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カフェ トロワバグ 『お店は生き物』

Since 1976

神保町。
大通り沿いには個人書店が未だ軒を連ねている。
古き良き文化が脈々と受け継がれていって、人が流れ、時を動かしている街、神保町。
その町の一角に、喫茶トロワバグはある。

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地下へと足を踏み入れると、途端にほっと温もりに包まれる。
暗い色調の木材の温もり。
カウンターの橙色の温もり。
紅色のソファーの温もり。
そして珈琲の温もり。
お客さんの温もり。オーナーの三輪さんの温もり。スタッフの方の温もり。

言わずもがな、出版人に縁深い神保町に1976年にお店を構えた喫茶トロワバグ

たくさんの物語が詰まった素敵なお店さんの歴史を紐解いてみよう

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Story

1970s      喫茶店といえば、お店のロゴを刻んだ同じ形のカップがお客さんに提供されていたという

「変だなあ。どうして皆同じカップで珈琲を飲むのだろう。自分が好きな、あるいはその時の気分のカップを選んで飲めたらいいのになあ」

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現オーナーの三輪さんのお父様がふとそう思ったのがきっかけで、今では日常的に見かける多様なカップが並ぶお店が誕生する

先代のオーナーはお母様。煙草をふかす編集者の憩いの場を作ってくれていた


内装のデザイナーさんは、松樹新平さん。

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(緑と赤の淡い光が癒しの空間を作っている。隣には珈琲ミルもひっそり置いてある)


「自分が手がけたものは目がついちゃうから行けないんだけど…トロワバグは自分の手を離れて年月を経て良いものになってるね」(松樹さんのお言葉)


デザイナー自身が誇れる建築物へと昇華していく過程に、オーナーやスタッフの方々、そして訪れる人々の声や時間やくつろぎがある。

また女性の社会進出とともに、男性客に混じって女性客も増え始めた。今では、店内を見回しても男性ばかり、というよりも女性客も多い印象だ。

おひとりさまでも入りやすい空間を作ってくださっているので、男女関係なく入りやすいお店だ

Check point

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1. 珈琲

なんといってもトロワバグの魅力は「珈琲」
「ネルドリップ式」で一つずつ丁寧に淹れてくれる至極の一品である。

ネルドリップは紙のフィルターではなく、布製のフィルターを使用して淹れるコーヒーの手法。
使い捨ての紙より手間もかかるけれど、その分しっかり深みのある苦味と濃いめの味が特徴的で、その日の布の目詰まりの様子や、天気によってお湯の温度や淹れ方を少しずつ変えているそう。


『皆様にお出しする珈琲は、その日、その時限りの"今日の一杯"なんです。』

オーナーの三輪さんがそう語る時の煌めく眼差しは、珈琲への愛情で満ち溢れている。

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それでは【ネルドリップ】の淹れ方をご紹介❤︎

❶ 豆を測る。秤には錘がついていて、ぶら〜っと揺れるのを間近で見ると「これからどんな珈琲がくるかな」なんてワクワクする

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❷ 挽いた豆を布へ。優しくならす

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❸ 湯冷しをして__最初のお湯と豆のマッチング。ちょこっと蒸らす

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❹ 2度目のマッチング。ぷくっと膨らんで。もこもこっと。

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❺ 自分が選んだカップを選べる時も👑
先代オーナーから受け継がれているこだわりのカップにIN!

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この日は「秋らしいカップ」でお出ししてくれました。

カップの内側にも模様が見えて可愛らしいですね


2. カップ

作り付けの棚にぎっしり並ぶカップは実は時代によってちょっとずつその「容量」が違うのだとか

ご存知でしたか?

昔は今のブレンド珈琲ももう少し濃いめで、凝縮されていたために、比較的容量は少なめ
ちょっとずつ珈琲のトレンドが変わるにつれて、カップの大きさ(容量)が大きい規格になっていった


トロワバグのカップも今でも少しずつ新しい子も加入中。

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お店が比較的空いているときであれば、自分でカップも選べるそう。スタッフや三輪さんが選ぶのと、また違ったカップがご指名されることもあって、お店の方々も楽しんでいるみたいだ


自分の気分に合わせてその時の一杯を堪能できるのはこのお店ならでは

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Episode

__「コロナ禍で何か変化したことはありますか?」

ワイドショーなどで仕切りに飲食店が経営難に陥っている話を耳にする機会も多かった。単刀直入に伺うと、

「うーん、あまりスタンスとしては私は変わっていなくて、」

三輪さんは凛とした表情で丁寧に答えてくださった


「お店ってね、"生き物"だと思っていて、、閉め切ってしまうと空気が流れなくなるの。だからできるだけ開けるようにしていたんです。」


生き物というフレーズにはっとさせられる。何事にも「何か」が宿っている。そういう感覚は、誰にでもあるはず。特にお店はお客さんが出入りしてこそ、そこに歴史と趣が生まれ、いつしか愛情に包まれた特別な空間になっているのだ。

だからこそ、トロワバグにもう一度足を運びたいと皆が思えるのかもしれない


「最近は若い人も増えたけれど、皆お行儀が良くて、お店に対するリスペクトを持ってくれているの」

とも語ってくれた。初めてトロワバグに訪れる人も、気兼ねなく訪れてほしい。トロワバグに行ってみたいと。そう思う心がすでにお店へのリスペクトに繋がっているのだと私は思う。

今はアーティストの個展やイベントへの参加なども行なっている。常に時代とともに、伝統を守りつつ、新たな試行錯誤でお客様の心を掴んで離さない


行きつけのお店ができるだけで、ほっと安心する。心が豊かになった気がする。そんなお店が神保町にはある。いつも笑顔で迎えてくれる喫茶店がある。

ぜひ歴史深いトロワバグで一杯、珈琲を味わって欲しい。

他にも食事のメニューもあり、グラタントーストはとっても優しい味がして、私は個人的に大好きなメニュー⑅

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とろーっとホワイトソースとチーズがとろけて口の中に広がります…


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気になった方はぜひ、トロワバグに足を運んでみてください

(コーヒーチケット🎫がぶら下がっているのが可愛らしくてつい写真を撮ってしまいました😇)


店舗情報
アクセス▶︎ 神保町A5出口より徒歩1分 
営業時間▶︎ 月曜: 10:00-20:00 火-金: 10:00-21:00 土・祝日: 12:00-19:00 
TEL▶︎ 03-3294-8597

取材・撮影: Amo

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