラードのように眠れ殺人事件」といったケレンたっぷりの事件帳場が乱立。「ABC殺人事件」はそのまんまアガサ・クリスティー。

「哀愁でいと殺人事件」「ピエロ殺人事件」「悲しみ2ヤング殺人事件」の悲壮感に「原宿キッス殺人事件」「ラストシーンは腕の中で殺人事件」「堕ちないでマドンナ殺人事件」とドラマチックなトシちゃん。コントだと思いたい「ギンギラギンにさりげなく殺人事件」「永遠に秘密さ殺人事件」、日活テイストな「真夏の一秒殺人事件」「ガラスの十代殺人事件」、ヌーヴェルヴァーグ「太陽がいっぱい殺人事件」…なんか意外といい「チャンカパーナ殺人事件」と、誰のためでもないマッチング作業はつづく。そして夢のような世界を見せつけてくれたのが、やっぱり聖子ちゃんでした。

青い珊瑚礁殺人事件

白いパラソル殺人事件

渚のバルコニー殺人事件

ガラスの林檎殺人事件

ハートのイアリング殺人事件

ピンクのモーツァルト殺人事件

マラケッシュ殺人事件

(曲じゃないけど)野菊の墓殺人事件

こんなに夢のある殺人事件があろうか。特定の場所やアイテム+αが殺人事件との相性抜群。海外ミステリードラマの雰囲気すらあり、そう思うと野菊の墓だって異国の十字架の丘。上にはないけど「赤いスイートピー殺人事件」もなかなかサイコな世界(若干、土曜ワイド感はある)。地名のみのマラケッシュも、殺人事件とのマッチングによってリリース当時(1988)の「マラケッシュって何…?」というロマンが今また掻きたてられる結果に。俄然ミントティーがあやしいけれども。ピンクのモーツァルト(1984)だって当時の小学生にとっては「どういうこと?」と考える隙もなくただそのセンスに圧倒的に魅了されていたわけで、聖子ちゃんのタイトルと歌詞世界こそファンタジーのようなまほうのレシピ。

一方で明菜です。

少女A殺人事件、禁区殺人事件、北ウイング殺人事件

ガチなやつでした。聖子ちゃんの殺人事件はハッピーだったなあって思えるほど、明菜のはドキッとする。これも聖子/明菜の構図があっての事件性の違い。最後に…

涙のリクエスト殺人事件

哀しくてジェラシー殺人事件

ジュリアに傷心殺人事件

I Love you, SAYONARA殺人事件

何か言い訳の空気出てるチェッカーズがすき。どれも泣きながら殺ってるし、恋の数だけ殺ってる。「素直にI'm Sorry殺人事件」はもう…ゆるす…?

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