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ザ・レモン・ツイッグス@duo MUSIC EXCHANGE
2025年1月6日(月)
渋谷duo MUSIC EXCHANGEで、ザ・レモン・ツイッグス。
ロキソニ2日目に出演したザ・レモン・ツイッグスの単独公演。ずいぶん久しぶり、待ってましたの来日だ。
会場は後方まで超満杯。自分が中に入った18時50分くらいの段階でもう観やすい場所がどこにもなく、太い柱が邪魔してステージ中央あたりで歌って演奏していたブライアンの姿をほとんど捉えることができなかったのは辛かったが、しかし内容的には文句なし。大満足。待った甲斐ありのライブだった。
2016年にデビューしたザ・レモン・ツイッグスは、日本でもすぐに人気が出て、2017年にはホステスクラブウィークエンダーとフジとで2回来て、2018年11月に単独で来て、2019年にはサマソニで来た。この頃はわりと頻繁に来ていたわけだ。自分が観たのは2017年のフジと2018年のO-EASTで、2018年の来日時にはインタビューもした。ブログに書いた2018年のライブの感想を読み返してみたら、「弟マイケルはミックとイギーと!!!のニックと江頭が混ざったような動きでロックスターとしての役割をまっとうしてたし、ブライアン兄ちゃんも上半身裸になって飛び跳ねながらギター弾いてたし」なんて書いてある。そうそう、会って話したときの印象とずいぶん違って、ステージでは往年のロックスターっぽい振る舞いで爆発していたのだ(特にマイケルが)。
さすがに年齢を重ねて、あの頃のようにやんちゃさ全開のはっちゃけたパフォーマンスは見せず、ふたりともしっかり演奏に集中していた(とはいえパワーポップ系の曲ではジャンプしたり片足を高くあげたりといった動きで素直に躍動を表現してもいたけれど)。でも落ち着いたというのとも違い、マイケルはブライアンが何か喋ってるときにすぐ言葉を被せたり、ドラムを叩くときにはずっとスティックをクルクル回していたり。多動なところがあるんでしょうね。
ザ・レモン・ツイッグスはデビューの頃からずっと作品がいいのだけど、とりわけ比較的最近の2作…2023年の『Everything Harmony』と2024年の『A Dream Is All We Know』がどちらも傑作で。今回は初期の曲もやったけど、その2作からの曲をたくさん聴けたのが嬉しかったところ。個人的にはとりわけ『Everything Harmony』に多めに入っていた夢見心地になれるスロー曲が大好きだったのだけど、本編ではスローはあまりやらず、主にパワーポップ・バンド的な見せ方をしていた。Xでも話題になっている通り、なんとゴタイゴの「君は恋のチェリー」をやったりも。
新作『A Dream Is All We Know』のなかでは僕はビーチボーイズみたいな「How Can I Love Her More?」がとりわけ大好きだったのだけど、本編の最後にもってきたのがその曲。やはり彼らにとっても重要かつ自信ありの曲なんだな。
そしてアンコールはまずブライアンひとりだけ出てきてギター弾き語りで「Corner of My Eye」を。これこれ、これを聴きたかったんです。『Everything Harmony』収録の1曲で、もしかしたら自分が彼らの曲のなかで一番好きなのはこれかも、ってくらいに大好きな曲。もう、うっとり。ほんと、いい声だな~、ブライアン。続いてもう1曲の弾き語りは「Winter Comes Around」。これも大好き。『Everything Harmony』のスローナンバー群に特に思い入れのある自分的には、この2曲で相当満たされた。
そしてメンバーみんな再登場で、彼らのルーツなんてふうにも言えそうな大先輩バンド、Big Starの「You Get What You Deserve」を。ここでのマイケルのギターソロにはしびれましたね。で、締めは新譜の最後に入ってたグラムロックみたいな「Rock On(Over and Over)」! ということで、自分的には本編最後からアンコール4曲ですっかり幸せに。ハーモニーの美しさにも磨きがかかり、やっぱいいバンド、バカみたいに音楽が好きで好きでしょうがない兄弟なんだなぁと改めて強く思ったのでした。次回はもう少し大きな会場でひとつ。