【Sec#1】 野球競技人口の激減〜小学校の場合〜
顕著に下がる競技人口.このままでは消滅?
野球は日本において、国⺠的スポーツである。これは、私たちが生まれた頃から変わらない事実であろう。
同時に、競技力も高く、
WBSC(世界野球ソフトボール連盟)が発表する世界ランキングにおいて、日本はアメリカに次ぐ2位となっている.
このランキングは WBSC が主催する各カテゴリーの世界大会の成績などを基本に算出される。つまり、日本はトッププロの国際競技力のみならず、各年代の選抜チームにおいても高い国際競技力を誇っていると言える。
しかし、その野球の人気において、競技人口低下が進行している.
特に,子どもの競技人口の低下は顕著であり、日本スポーツ協会の傘下にある「スポーツ少年団」の競技別の団員数を見ると
軟式野球男子合計団員数
2007年=170,548人→2016年=114,591人
減少率 約33%
といった結果になっている。
スポーツ少年団自体の人数も634,868人から489,748人と減少しているが,野球の減少率は全体を大きく上回っている。
他のスポーツと見比べてみる
また、他の代表的な競技をスポーツ少年団登録者数(男子)では
と言ったように、
少子化のご時世の中、競技人口を上げている団体も存在する。
現在、人気絶頂とも感じるサッカーの場合には、スポーツ少年団の数に加え
・スクール
・JFA所属クラブのユースチーム
・競技性が類似しているフットサル
など、サッカー自体に関わっているものは多い。
これらは、日本サッカー協会が宣言している
「JFA2005年宣言」や「グラスルーツ」など、未来に向けたアクションの結果、多角的に支持層を増やしているのではないかと感じる。
バスケットボールも2015年に川淵三郎氏がチェアマンに就任して以降、戦略的に育成年代へ力を注いだ努力が、少しずつ結果に表れているのではないか。
また、バドミントンと陸上競技に代表されるように、個人競技は近年、グングンと人気を伸ばしている。
対して、競技人口の減少の坂道を転げ降りているのはラグビー。
関係者、有識者に話を聞くと、
元来からの古い風習を保ち、体罰の問題や厳しすぎる指導者など
ラグビー界から野球界と“同じ匂い”が感じられる。
何か変わらなければ。
少年野球の神童は一体どこへ?
少年野球の競技人口減少の理由は数多いだろう。内的な事情や外的な要因を含み、断定することは難しい。
我々、ジャンク野球団は、草野球チームとして活動しているが、新入部員が来るたび、同じような話を聞く
「楽しく野球がしたい」
「オレのピークは”小学生”時代」
など、後ろ向きな発言が多い。
そこで、小学生時代の指導や状況を振り返ってみよう。
! 野球をしていた方々に思い浮かべてもらいたい。
「小学校時代の神童と言われた彼の行方を知っていますか?」
中にはプロになっている人もいるかもしれないが、ほとんどの場合、いつの間にか名前を聞かなくなってしまっているだろう
こちらの記事は、2005年より年末に行われる
「NPB 12球団ジュニアトーナメント」についての記事である。
私たちの団員にも、参加者が多く、選出方法は様々であるが、
主にセレクションを用いていることから
いわばその時代の各地方で一番うまい選手たちが集結する大会である。
上記の記事からも、各年のプロ選手になった人数は平均約2人である。
その時点で最もプロ野球選手に近いのは間違いなく彼らである。
身体の特性上、小学生では体が大きい方が、活躍する条件が整っている。
その後、“伸びていない”のが少年野球の現状ではないだろうか。
少年野球界の“当たり前”は“当たり前じゃない”
・丸坊主強制
・挨拶は頭のてっぺんを見せ何秒間か静止
・監督さんへのお茶出し
・「うちのチームは1日練習する」
野球経験者なら思い当たる節があるであろう。そして、いまだにこの風習が続いているのも事実であろう。
これらを指導者が子どもに強要する。会社で上司が部下にそれをすれば即刻パワハラ認定下されるだろう。
加えて、野球界に切り離せず付き纏う「体罰」という行為。
今年の夏、民放メディアでも取り上げられた様子だが、
このような行為は“普通”に存在する。
果たして、親はこの様子を見て、野球をやらせたいと思うのでしょうか?
競技人口減少の影響は?
小学生においては、試合の中心を担う5,6年生が足りずに、試合によっては合同チームで出場しなければならず、消滅してしまうチームも続出し、競技人口減少による影響が見え始めた。
「競技人口減少?やっと適正な人数になってきたね」
確かに、今までは多すぎた。野球が国民のファーストチョイスであった。その上で、とっぷりと胡座をかいて鎮座していた。
しかし、時代は流れ多様化の中で、様子は変わっている。
マツコDX「野球はしょうがない。これまでいい想いをしてきたんだから」2017年7月17日放送『5時に夢中!』より
まさしくその通りであろう。
何も努力せず、野球を子どもがしてくれる時代は終わる。
事実として競技人口が減少していることは野球に関わるものたちにとって「悲しい」ことではないだろうか。
時代に適応すること、これまでの反省を踏まえ、未来へのステップを踏めることを願い今後とも、書き連ねていきたいと思います。