私の中銀カプセルタワー滞在記〜NAKAGIN BUSINESS CAPSULE（77）

【入居24日目】
今日は定期で入っているテレビ字幕の事務で渋谷出勤だ。すっかり新橋から20分の通勤に慣れてしまって、自宅からの満員電車乗り換え通勤が大変しんどい。比較的空いている各駅停車の女性専用車両に乗るのはもちろんのこと、あわよくば座っていこうと「途中駅で下車しそうな人の前に立つ」ゲームをするけど、打率は3割くらいだ。各停に座ってる人は最初から気合いが違う。

台風が近づいていて暑いのに不穏な雲が広がっている。仕事帰りに人混みをかきわけながらスクランブル交差点のTSUTAYAに向かうと、夕方の渋谷はやはりというがさすがというか、スタバまわりの入り口は各国の言葉が飛び交い、若者層が呪文のような注文を繰り出していた。「いま私は動物園にいる気持ち」とキョロキョロしながら狭いエスカレーターを上がっていくと、レンタルコーナーはびっくりするほどそこらへんのTSUTAYAの雰囲気。人もまばらでNetflixとかAmazon primeの台頭がレンタル業界に影を落としていることがよくわかる。お目当ての「ソイレントグリーン」を発見。この古い古いSF映画は、以前新聞の映画欄でものすごく魅力的なイラストと文章で紹介されていて、ずっと観たいと思ってたけど近所のTSUTAYAになかったのだ。ホクホクと棚の場所を覚えて自宅に帰る日に備える。息子も観たいと言ってるし、そもそもカプセルタワーにはPCを持ち込んでないので自宅に帰る日じゃないと観れない。

渋谷から銀座線で新橋に向かう。そういえば何かしら寄り道することが多くて、仕事場からまっすぐカプセルタワーに向かうことがあまりなかったな。銀座線はいまいろんな駅で改修工事が行われていて、この渋谷駅も改修されるらしい。ビルの階段をのぼると突然目の前が駅っていうシュールさがカプセルタワーに通じる過去の近未来感を醸し出していて好きだった。東横線の渋谷駅も好きだったけど、あれよあれよというまに地下鉄につながってターミナルホームがなくなってしまったし、新しくなることは仕方がないけどちょっと寂しいことだ。

新橋駅のいつもの階段をのぼろうとすると、びしょ濡れの人や出口を見上げて困り顔の人がいて、何事かと見に行くと、外は絵に描いたようなすごいどしゃ降りだった。折りたたみ傘では太刀打ちできない感じなのでとっとと地下街から汐留駅方面に向かう。地元民だけが知る裏道を使いますよって感じで謎の優越感に包まれる。いやこの辺で働いてる人なら誰でも知ってるルートなんだけどね。

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これを書いている今、新型コロナウイルスによる外出自粛で東京はまったく違う世界になっている。現実感がなさすぎて日記がなかなか進まない。あの夏、街は人であふれていました

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