バンド紹介vol.3 デプレッシブ・ブラックメタル
デプレッシブ・ブラックメタルとは?
デプレッシブ・ブラックメタルは、海外ではDepressive suicidal black metalなどと呼ばれる(以降DSBM)ブラックメタルの陰鬱さを増幅させたマイナージャンルだ。内容は鬱や自殺、自傷的なものが多い(まあ、歌詞はあまり重要視されずに、曲全体の雰囲気が重要視される事が多い気がする)。
サウンド的な特徴としてクリーントーンを多用し、ブラックメタルにしては遅いテンポである事が多い。また、あえて低品質な録音をおこなったりする。
まあ要するに、暗く陰鬱なメタルバンドだ。
バンド紹介
Happy Days Don't Go
おそらく一番有名なアメリカのDSBMバンド。このジャンルにしては珍しく、バンド形態でライブを行ったり、アルバムをコンスタントに出していたりとかなりアクティブ。DSBMの王道を抑えていて、比較的聴きやすいため入門としても丁度いい…はず
Silencer — Death — Pierce Me
こちらも割と知名度があるスウェーデンのバンド。とにかくボーカルに癖があるというか…何なら笑えるくらい変に明るい叫び声なのだが、逆にそれが恐ろしく感じる(特に後半のcut me…cut me…は本当に救いようの無さを感じて好きだ)。
バンド自体は— Death — Pierce Meというアルバムの収録後に、ボーカルのNattramn(このページのサムネの人物である)が精神病院に強制収容された事で活動は停止しているのだが、Nattramn自身は退院後にDiagnose:Lebensgefahrというダークアンビエントのプロジェクトを行なっているので、それもよければ聴いてみてほしい。
雰囲気は違うが、これはこれでかなり怖い
Lifelover M/s salmonella
DSBMの中でも異色のスウェーデンバンド。ポップス的な雰囲気や、ロックぽいギターが入ったりしつつも、ボーカルや、陰鬱な雰囲気でちゃんとDSBMのツボを押さえているかなり不思議なバンド。
ブラックメタル的な寒々しいサウンドというより、どちらかというとポストパンク的なサウンドに感じる。エモとか、叙情系が好きな人も聞きやすいんじゃないだろうか。
メインメンバーのJonas "B" Bergqvistが亡くなってしまった為、現在は活動停止。
Xasthur Murdered Echoes of the Mind
アメリカのOne Man DSBMの重鎮。初期はメンバーいたらしいが、現在ではMaleficのソロプロジェクトになっている。
Rawなジャリジャリとしたギターと怨念の様な叫び声が響き渡り、暗い洞窟に置き去りにされたような絶望感を感じる。この中でもとにかく陰鬱な音楽を聴いてみたいときにはおすすめ。
MaleficはSun O)))のBlack Oneやライブに参加したりしている。
Nortt Til Gravens Vi
デンマークのフェネラルドゥームブラックメタルバンド。
多分ジャンルが少し違うが、雰囲気がかなり近いため紹介させてほしい。
重苦しいドラムに繰り返されるリフにより、Sun O)))のBlack Oneをより陰鬱にしたような雰囲気が醸し出される。雪の墓地で自分の死と向き合わせられるようだ。
本当に人を選ぶと思うが、ハマる人は大いにハマって抜け出せなくなるような音楽だ(私のソロプロジェクトのGummerもかなり影響を受けている)。
最後に
いかがだったろうか。かなり王道寄りかつ、海外のDSBMの紹介になってしまった事は申し訳ない(あんまり国内のDSBMは知らないんだ…)。
また、これで興味を持った方は、Viceが特集を組んでいるので是非みてみてほしい。Xasthurなどの有名One Man DSBMがインタビューを受けていて、かなり面白い(特にXasthurは言語化しにくいのだが…DSBMらしい雰囲気がヒシヒシと伝わってきた)。