私の中銀カプセルタワー滞在記〜NAKAGIN BUSINESS CAPSULE(90)
【退去日①】
さあ、今日でカプセルタワーとお別れだ。朝のうちに荷物を出して鍵を返却しなければ。
昨夜は荷物がスーツケースに収まらない夢を見た。夢の中で私はカプセルタワーの部屋で盛大なお別れパーティを開いていて(部屋の広さが3倍の設定だ)、すごく懐かしい人がいた気がするけど誰だったかわからない。パーティをしながら荷物を詰めるんだけど、詰めても詰めても部屋からモノが湧いてきて困り果てるという、楽しいんだか悪夢なんだかわからないけどタイムリーな夢だった。こんなに現実にリンクした夢を見るのは久しぶりだ。
少し早く目が覚めて、ヘンテコな夢の余韻を楽しみながら頭の片隅で「あー、荷物詰めなきゃなー。でも詰めたら終わりだから悲しいなー」と考えていた。目をつむっていれば今日が来ないような感じがして、ベッドからなかなか出れない。
とはいえ、時間という制約がシビアに迫ってくるので観念して起き上がる。今日も順調に水漏れびしょ濡れなユニットバスの床をスポンジでザッと拭き、残り少ないトイレットペーパー(切実。後述)を濡らさないように、洗面台の上でそっと絞る。
この丸い洗面台のボウルはびっくりするほど小さくて、慣れるまで顔を洗うたびに周り中ビシャビシャになったなぁ。トイレのかたーいボタンはエイヤと押すたびに大水流でゴバーっと流れて爽快だったなぁ。おしゃれな丸底の棚は、何を置いてもバタバタ倒れてしまって使いにくさナンバーワンだったなぁ。
感傷に浸りつつ、この1か月、ずっとバスタブにしまいこんでいたスーツケース(小さめ)をよっこらしょと運んできて部屋の真ん中で広げた。この中に最低限の荷物だけ詰めて入居した日を思い出してまたしんみりしてしまい、なかなか作業が進まない。
いけないいけない、荷物詰めなくちゃ。使ったものからしまっていく作戦で身体を動かすのだ。
化粧品類は前回自宅に帰ったときに2泊3日サイズのに替えていてコンパクトになってるけどシャワーセットが1か月仕様のままなのでなかなかにかさばる。ハンドソープも、1か月で使い切るだろうと張り切っておしゃれなデカ容器のを買ってしまったから(めっちゃ余った)漏れないように厳重にテープでとめた。1枚だけ残していたシーツをベッドからひっぺがして液体モノすべてをぐるぐる巻きにスーツケースへ入れる。パジャマを畳み、ラジオと時計を入れて巻いて入れる。使い残しのウエットティッシュは、部屋に備え付けのゴミ箱とは別に自分で用意した小さなゴミ箱を洗ってそこに押し込み、スキマに詰める。
さて、この時点でほぼスーツケースの余白なし。カプセルタワー生活最大のピンチだ。
電気ポットが入らない…!
なぜあんなデカいものを最後まで残したのだ私よ。
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とりあえず荷物2つできました
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