金色のライオン  渡辺一枝

『金色のライオン』 前がきりんだったから……というわけでもないんだけど。


ヒキガエルのように野太く?グワッ と啼いてたそうです、雨蛙も。ある晩、赤ん坊を寝かしつける若い母親に坊やが寝付けないと、役に立たないと責められ三日三晩泣いたそうです(ちなみにおとついの自身は彼が跳ねたからだそうです)。さすがに三日三晩も泣くともう声も出なくなりそう、とグワッとしゃくり上げるとコロロロロ、という声にかわっていたそうです。これなら子守歌になる!って雨蛙は大喜びだったそうです。(「グワッ と啼いてた雨蛙のお話です」)


自分の輝くようなたてがみを見に来る人間たちとおはなしをしたくてたまらないライオン、べぃすぼぅるに忙しいざりがに、鮒のままがよかった金魚。悪食の烏、飛ばないにわとり、酒呑みのたぬきなどなどいろんな動物たちのお話。

「おおきなぼうやの絵本です。おおきなぼうやにあげましょう。」

という献辞が最後に。おおきなぼうや、ってだれだろう?

箱入りに布貼りの表紙。バブルの頃って、こういうちょっと贅沢な詩集がたくさんあったなあと思う。お小遣いで買えるぐらいの値段で本屋さんに並んでいた記憶。表紙裏の動物たちの板画がかわいくて衝動買い。

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(1989年9月10日 あすなろ書房)



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