Anly@渋谷duo MUSIC EXCHANGE
2020年11月25日(水)
渋谷duoで、Anlyのデビュー5周年ライブ(ループペダルセット)。
duo……というか、丸山町のライブハウス密集地帯に行くこと自体が超久しぶり。ライブがなくなったらまず足を運ばないエリアだな、とか思いながら会場へ。
Anlyのライブを観るのはいつ以来だろう。辿ってみたら、昨年1月20日のeggmanでのバースデイライブ以来だった。つまり1年10ヶ月ぶり! そんなに観てなかったかと自分でも驚く。
Anlyにとっては9ヶ月ぶりの有観客ライブ。でありながらも、彼女はステージにひとりで立って、実に堂々と、そして伸び伸びと歌っていた。緊張した様子など少しもなく、1曲目から持てる力を存分に発揮していた。そこにハッキリと進化が現れていた。有観客のライブができなくなっていた間にもインスタライブなどを頻繁に行なうなどして少しも動きをとめなかったからだろう。いや、それにしても、ループペダルセットというひとりきりのあり方で、あそこまで惹きつけ、1秒たりとも飽きさせないライブを行なうというのは、とんでもない実力だよなと改めて感心させられた。
ギターとループペダルのみを用いて瞬時に立体的な音の場を立ち現すというそのやり方だけのライブをAnlyが始めたのは確か3年前くらいだったと記憶しているが、思えばその頃から彼女のライブは各段によくなった。度胸とパフォーマンス力が一体となってどんどん上昇していくのを感じたものだった。彼女の主要なライブはデビュー当時から観てきているが、「場数」を踏むというのはこういうことか、とも昨夜は思わされた。今の彼女のパフォーマンス力なら、例えばフジのレッドかヘブンかホワイトあたりで大人数の観客を惹きつけることもできるんじゃないか。
また、昨夜は世界に向けての配信ライブでもあったようで、MCも日本語で話したあと、同じ意味のことを英語で(画面で見ている海外のファンに向けて)話したりも。つまり9ヵ月ぶりの有観客ライブであることと同時にワールドワイド・デビュー・ライブというような側面もあったわけだが、英語語りは明確かつ滑らかで、これなら世界ツアーも堂々とやれるな、その日が来るのも(コロナさえおさまれば)遠くないなと感じた。
5周年ライブということで、5年の間の代表曲が満遍なく次々に歌われたわけだが、以前のライブ時と同じアレンジで歌われたのはほんの数曲だけで、大半の曲は新アレンジにて披露。わけても凄かったのが、本編最後に歌われた「Venus」だ。それはもうシガー・ロス並のエモさ。圧巻。
5年という日々に対する思いもたっぷり込められた、胸熱のライブ。
そうそう、歌ってる途中で無造作にピックを次々に横や後ろに投げ捨てる姿もなんだかかっこよかったな。そしてライブの途中でたくさんのピックをマイクスタンドに「補充」する姿にはほのぼの。かっこよさと可愛らしさがいい塩梅のAnlyさんなのでした。