六分儀句会23　睦月の段

新メンバーを迎え、句の数も増え緊張感ある句会となってきました。今年もよろしくお願いしますm(_ _)m

54. 初夢の父に土地勘あるらしき　（仲田陽子）8点
◎　小林少年　なんだか幻想的、余韻がすごい句です。
◎　佐々木ふく　妙なリアリティがあると思いました。夢のなか、知らない場所、でも（ふだんはもうなかなか会わない／会えない）父親には土地勘があるらしい、ということが作者にはわかる、その感じ。
私は土地勘のある人といると安心します。夢の中のお父さまに対しても、そういう安心感が感じられる気がしました。
◎　岡田朋之　初夢でなんの夢を見てるんでしょう。お父さんは亡くなっていそう。想像が膨らむ。
◯　わたなべじゅんこ　どこへ連れて行かれるんだろう。生存している父と鬼籍にある父では印象も風景も違う。
◯　久留島元　知らないはずなのに夢のなかの父はどんどん先へ行ってしまう、みたいな。物語がありそうです

13. パジャマからパジャマに着替え初日の出　（わたなべじゅんこ）5点
◎　黒田さつき　気負わない新年素敵です笑
◎　仲田陽子　ものぐさあるある？もしかすると正しい寝正月の作法なのかも。
◯　佐伯一馬　このぐらいのゆったり感がいいですね

17. 重箱はあらかた空や初写真　（佐々木ふく）5点
◎　明定朝子　実家と同じパターンなので笑ってしまった。ちなみに今年は16人の集合写真を撮りました。
◎　髙橋梨華子　お正月あるあるですね。親戚でわいわい集まってみんなで食べて、平和で理想的なお正月です。
◯　仲田陽子　みんなで写真撮る頃にはお重の中はほぼ空っぽ。賑やかなお正月の景が浮かびます。

1. 初詣はじめて通る道で行く　（久留島元）4点
◯　芳野ヒロユキ　「で」という手段・方法がよい。目的に到達する方法は無数。「を」だと普通だから。
◯　岡田朋之　初詣だから初めての道で行く、というのは意外とない発想かなと
◯　佐々木ふく　いつも同じ道で行くいつもの神社を、今年は違う道から行ってみた、と読みました。シンプルな表現も相まって、新年らしい気持ちの良い句だと思います。
◯　佐伯一馬　まっさら感がいいですね

4. 新春の星新一が50円　（山本たくや）4点
◯　わたなべじゅんこ　めでたいようなそうでもないような。星新一ってお正月に合いますよね。ショートショートの様式も、名前の字面も。
◯　小林少年　いくら何でも、50円はない。とつっこみつつも、「新春の星新一」でまいりました。完璧な組み合わせ。「５０」は縦書きだと「五十」か「五〇」のほうが美しい。こうなっていたら特選でした。
◯　仲田陽子　「50円？安っ！」とか言って手にとって、パラパラ～とページをめくって買わずに元に戻したんだろうか。
◯　髙橋梨華子　星新一という言葉がおめでたい雰囲気に合ってて面白いです。新しい年に古本という組み合わせも楽しい。
△　芳野ヒロユキ　新の繰り返しが良かった。50円のところも何か音をそろえてあれば。

43. あの人の匂いが苦手鏡餅　（佐伯一馬）4点
◎　わたなべじゅんこ　大勢の集まるお正月らしい一句。ありそう。鏡餅のお供え感と重量感が気の重さにつながってて面白い。
◯　仲田陽子　香水がキツイのか。。。体臭がキツイのか。。。鏡餅の嘆きか。
◯　岡田朋之　お正月に会う親戚を指してるんですかね。鏡餅は他に季語があったかもとも。
△　久留島元　香害は公害、という記事をみました。正月で集まる親戚とか。鏡餅がベストかどうか