ぜいたくな時間
かわいいイヤリングが欲しくて、
何度も売り場を訪れる。
かわいいなー。
きれいだなー。
てんしょんあがるなー。
ただ、なにが欲しいのか分からなくて、、
いつも買えずにさよならしてた。
ひとがつけてるのが羨ましいんだけど、
わたしなんかがそんな高度なもの畏れ多いと
感じてた。
自分はセンスないし、
ダサいし、
遅れてるし、
きもいって思われそー。
思春期からのコンプレックス。
兄から言われた言葉、
友人からからかわれたときの気持ち、
スクールカーストとも絡んだ劣等感。
何より自分を誰かと比べて優劣をつけてた。
もったいない。。
何回も足を運んで、
きゃわっ!ってなるポイントを細かく拾っていく。
色、素材、テイスト、、
これのどこが気に入って、どこが気に入らないのか。
今のわたしはなにが好きで、なにに醒めちゃうのか。
もうほんとに、すごく時間がかかる。
何個でも買っていいんだよー。
そう言ってみるけど、めっちゃ吟味してる。
吟味したい気分なの。
なにが欲しいのか、具体的に見つけたいの。
やっと辿り着いたのは、
青色が入ったおはじきみたいなガラスのイヤリング。
黄色い服に合わせると、すごくかわいい。
めっちゃ似合う気がする。
それを見つけたことがうれしい。
似合うものを見つけて。
わたしの可愛さを見つけて。
自分にそう言われてる気がする。
高価なものじゃなくていいから、いっしょに探して、買って欲しい。
プレゼントできた自分もうれしい。
自分の中の女の子と、男の子。
ひとりで自分とラブラブしている。
とてもとても、ぜいたくな時間。
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