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狼や暴れ馬…野獣系アウトローを放っておけない女子に幸あれ

 動物占いは情熱的な黒ひょうタイプでした、じゅんぷうです。

『ヴィンチェンツォ』からソン・ジュンギの出演作を遡って、ついに『トキメキ☆成均館スキャンダル』を見てしまいました。ずっと気にはなっていたけど、

・朝鮮時代

・男装したヒロイン in 女人禁制の学生宿舎

・父を亡くし病気の弟を養う。貧しいが才能豊か

 という初期設定だけでもう、儒教という国家イデオロギーによるとんでもない差別と、権力をめぐる陰謀に苦しむんでしょう? 見ているこっちが、いじわるな両班を心底憎んだりしちゃうでしょう? 今までどれだけ朝鮮時代で胸を痛めてきたことか…それより何よりやっぱり、ハードルを上げていたのはこの邦題です。

「トキメキ」と「☆」と「スキャンダル」

 カタカナでトキメキにしていいのは「恋の呪文はスキトキメキトキス」、タイトルに☆が入っていいのは「幽☆遊☆白書」とマッチの「情熱☆熱風☽せれなーで」じゃないですか? 女人禁制の成均館(ソンギュンガン)という朝鮮王朝の最高教育機関を舞台にしたこの作品、原作小説は『成均館儒生たちの日々』、ドラマの原題は『성균관 스캔들(ソンギュンガンスキャンダル)』。原題に「トキメキ☆」がくっつけられた形…トキメキ☆な場合じゃないです、女だとばれたら家族もみんな消されます。お得意の簀巻きです。そう警戒しながら『ヴィンチェンツォ』熱の余熱で完走しました。結果、

・ソン・ジュンギのささやきとウィンクは罪深すぎる

・ユチョンは『屋根部屋のプリンス』の世子様のほうがナイスなキャラ

女はコロ先輩がスキ、ここ大事

 エリート学生集団・成均館の学生たちの間でも、権力者の御曹司で優秀だけど生真面目で人づき合いがへたくそなイ・ソンジュン(パク・ユチョン)、生活のため男装して金を稼ぐうち成均館に入学してしまったキム・ユニ(パク・ミニョン)、成金でチャラくて世渡り上手なク・ヨンハ(ソン・ジュンギ)、そして素行が悪く学生たちから恐れられているムン・ジェシン(ユ・アイン)…別名コロ、この4人が成均館の花の四人衆として巷の女人たちのトキメキ☆対象になっていきます。

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 その肝心のコロ先輩なんですが。心を許しているのは10年来の親友ク・ヨンハだけ。コロ=暴れ馬とあだ名される無法者。『花郎』のパク・ソジュンのケセ=犬鳥同様、憂いのあるアウトローな役どころです。ユニが女であることを知ってしまい、それを問い質すことなくひたすら守ろうとするコロ先輩のツンデレと純情。誰もがコロ先輩の幸せを願うはずじゃない? コロ先輩を幸せにしてあげたいじゃない?

 この気持ちって『はいからさんが通る』で断然鬼島さん推しだった、あの気持ちです。シベリアの戦場から流れ流れて満州で馬賊の頭領「黒い狼」になった鬼島さん。軍隊にいたときから「兵隊やくざ」と呼ばれた荒ぶる男。もちろんコロ先輩と同じく、ヒロインに心を寄せるせつない展開。

 しかもね、純情で熱い狼や暴れ馬や犬鳥の心を奪うのは、紅緒やユニやアロのような豪胆だけど純真な”あぶなっかしい”女子で、逆に心を奪われるのは、ちょっとスレた女子なんです、わかってます。

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 何度も斬られたコロ先輩が適切な医療を受けられたのかも気になる…

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