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ソース・プリンシプル(ソース原理)とティール組織の「慎重な比較」

「*ソース・プリンシプルと*ティール組織との比較」について、お聞きすることが多くなってきました。ソース・プリンシプル提唱者のピーター・カーニック氏(以下、ピーター)お弟子さんであるトム・ニクソン氏(以下、トム)の著書『Work with Source(すべては1人から始まる)(英治出版)』を使った循環ソース探究読書会でも、参加者の皆さまと基本的なスライドを共有し、原書にも立ち還りながら、探究を進めています。

*ソース・プリンシプルティール組織についての基本的な内容はそれぞれ、リンク先の記事・動画をご参照ください。ソース・プリンシプルについては、提唱者のピーター・カーニック氏やお弟子さんのトム・ニクソン氏、ティール組織については、著者のフレデリック・ラルー氏(以下、フレデリック)との継続的な英語での直接対話をもとに作成したものとなります。

下記の循環ソース探究読書会でシェアしたスライドが一助になれば幸いです。 両者の「慎重な比較」においては、少し身も蓋も無くなってしまいますが、やはり、「原書に立ち還ること」&「著者(ピーター、トム、フレデリック)との英語での深い対話」が不可欠と感じています。循環ソース探究読書会でも、皆さまへの「原書へのチャレンジ」&「最終回でのトムへのご質問」をお勧めしています。

原書へのチャレンジは、言葉の選択理由からが比較的入りやすく、学びにもなるので、入口としては、例えば、以下のような感じでおススメしています。

「慎重な比較」を経て、循環畑がそうであるように、来るべきタイミングで異なる2つの考え方が、わたし達の社会や共同体に「(自然と)共存している状態」が芽吹いていくことを、フレデリックとピーター、そしてトムという源泉から学び続ける探究者として願っています。



ソース・プリンシプルの原書探究時の例

原書(P.21)にある「過剰な組織観から生まれる4つの懸念(未邦訳)」とは?

ソース・プリンシプルで「組織」という概念を使わない理由の理解/ 参加型スタイルが招く「水増しビジョン」に気を付ける/ 「個人」の創造性ではなく、「組織」での権力や立場に固執・執着する傾向/ 「"組織"の名のもとに解雇する」等

原書(P.14)にある「Sourcing(ソーシング)」とは何か?

ソース・プリンシプルが、「"個人”が愛してやまないことをできる」というピーターの人間観から生まれていることの理解/ 「ソースである」の土台の上に「ソースになる」が花開いていく/ Work(お仕事)ではなくLife(人生・暮らし)から始める/ フレデリックの言う「個人」のEvolutionary Purpose(エボリューショナリーパーパス)との繋がりはあるだろうか?

原書タイトル:「Work with Source」のWork with の意味は?

働くではなく、「使う or 試す」という意味が込められている。「組織での Work(お仕事)だけではなく、Life(人生や暮らし)で使う or 試してもらいたい」という趣旨を含んでいることの理解。

原書サブタイトル:「Work artfully with money」の「artfully」の意味は?

「創造的に」という意味が込められている。「お金に投影しているリソース(例:自由、豊かさ、安心等)を、自分自身のリソースとして取り戻し、創造性にあふれたビジョンを個人が実現してほしい」という想いがあることの理解。日常でのマネーワーク*の実践。

※*マネーワークについては、マネーの歴史と未来も含めて、ピーターもスイスのマネーミュージアムの皆さんと探究中です。JUNKANコミュニティーでは、ピーターやスイスのマネーミュージアムの皆さん、トム達とコラボレーションをしながら、日本や世界でのマネーヒストリー&マネーワークの実践探究を進めています。

「ソース・プリンシプル」提唱者のピーター・カーニック氏と。スイスにて。


ティール組織の原書探究時の例

原書タイトル:「Reinventing Organizations」の意味は?

"Reinventing”という言葉の質感は、そもそも、どういうものなのだろうか?
なぜ、ティール組織というタイトルをフレデリックは選ばなかったのだろうか?

原書(P.56 ):「Evolutionary Purpose」の意味は?

なぜ、Evolutionary Purpose(エボリューショナリーパーパス)という言葉をフレデリックはブライアン・ロバートソン(ホラクラシーのソース)から引用したのだろうか?進化生物学(Evolutionary biology)や社会進化論等の影響はあったのだろうか?

原書(P.56):「living organism/ living system」の意味は?

なぜ、living organism や living systemという言葉をフレデリックは選んだのだろうか?

原書(P.269):「Psychological ownership(心理的オーナーシップ)」とは?

個人についてフレデリックが語っている貴重な文脈。ピーターが言う「ソースである」との接合点はありそうか?

フレデリック・ラルー氏と。彼が住むエコビレッジにて。

まとめ

部分的にはなりますが、例えば、上記のような探究プロセスは、ソース・プリンシプルとティール組織を慎重に比較する上で、とても有意義だと思っています。

また、上記のような探究を進めていくと、2つの考え方は、そもそも、二人の異なるソースから生まれている考え方であるため、前提として、慎重に比較すべきものであり、その先の深い部分での共存は、難易度が高いことに気付いて頂けるかと思います。

そして、両者の共存が訪れるときには、この2つのユニークな考え方に感謝をすると共に、「日常の”暮らし”での身体感覚から生まれる、人間社会を”外側から眺めている視点”」が共存の助けになることにも、気づいてもらえるのではないかと思っています。

僕たちの場合、その視点は「JUNKAN(いのちの循環:生きとし生けるすべての”いのちの相互作用”から生まれている”自然な流れ”)」であり、非日常体験からではなく、日々の循環の暮らしから自然と湧き上がり、積み重なっていきます。
※循環畑についてはこちら→”いのちがめぐる” 循環畑とは〜土は生死が共にある舞台〜

わたし達それぞれにとっての、「日常の暮らしでの身体感覚と視点」について探究し合えること自体が、ティール組織とソース・プリンシプルの両者の慎重な比較を行う眼差しをわたし達にもたらし、健全な比較と共存の模索、そして、「組織を超える新しいレンズの現実化」を可能にする流れが、テクノロジーの活用と共に、強まっていくことを感じています。

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