Anly@渋谷プレジャープレジャー
2022年4月26日(火)
渋谷プレジャープレジャーで、Anly。
Anly、“いめんしょり“と題されたアコースティック・ギター弾き語りライブ。“いめんしょり“は、Anly の故郷である沖縄の離島・伊江島の方言で「いらっしゃい・ようこそ」の意味だそうだ。
ループペダルを使用したひとりだけのライブやバンド編成のライブはこれまで何度か観てきたが、そういえばギター弾き語りライブをフルで観るのは今回が初めて。来場者から募った「相談」にその場で答える「ゆんたく」(お喋り)コーナーがあったり、来場者の「お題」をもとに即興で曲を作って歌う(ラップで言うところのフリースタイル的な)コーナーがあったりと、観客たちとのコミュニケーションに重きを置きながら進めていく、あたたかなライブだった。となると、バンドセットやループペダル・ライブのとき以上にAnlyの人柄がそのまま出る。MCっぷりは実に堂々としていて、ああ、地に足がついてるな、ライブという「現場」で力をつけてきた彼女だからこそだよな、と感じた。プレジャープレジャーというホールのライブでありながら、どこかのカフェで歌っているかのような親密感もあった。実際この“いめんしょり“ツアー、地方は主にカフェでやることが多いようで、序盤は少しだけ勝手の違いを感じているようでもあったが、すぐに場の空気に対応して、リラックスした雰囲気にもっていったあたりもさすがだった。
プレジャープレジャーは、音の響きの非常にいいホール。よって生ギターの音も豊かに(または細やかに)響いていた。何より彼女の歌声。素晴らしいその歌唱表現力がいつも以上に際立って感じられた。自身のギター表現と歌が一体になっている故、押しも引きも、繊細さも力強さも、思いのままといった感じなのだ。
改めてAnlyがライブ・アーティストであることを強く実感した。音源を聴いただけじゃ伝わらないその実力を、もっと多くの人に知ってもらいたいとも思った。今まで観たAnlyのライブがよくなかったことなど一度もなく、それどころか観る度によくなっていき、進化の様がはっきりとわかるのだ。デビュー時からしばらくは頻繁にインタビューしてきた自分としては、それが嬉しいし、頼もしさも感じる。
テレビの歌番組などでよく歌の上手い女性シンガーとしてMISIAやSuperflyや吉田美和の名前があがったりするが、若手ではAnlyが一番なんじゃないかと、そんなことも思った弾き語りライブだった。