24 六分儀句会 葉月の段

先月機種変更せざるを得なくなっていろいろアクセスできなくて投稿を忘れてた。まさか月をまたぐとは……!


 17. ユニフォームきちんとたたむ大西日 (わたなべじゅんこ)4点
◎ 美稲しょうこ 日焼けした肌に汗まで見えてきます。強いチームほどお行儀よく出来そうなイメージだからこそ、その前の時間帯の厳しい練習風景も想像できます。
◎ 岡田朋之 勝ったからきちんと畳むのか、もう着ないからきちんと畳むのか。
はっきりしたほうがいいという人も多いと思うけれど、読み手のその時の気分によって景が変わりうる句は面白くて好きです。
△ 黒田さつき 青春🧡
△ 明定朝子 何故かユニホームと聞いたら野球の子供と思ってしまいます。
これは、明日が最後の試合で前日に畳んでいるのか。または、試合が終わりもう着る事がないけれどよく頑張ったなと思いながら畳んでいるのか。どっちかな?
△ 六平 

14. うんと遠くに一人で夕立 (岡田朋之)3点
◯ 黒田さつき かき氷と夕立迷いました。二人だったら特選👍一人で行かないでね
◯ わたなべじゅんこ 夕立はひとりふたりと数えるのだろうかと考えたり(笑)誰かがひとりでうんと遠くに行って夕立に降られたのかな?この数詞が微妙に意味をずれさせて取りたくなるような外したくなるような……
◯ 佐々木ふく うんと遠くにきてしまった。一人ぽつんと佇んでいるところに、夕立。ますます帰れなくなりそうな。

22. 脊椎を一つ残して日の盛 (岡田朋之)3点
◎ わたなべじゅんこ 怖い。脊椎を一つ残すとはどんな光景だろう。斎場での生々しいお骨を思い出しつついますが、荒野に残された動物たちの骨の一つかもしれず。日の盛りという季語が上手く働いたかも。
◯ 小林少年 ちょっと心をえぐられるような句です。「脊椎」とは……。
△ 佐々木ふく 脊椎が一つしか残らなかった…
すべての骨の中で残ったのが脊椎一つなのか、脊椎の中で残ったのが一つなのか…
いずれにせよ、日の盛とあいまって、じりじりとした不穏さがありますね…

3. 電球に蛾の当たる音いくたびも (仲田陽子)3点
◎ 山本たくや 下五の「いくたびも」に、写実性とともに、恒久的な切なさを感じました。
◯ 美稲しょうこ ホラー映画のワンシーンのようでもあるが、思い起こせば身近な風景。身辺にある当たり前を言葉にする、俳句にする力。
△ 小林少年 キャンプ地かな。夜店かな。昭和だったらアーク灯ですね。当たる音でなくて、ジジという飛び込む音。
△ 明定朝子 昔、外を歩いてたら電球にバチバチと音がするのを聞いた事があります。最近は聞かないですね。

4. 夏の夜の光るおもちゃとして揺れる (仲田陽子)3点
◎ 佐々木ふく 光るおもちゃは、はかない。夏の夜のほんのひととき、光るおもちゃとして(「として」なので、本来おもちゃですらないのかも)揺れて、翌朝には消えていくのかもしれない。
光るおもちゃの季節は夏だなと納得しました。
◯ わたなべじゅんこ 遊園地や縁日の屋台で売っている光るおもちゃ。ほしかったなあと思い出します。が、ここではおもちゃになって揺れている……、風景が妖しい感じに怖くなります。
△ 六平 惹かれるのですが、意味がとれない…

9. 蝉時雨背中のファスナー開いたまま (黒田さつき)3点
◯ 小林少年 お前は蝉か。
◯ 明定朝子 蝉の抜け殻がいっぱいある森なんだね。
◯ 仲田陽子 ワンピースの背中のファスナーか、それとも着ぐるみの背中のファスナーか。どちらにしても蝉時雨だし暑いね。
△ わたなべじゅんこ 空蝉かなあと思ったりもして。

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