死ぬまでに観たい映画1001本#18 サンセット大通り
皆さまお久しぶりです。地味に僕の書くこの記事を参考に映画を観る方がいるとの話を聞き、再び映画のレビューを始めることにしました。
死ぬまでに観たい映画1001本にこだわらず、いろいろと映画を観たので、それに関するレビューも今後行っていきたいと思います。
今回紹介するのは、「サンセット大通り」
一言で表すなら、「過去に対する狂気」です!
サンセット大通り 1950年 監督 ビリー・ワイルダー アメリカ
個人的評価 3.0
「無声映画」時代に一世を風靡したノーマ・デズモンドの狂気があまりにも不快でした。この役を演じられた、グロリア・スワンソンの演技力はさすがであり、ラストシーンにも大変しびれました。
個人的に考えるこの映画のすごさは、観るのをやめたくなるほど、ずっと気味の悪い映像が流れていることです。
白黒映画あるあるに、「思わず笑ってしまうような無理な演技」というものがあります。無理もありません。今私たちが観ている映画は、120年以上の演技の蓄積があるなかで作られたものだからです。特に無声映画時代は表情で怒りや悲しみをすべて伝えなければなりません。あまりにも難しい話ですよね。
「サンセット大通り」の映画ができたのは、1950年。2023年を生きている私たちが観たら、大げさすぎる演技のシーンがあるのは仕方ないことです。
(映画の始まりが1895年のことであり、映画史は文学史や音楽史と比べるとどうしても浅くなってしまいます。)
そのなかで、「サンセット大通り」という映画は、どのシーンにも常に緊張感が漂っています。なぜなら、この映画の中に「思わず笑ってしまうような無理な演技」が存在しないからです。
特にグロリア・スワンソンが演じた、ドーマ・デズモンドには本当に恐怖することになるでしょう。一時期は女優として名声を得たがおちぶれたという設定がとてもすんなりと入ってきました。
そして主役を演じたグロリア・スワンソンもまた、サイレント時代に活躍し忘れ去られた女優であったこともこの映画の重要な要素です。
要するに、「サンセット大通り」は、ほぼグロリア・スワンソンの物語なのです。
こんな屈辱的なことがあるでしょうか。自身が一世を風靡し落ちぶれたストーリを世界中に公開されるなんて。
このように、一度観た映画の成り立ちや背景を調べることが、映画を何倍も面白く深いものにさせてくれます。それを教えてくれた映画のは「サンセット大通りです」。
この映画で革新の演技を見せたグロリア・スワンソン、そして伝説的な映画であるイブの総てにて主演を演じたベティ・デイヴィス(伝説的な女優)はこの年のアカデミー主演女優賞を逃し、ジュディ・ホリディという新人女優が受賞することとなりました。グロリア・スワンソン、そしてベティ・デイヴィスが有力視されていただけに当時物議を醸したそうです。
ぜひお手すきの際にご覧ください。
それではさよなら、さよなら、さよなら。