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午前、雨

反撃なる  10

トシヤは下を向いたまま、言葉が出てこなかった
顔を上に上げるチカラも出てきそうにない

さやかは親友の理奈の望みどおりに
作戦を立案し実行したのだったが

さやかの思うような"爽快感"は全くなく
緊張した沈黙感だけが空間に漂っていた

理奈だけは違った思いがあり
わたしを何の連絡もなく"振った"
トシヤへの復讐心がふつふつと沸騰していた

鷹の目のようにトシヤを睨みつける理奈
下を向くトシヤ そんな状況でさやかも下を向いたままだった

そんな緊張した沈黙が1分間ぐらい続いた
喉が渇きグラスの水を一気に流しこみ
耐えられなくった さやかは口火をきった

「あのさートシヤ 別れた状況をちゃんと
しゃべらないと 始まらないよ」

トシヤは軽く"うん"と うなずいた。
「理奈には申し訳ないと思ってる。理奈の気持ちを受け止めようと最初は思ってて、デートするたびに楽しくて、お互い好きなな気持ちを持てて嬉しかったんだけど・・
自分の中で部活と受験勉強と理奈とのバランスが
崩れてしまって・・」

「理奈には一度 電話したんだけど不在だったから、別れの手紙をちゃんと書いて自分の正直な気持ちを書いたんだよ。」

さやかは理奈に「理奈どうなの?」
と聞いた

理奈は「うそだよ。そんなのもらってない!」
さやか「トシヤ!どうなの」
トシヤ「理奈と同じクラスの立本に手紙を託して
立本に聞いたら、ちゃんと渡したよって言ってたよ」

その時、立本が重要参考人に浮上した・・

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