コインランドリーでおまだれ

 1日がもう終わる。ありがたいことに(?)最近そう感じることが多い。
 今日、筆箱を出先に忘れてきた説が濃厚。すごく気に入っていて、中身にも愛着が湧いてきた矢先の出来事。悲しい。明日メールしてみよう。あってくれ。頼む。
 ものを大事にしよう大事にしようと思っているのに、忘れ物がなくならない。これは本当によくない。筆箱にもGPSをつけようかと思う。

 コインランドリーへ行ってきた。乾燥機まで回して約1時間。2回分やって約1000円。アイロンをかけたみたいにシワが伸びる。心なしか白いパーカーの白がさらに白くなったような気になる。これがなんとか効果…あ、プラシーボ効果??

  コインランドリーはたまに利用する。家で洗濯すればいいのに、晴れている日は洗濯物を干す気になれなかったり。洗濯物を干そうと意気込むと土砂降りだったり。部屋干しするには狭いワンルーム。湿気っぽくなって気分まで落ち込むこの時期。何かと理由をつけて洗濯をしない日々。洗濯機を回さない罪悪感で負のオーラを纏い始める脱衣所は…見て見ぬフリをする。

 しかし。

 4日間洗濯をしなければもう悲劇。洗濯機の前は洗濯(していない)物であふれ、着る物は高校時代のジャージしかなくなる。明日は2限から授業だというのに。これはまずい。慌ててリュックに洗濯(していない)物を詰める。しかし、リュックだけには収まり切らず。ゴミ袋にも洗濯物を詰める。リュックいっぱいの衣類と、右手にもゴミ袋いっぱいの衣類。夜逃げにしか見えない。そして自転車に飛び乗る。時刻は22:30

 交番の前を通る。下は赤いジャージ。上は迷彩柄のパーカー。衣類でパンパンの青いリュックと、こちらもまた衣類でパンパンの白いゴミ袋。水色のボロ自転車で疾走する。職質しろよ逆に。おい。

 ごぅんごぅんごぅんという音を立てて回る洗濯機、洗濯機、乾燥機、乾燥機….11時近いコインランドリーは誰もいない。洗濯物を洗濯機の中へいそいそと詰める。待ち時間は1時間。その間に課題に指定された教科書の範囲を読みこむ。近くのセブンでガリガリくんを買って食べる。サークルの連絡をする。メールの確認とslackの返信とLINEをチェックしてInstagramのDMを返す。やることは意外にたくさんある。
 
 乾燥機が回転をやめた。クールダウンが終わったら洗濯物を取り出す。ふわっと香るお日様の匂い。あの匂いは乾燥機でも十分に再現することができる。肺いっぱいにお日様の匂いを溜め込む。「あぁぁぁぁ〜」声には出さずにため息をつく。

 知ってる。お日様の匂いの正体は。でも、その知識を得意げに披露して友だちが嫌がる様子を見て喜ぶ奴が僕は大嫌いだ。
「お前のこと誰が好きなん? いやお前のこと誰が好きやねん。ええことないねやろ。普段生活してて。お察しします。」(粗品 2021)

 お日様の匂いがする、きれいになった洗濯物を乾燥機から出す。丁寧にたたんでリュックに入れて、外に出る。


 まさかの雨。

 お前のこと誰が好きなん?



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